松竹、第1四半期の決算は営業益24億円と前年7億円の赤字から黒字転換 「なのに、千輝くんが甘すぎる。」ヒット、歌舞伎など演劇も復調

松竹<9601>は、7月13日、2024年2月期 第1四半期(23年3月~23年5月)の連結決算を発表し、売上高231億8200万円(前年同期比24.0%増)、営業利益24億1100万円(前年同期は7億2400万円の損失)、経常利益19億2800万円(同132.4%増)、最終利益16億2900万円(同73.4%減)と増収・営業黒字転換を達成した。

・売上高:231億8200万円(同24.0%増)
・営業利益:24億1100万円(同7億2400万円の損失)
・経常利益:19億2800万円(同132.4%増)
・最終利益:16億2900万円(同73.4%減)

主力の映画関連事業が大きく伸びたほか、演劇事業の収益も改善した。セグメントの業績は次のとおり。

(映像関連事業)
売上高は135億6300万円(前年同期比41.9%増)、セグメント利益は23億2400万円(前年同期はセグメント損失9億7300万円)となった。

配給は、邦画1作品、洋画1作品、シネマ歌舞伎、METライブビューイング、松竹ブロードウェイシネマ等を劇場公開し、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」が興行収入10億円を超えるヒットとなった。また、新橋演舞場で公演の舞台「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」の映画館生中継を行った。

興行は、「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」の映画館生中継が好評であった他、「名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」等のアニメ作品の大ヒットにより好調に推移した。

テレビ制作、映像ソフト、テレビ放映権販売は、堅調に推移した。CS放送事業等は、松竹ブロードキャスティングにおいて計画通りに利益を確保した。

(演劇事業)
売上高は60億4500万円(前年同期比17.1%増)、セグメント損失は3億0400万円(前年同期はセグメント損失7億4900万円)となった。

歌舞伎座は、「三月大歌舞伎」「鳳凰祭四月大歌舞伎」「團菊祭五月大歌舞伎」の公演を行った。これまでは三部制興行を執り行っていたが、4月「鳳凰祭四月大歌舞伎」より昼夜二部制での公演としている。

新橋演舞場は、「青春POP ROCK『ルーザーヴィル』」「舟木一夫 シアターコンサートin 新橋演舞場」「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」「少年忍者『俺たちのBANG!!!~大劇場を占拠せよ~』」等多彩なラインナップでの公演を行った。「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」は日本全国の上映映画館で劇場生中継を開催した。

大阪松竹座は、全ての公演に「大阪松竹座開場100周年記念」と銘打って「東西ジャニーズJr. SpringParadise」「青春POP ROCK『ルーザーヴィル』」「垣根の魔女」「松竹新喜劇 五月新緑公演」「少年忍者『俺たちのBANG!!!~大劇場を占拠せよ~』」の公演を行った他、開場100周年を記念して「道頓堀 松竹座 映画祭」を開催した。

南座は、「三月花形歌舞伎」「若き日の親鸞」「南座 歌舞伎鑑賞教室」「舟木一夫シアターコンサート in 南座」の公演を行った他、「春の舞台体験ツアー」を行った。

その他の直営劇場以外の公演としては、「歌うシャイロック」をサンシャイン劇場で公演を行った。さらに「青春POP ROCK『ルーザーヴィル』」は園座でも上演した。

巡業は、「十三代目 市川團十郎白猿襲名巡業」「垣根の魔女」の公演を行った。
シネマ歌舞伎では、「月イチ歌舞伎2023」で4月から毎月、人気の名舞台を上映した。METライブビューイング2022-23シーズンで4作品が公開した。

(不動産事業)
売上高は30億6600万円(前年同期比11.7%減)、セグメント利益は13億8100万円(同25.8%減)となった。

不動産賃貸事業では、既存テナントとの良好な関係構築や空室の戦略的リーシング活動に努めることで、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエアなどの主要物件が高稼働し、計画通りの収益確保に貢献した。

また、前期に設立した東銀座エリアマネジメント活動におけるとまちづくり推進協議会は1周年を迎え、地域貢献及びエリアの価値向上のための連携強化に取り組んだ。

(その他)
売上高は5億0700万円(前年同期比0.1%減)、セグメント損失は2億0500万円(前年同期はセグメント損失1億2900万円)となった。

プログラム・キャラクター商品販売は、「なのに、千輝くんが甘すぎる。」「東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編」「滝沢歌舞伎ZERO FINAL」等を中心に収益に貢献した。

イベント・オンライン配信は、4月に幕張メッセで超歌舞伎2023「伽草紙戀姿絵」を開催し、好評を得た。

 

■2024年2月期の業績見通し

2024年2月期の業績は、売上高924億6000万円(前期比18.2%増)、営業利益22億3000万円(前期は7億7600万円の損失)、経常利益13億8000万円(同1.5%増)、最終利益10億円(同81.8%減)を見込む。

・売上高:924億6000万円(同18.2%増)
・営業利益:22億3000万円(同7億7600万円の損失)
・経常利益:13億8000万円(同1.5%増)
・最終利益:10億円(同81.8%減)
・EPS:0.00円

通期計画に対する進ちょく率は、売上高25.1%、営業利益108.1%、経常利益139.7%、最終利益162.9%となっている。

・売上高:25.1%
・営業利益:108.1%
・経常利益:139.7%
・最終利益:162.9%

松竹株式会社
https://www.shochiku.co.jp/

会社情報

会社名
松竹株式会社
設立
1920年11月
代表者
代表取締役会長 会長執行役員 迫本 淳一/代表取締役社長 社長執行役員 髙𣘺 敏弘/代表取締役 副社長執行役員 武中 雅人
決算期
2月
上場区分
東証プライム
証券コード
9601
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