AppLovin (アップラビン)は、 モバイルアプリ市場における世界のトレンド予測を発表した。 また、 日本におけるモバイルアプリ市場のトレンドも併せて公開した。
<以下、プレスリリースより>
1.オンラインとオフラインのハイブリッドマーケティングで成果を最大化する
最高マーケティング責任者(CMO)のケイティー・ジャンセン(Katie Jansen)は、以下のように述べています。
対面イベントのようなオフラインのマーケティングチャンスが復活してきましたが、今後もデジタルチャネルが活用されることは明らかです。マーケティングのリソースとコストを最大限に活かすためには、ハイブリッドな顧客体験を取り入れることが鍵となります。デジタルチャネルとオフラインのハイブリッドでそれぞれのエンゲージメントを補いあうことで、コンテンツの寿命を延ばし、より多くの人に届けることができます。例えば、イベントのために制作したデジタルコンテンツを地域ごとにローカライズしたり、ソーシャルメディアを活用することで、よりグローバルなオーディエンスとの接点を持つ機会が生まれます。
2. モバイルアプリのエコシステムの展望ーアプリ収益化のイノベーションと新たなプラットフォームの出現
AdTechゼネラルマネージャー、イディル・キャナル(Idil Canal)は以下のように述べています。
景気後退により、モバイルアプリのエコシステムの見通しには多くの不安要因があることは確かですが、私たちは顧客の事業成長に何が有益かを第一に考えビジネスを展開しています。来年、アプリの収益性を高める最も有望なイノベーションは、新しい広告フォーマット、新しい広告プレースメントの実証実験、リテンション率の改善、ユーザーあたりの収益の向上などの分野でみられるでしょう。また、新しい広告媒体としてのコネクテッド TVや、デベロッパーの新たな収入源となるモバイルアプリのマーケットプレイスであるVesselのような、新しいプラットフォームの探求をサポートできることを期待しています。
3.アプリ内外でのハイブリッド収益や新たな広告フォーマットなど、趣向を凝らした広告収益化手法の出現
グローバル事業バイスプレジデント、ダニエル・チェルナホフスキー(Daniel Tchernahovsky)は以下のように述べています。
ゲーム業界は、創造と試行錯誤を繰り返し、成長を遂げてきました。現在の景気後退下では、創意工夫とチャレンジ精神をさらに強化することを余儀なくされています。新しいヒットゲームを生み出すことが難しくなっている中、これまでの成功例にこだわらず、リスクを取るデベロッパーが増えています。私たちは、ゲーム業界において、今後も収益化戦略が発展していくと予想しています。アプリ内課金(IAP)とアプリ内広告を組み合わせ、収益を最大化するハイブリッド収益化、アプリ起動時広告やネイティブ広告の新しい広告フォーマットなど、2023年には多くの新しい独創的な収益化戦略が出現すると予想しています。
4.変化は成長の機会ーコネクテッドTVなど新たな手法への拡大や、それに伴う効果測定の進化に期待
デマンド担当 バイスプレジデント、アンドレイ・カザコフ(Andrey Kazakov) は以下のように述べています。
グローバルなマクロ経済が変化すると、企業は需要見通しを変えますが、変化に積極的に適応する企業にはチャンスがめぐってきます。モバイルのエコシステムが進化するにつれ、広告主は競争力を維持するために新しいチャネルを試す必要に迫られるでしょう。モバイルファーストの企業は、モバイルの通常の域を超えて、例えばコネクテッドTVのような、新たな顧客層にリーチできる手法を試すでしょう。マーケティング・ミックス・モデリング分析から最新のプラットフォーム・サポートまで、複数のチャネルのパフォーマンスを総合的に把握するために、より幅広いツールや手法が必要となるため、広告効果測定もまた進化しています。
5.NFT市場がモバイルゲームやアプリと融合
New Initiativesゼネラルマネージャー、ラファエル・ヴィヴァス(Rafael Vivas)は以下のように述べています。
モバイルゲームやアプリにデジタルマーケットプレイスを組み込むことで得られる商機や収益は膨大です。すでに、あらゆるゲーム・プラットフォームにおいて、デジタル・アイテムに年間数十億円が費やされています。
AppLovinのパートナースタジオであるLion Studiosでは、Match 3Dゲーム内にNFTのイベントを組み入れた結果、エンゲージメントと ARPDAU の顕著な増加を記録しました。これにより、アプリ内購入が大幅に増え、ユーザーが市場でNFTアセットを売買する際に発生するロイヤリティ料を通じて、新しい収益源を確保することができました。
近年、新しい収益化手法にいち早く投資したモバイルゲームデベロッパーが、市場での優位性を確立しています。2023年にユーザーエンゲージメントの可能性を最大化したいと考えているデベロッパーにとって、投資のタイミングは今であると言えます。
6.NFTは、デジタル所有権の進化を象徴するものとなる
New Initiativesのゼネラルマネージャー、ラファエル・ヴィヴァス(Rafael Vivas)は以下のように述べています。
デジタルマーケットプレイスは、世界中のゲーマーの間で広く受け入れられており、すでに年間数十億のデジタルアイテムが取引されています。
NFTは、デジタルアイテムの所有権の進化系であり、ユーザーが獲得または購入したデジタルアイテムを転売する機会を提供し、デベロッパーに増分収益をもたらしてくれると考えています。これまでは、ユーザーが本当にアイテムを所有しているかどうかを確認するには、そのゲームにログインして、ゲーム内でそのユーザーに確認する必要がありました。しかし、NFTの技術を使えば、公開台帳上でデジタル資産の所有権を簡単に確認でき、その所有権を簡単に取引することができます。新しいゲームの継続率を維持することを目指すデベロッパーにとって、デジタルマーケットプレイスの収益化は最重要事項であるはずです。
7.安定的なリテンション率とインプレッションあたりの収益(RPI、Revenue Per Impression)に向けた収益源を多様化
韓国事業責任者、ジンソク・リー(Jinseok Lee)は以下のように述べています。
景気後退と広告のeCPMの低下により、韓国の多くのデベロッパーは、安定したユーザーリテンションとRPIのために収益源を多様化しようとしています。広告収入を重視するデベロッパーは、放置系 RPGのようなIAPを重視するジャンルにビジネスを拡大しようとしており、韓国を中心としたアジア市場で一定の成果を上げています。プレイヤーは、時間限定アイテムの購入や、より高額な広告なしのプランの試用を積極的に行っています。また、ハードコアジャンルなどIAPを重視するデベロッパーは、タイトルにリワード動画を追加したり、インタースティシャルやアプリ起動時広告などの新しい広告フォーマットの導入を検討しています。 来年は、韓国をはじめとするアジアのデベロッパーが新しい広告フォーマットによるハイブリッド収益化にさらに注力し、機会を最大化するためにグローバル展開を始めると予想されます。
8.日本のトレンドはライフサイクルの長いカジュアルゲームと遊びながら稼げるポイ活
日本事業責任者、片木 智也は以下のように述べています。
カジュアルゲーム業界では、日本のハイパーカジュアルゲームパブリッシャーの多くが、より寿命の長い、インストールあたりの収益 (RPI)の高いカジュアルゲームに関心を持ち、ヒットタイトルの開発に現在取り組んでいます。来年はこのジャンルで日本発の人気タイトルが増え、より多くのパブリッシャーがこのカテゴリーに参入してくると予測しています。
日本市場では、LINEのポイントゲームなど、カジュアルゲームやポイ活の成功事例から多く学ぶことができます。ポイ活は、遊んで何かを得るというモチベーションを持つ人が多いので、ユーザーエンゲージメントや広告の市場性を最適化するのに非常に有効な方法です。2022年には、様々なジャンルのパブリッシャーが、ポイ活の新規タイトルをリリースしたり、既存の主要タイトルにポイ活の仕組みを活用したりして、このカテゴリーに参入しています。2023年も日本国内のゲームアプリ、非ゲームアプリともにこのカテゴリは継続的に成長すると予想され、他の市場にも参入するかが注目されます。