【決算レポ】ケイブ、減損計上で最終大幅赤字も「コスト構造改革」でV字回復を狙う 第2四半期は新作不振と費用増、受託減少が響き減収・営業赤字に

弾幕シューティングゲームのパイオニアとして知られるケイブ<3760>は、1月13日、2026年5月期 第2四半期 決算補足資料を公表した。第2四半期累計(中間期)の業績は、受託売上の減少や新規タイトルに伴うコスト増、さらに複数タイトルの減損処理が重なり、大幅な減収・赤字転落となった。一方で同社は、不採算プロジェクトの整理とコスト構造改革を通じ、来期以降のV字回復を目指す姿勢を鮮明にしている。

【11月中間期の業績】
・売上高:56億0400万円(前年同期比11.9%減)
・営業損失:9億2200万円(前年同期は4億5200万円の利益計上)
・経常損失:7億4000万円(同3億2900万円の利益計上)
・最終損失:31億0600万円(同3億9600万円の利益計上)
※6ヶ月の数字。第2四半期会計期間とは異なる。

 

■減収・営業損失3億5600万円

第2四半期会計期間(25年9~11月)の連結売上高は29億7700万円と、前年同期比で12.2%減少した。主因は、安定収益源である受託開発売上の減少にある。

利益面では、新作タイトル『メテオアリーナ・スターズ』に関する売上原価やプロモーション費用が第2四半期を通して発生したことが重くのしかかり、売上総利益は7億6600万円(同42.1%減)に縮小した。営業損益は3億5600万円の損失計上と赤字に転落した。

さらに、ソフトウエアの減損処理による特別損失を計上した結果、最終損益は28億2100万円の損失計上と大幅な最終赤字となった。

 

■『東方幻想エクリプス』『OUTRANKERS』で減損

最終赤字拡大の要因は、主に2タイトルに対する減損損失の計上だ。対象となったのは、ケイブが手がける『東方幻想エクリプス』(11月リリース)と、子会社でらゲーによる『OUTRANKERS(アウトランカーズ)』(11月リリース)だった。同社は、事業計画を慎重に精査し、将来の回収可能性を保守的に見直した結果、中間期での減損処理に踏み切ったとしている。

 

■『メテオアリーナ・スターズ』クローズでコスト圧縮へ

足元の収益を圧迫してきた『メテオアリーナ・スターズ』は、12月にクローズ済み。同タイトルに関連する費用は第3四半期まで影響が残るものの、大幅に圧縮される見込みだ。また『OUTRANKERS』についても早期撤退を含めた見直しを進めており、グループ全体で不採算プロジェクトの廃止・再編を断行する。

会社側は、これらの施策により第4四半期からコスト削減効果が顕在化し、来期にはさらに大きな改善が進むとして、「コスト構造改革によるV字回復」を掲げている。

 

■既存タイトルと子会社が下支え

新作は振るわなかったものの、事業基盤そのものが揺らいでいるわけではない。ゲーム事業では、『モンスターストライク』を中心に、でらゲーの主要タイトルが堅調に推移。MAUは減少したものの、ARPUは上昇し、12月時点で世界累計利用者数は6500万人を突破した。

 

また、『キングダム 乱 -天下統一への道-』は2月に8周年を迎えるロングヒットタイトルで、新規大型コンテンツの投入やサブスクリプション機能の追加により、収益の底上げを狙う。

 

加えて、動画配信関連事業を担う子会社サクセスプラスは、受託案件を中心に安定した収益が見込まれており、業績の下支え役となっている。

 

■海外展開とIP活用を強化

今後の施策として、ケイブは既存タイトルの海外展開や外部課金決済サービスの導入、新規事業への投資検討を進める方針を示した。また、自社IPの二次展開にも力を入れ、ブランド価値向上と新たな収益源の創出を目指す。ケイブ初のオフィシャルショップ『弾幕(DANMAKU)』のオープンも予定しており、IPビジネスの裾野を広げる構えだ。

 

■配当は10円を維持

足元は厳しい業績ながら、株主還元姿勢は維持する考え。2026年5月期の配当予想は、前期と同額の年間10円。中間配当は実施せず、期末に普通配当10円を予定している。

 

赤字決算と減損計上という厳しい内容が並ぶ一方で、ケイブは「撤退すべきところは撤退し、勝てる領域に集中する」という姿勢を明確に打ち出した。弾幕シューティングのパイオニアとして培ってきた企画力・開発力、そして子会社を含む収益基盤を活かし、同社が本当にV字回復を実現できるか。今後の四半期決算が、その試金石となりそうだ。

株式会社ケイブ
http://www.cave.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ケイブ
設立
1994年6月
代表者
代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
決算期
5月
直近業績
売上高139億6900万円、営業利益11億3300万円、経常利益11億3100万円、最終利益2億4600万円(2025年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3760
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