Tencent Games は、オンライン発表会「SPARK2023」を開催した。例年にも増して未来に焦点をあてた本年の発表会では、今後中国市場で展開を予定している20件の新規ゲームプロジェクトについて披露し、さらに基礎となるテクノロジー強化と開発部員の専門性を高めることの重要性を強調した。
「SPARK2023」では、Tencent のシニアバイスプレジデント、スティーブン・マー氏が登壇し、ChatGPT の到来とその技術がもたらす可能性について、日々強化されるゲーム開発と最新技術の共生的な関係性と対比した上で、革新的な発展を助長しているとして、以下の通り述べた。
「進展し拡大するユーザーのニーズに答えるため、ゲームは常にカッティング・エッジな科学的および技術的進歩をタイムリーに遂げてきました。ただ、その反対も事実で、ゲームも AI や技術発展の強力なドライバーとして貢献してきたと言えます。」
「私たちは、ゲームとはデジタル・オアシスだと強く信じています。ゲームに最先端のテクノロジーが集まることで業界全体がより活性化し、結果として世界をより良いものにしていくのだと信じています。」
ゲーム体験の向上
Tencent Games は、「SPARK2023」で既存の『Honor of Kings』、『Arena Breakout』、『Moonlight Blade』、『SYNCED(シンクド)』、『白夜極光』を含む15タイトルに関する進捗を報告した。加えて、『Honor of Fight(破晓)』と『Ash Echoes』を含む20件の新たなプロジェクトについても発表した。開発を進めるゲームにおいて Tencent Games では、技術的に進化していること、視覚的に魅力的であること、そして最高品質であるほか、企業価値を体現していることを目指している。
『Honor of Fight(破晓)』
TiMi Studio Group が開発する『Honor of Fight(破晓)』は、格闘系のモバイルゲームとなっており、『Honor ofKings』の IP を活用している。異なる時代や空間からやってきたヒーローたちが、自身の意識内にある暗闇の世界に入り、新たな対戦体験を通して『Honor of Kings』ヒーローたちの異なる側面を目撃することになる。
『SYNCED(シンクド)』
『SYNCED(シンクド)』は、NExT Studios が手がける SF シューターのゲーム。ディストピアンな未来を舞台に、プレイヤーはランナーの役割を担い、メリディアンと呼ばれる封鎖区域の中へと入り、ナノとの戦いに挑むこととなる。PvE や PvP でチームを組み、シンクロしたナノを自らの武器と化して、戦場で激戦を繰り広げる。武器を強化してチーム戦力を整え、未来のために立ち向かいたい。
『白夜極光』
『白夜極光』は Tourdog Studio 開発の戦略 RPG モバイルゲーム。精巧なデザインとユニークなラインストラテジーゲームプレイが特徴で、2021年6月のローンチ以来最も熱いアニメ調ゲームとして150以上のアーティストが描くデザインを採用し、イノベーティブで魅力的なゲームプレイを提供している。複数の国や地域の App Store と Google Play ダウンロードランキングでトップにランクインした他、2021年のGoogle Play Awards で「ベストゲーム」賞と「最もイノベーティブなゲーム」賞を受賞している。『白夜極光』は6月13日に中国でローンチされる。
『Ash Echoes』
『Ash Echoes』はキャラクター収集のプレイ要素を含むアニメ調のリアルタイム戦術ゲームとなっており、タクティカルな計画立てに焦点を置いている。全く新しい若々しい世界観に登場するのは、新たなペルソナやアイデンティティをもった『GuJian』シリーズのキャラクターたち。プレイヤーはこの没入感高いゲーム内で、戦略や戦術を考え、各レベルを探索した上でクリアし、キャラクターを収集したりすることができる。
テクノロジーを駆使して障壁を打破、架け橋で繋ぐ
「SPARK2023」では、Tencent Games がゲーム技術をいかに他分野に応用しているかについても紹介が行われた。
『MTGPA ハプティック』
Tencent Games CROS、Tencent Institute of Games(腾讯游戏学堂)、そして Tencent IP 部は人気ゲーム『Peacekeeper Elite(Game for Peace)』とコラボし、業界初となる標準化したゲーム振動触知反応システムの開発に取り組んでいる。ZeroProject.org の賞を受賞した本システムは、高齢者や視覚的障害を持つ向けて、スマートフォンの振動を活用し室内外での移動を支援する。合同チームは中華人民共和国工業情報化部のために初となる触感フィードバックの業界基準を設定し、IEEE の世界的基準となるよう進めている。
『Room301NO.6』
Tencent SSV Silver Hair Technology Lab と Tencent Games の社会価値探索センターは、共同で『Room301NO.6』をローンチした。『Room301NO.6』は、一人称のゲームで、アルツハイマー病患者の実体験を通して実際の病状に近い感覚を経験し理解を高めることができる。本ゲームは Tencent Institute of Games(腾讯游戏学堂)からのインキュベーション支援を受けて製作され、2022年の GWB Independent Game Awards で社会価値賞を受賞した。
『Tencent コーディング バーチャル シミュレーション ラボ』
Tencent コーディング バーチャル シミュレーションでは、ゲームテクノロジーを活用して高性能なハードウェアロボットを、バーチャルシミュレーションテクノロジーを使ってソフトウェアへと変換する。これにより、ロボットプログラミング教育にかかるコストを大幅に削減することができる。また、小さな子供たちがバーチャルシミュレーションを介してロボットプログラミングを学ぶことを可能にするとともに、ハードウェアプログラミングをより創造的な場所へと昇華させ、結果として情報技術と AI 教育における普遍化を推進する。
『Pavlov: Brain'It On』
Tencent Games の社会価値探索センターと NExT Studios、Tianqiao、Chrissy Chen Institute(TCCI)が共同開発した『Pavlov: Brain'It On』は、ゲーム開発のメソドロジーに倣い、臨床研究の結果を現実の解決策と結びつける。複数のミニゲームを通してプレイヤーは集中力、思考スピード、記憶、帰納、空間的想像力など様々な認知能力を測ることができる。
会社情報
- 会社名
- Tencent(テンセント)