【コロプラ決算レポ】第1四半期は費用コントロールで収益改善 AI活用と位置ゲー強化、コンシューマ展開拡大と成長に向けた布石を着々

木村英彦 編集長
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コロプラ<3668>は、2月4日、2026年9月期第1四半期の決算説明会をオンラインで開催した。連結売上高は47億円で2ケタ減収となったものの、広告宣伝費をはじめとする費用減少により、前年同期比で各利益は大幅に改善した。経常利益は為替差益4億4200万円や受取利息1億1500万円の影響もあって4億8400円、四半期純利益1億7000万円と黒字転換に成功した。

・売上高:47億7200万円(前年同期比10.2%減)
・営業損失:8600万円(前年同期は7億3000万円の損失計上)
・経常利益:4億8400万円(同752.4%増)
・最終利益:1億7000万円(同279.6%増)

 

■費用減で赤字幅縮小、自己資本比率は91.7%

セグメント別では、主力のエンターテインメント事業は、新作タイトルのリリースがなく、既存タイトル中心の運営となったことで減収となったものの、広告宣伝費などの抑制により赤字幅は縮小した。投資育成事業は前年同期並みだった。

【エンターテインメント事業】
・売上高:48億6100万円(前年同期比10.6%減)
・営業損失:5400万円(前年同期は6億4300万円の損失計上)

【投資育成事業】
・売上高:9000万円(前年同期比20.4%増)
・営業損失:3200万円(前年同期は8700万円の損失計上)

 

なお、キャリア転進支援制度の実施に伴う特別退職金などを特別損失2億7300万円計上した。

 

貸借対照表では、配当金支払いにより現預金は減少したものの、自己資本比率は91.7%と高水準を維持した。財務基盤の安定性は引き続き強固だ。

 

■既存主力タイトルが下支え

エンターテインメント事業では、主力タイトルでは、『白猫プロジェクト』がメインストーリー更新や季節イベントを実施し、長期運営体制を強化。売上は逓減傾向にあるものの、コラボやゲームバランス調整などを通じてユーザー満足度を重視し、安定運用を目指している。

 

『ドラゴンクエストウォーク』は6周年イベントが業績に寄与したという。シリーズIPの盛り上がりに合わせた「ドラゴンクエストⅠ&Ⅱ ReWALK」イベントも展開し、堅調に推移した。

 

このほか、『アリス・ギア・アイギス』では模型塗料メーカーとのコラボを実施した。『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』では人気シリーズの続編を約10年ぶりに開催するなど、既存IPの活性化を図った。

 

質疑応答では、モバイルゲーム市場について「新作ヒットの難易度が高まり続けている」との認識を示したうえで、AI活用タイトルと有力IPを組み合わせた位置情報ゲームの2軸で開発を進める方針を強調した。

なお、前期まで個別に開示されていたブロックチェーンゲーム事業については、当第1四半期の資料では独立した区分としての記載は見られなかった。前期は売上高3.6億円、営業損失11.5億円と赤字幅が大きかったが、今回の開示ではエンターテインメント事業に内包されたとみられる。経営の重点が位置情報ゲームと生成AI活用タイトルへと明確にシフトしていることも背景にありそうだ。

 

■「Global Top 20」へ、位置ゲー×有力IPを軸に

同社は中期経営方針で「Global Top 20」を掲げ、売上高1000億円、営業利益500億円を目標としている。2026年9月期は、グローバルヒットを狙う位置情報ゲームと有力IPの掛け合わせを中心に展開する。

 

モバイルゲームのパイプラインは5本で、AI活用タイトルが1本増加。自社開発の地図配信基盤「COLOPL Gaming Maps」を導入し、"位置ゲー"特化型の地図サービスを内製化した。20年以上の運営知見を活かし、コスト削減や開発スピード向上、柔軟な仕様対応を実現するという。

 

■コンシューマー強化、「ツクヨミ」Switch展開へ

PC/コンシューマー領域ではパイプライン11本を維持した。グループ会社MAGES.では、『STEINS;GATE RE:BOOT』など複数のアドベンチャーゲームを開発中だ。

 

新作として、Nintendo Switch向けに『KAZUMA KANEKO'S ツクヨミ』を4月23日に発売する予定だ。生成AIを活用した「神魔狩りのツクヨミ」をベースに、ストーリーやゲームシステムを全面再構築したタイトルで、コンシューマーハードとの親和性を見込み展開を決めた。

 

同社は「生成AI大賞2025」でグランプリを受賞。生成AI活用に伴うリスク管理を含めた取り組みが評価された。今後もAIを活用した新タイトル開発を進める方針だ。

 

■XR事業も展開、韓国投資を加速

XR分野では、次世代型ARナビ「360maps」を虎ノ門ヒルズ内のTOKYO NODEおよびステーションタワーに導入。商業施設での高精度ナビとエンターテインメント体験の融合を図る。

 

■投資事業

投資育成事業では営業投資有価証券残高が87億円。国内2社への新規投資を実施したほか、韓国法人コロプラネクストコリアがK-Growthの「K-コンテンツ・メディア戦略ファンド2号」に選定。SM Culture Partnersと共同でファンドを組成する予定だ。東アジアでの投資展開を加速させる。

 

第1四半期は新作不在の谷間となったが、費用コントロールにより損益は大きく改善した。AI活用、位置ゲー基盤の強化、コンシューマー展開拡大と、新しい成長フェーズに向けた布石を着実に打っている。モバイル市場の競争激化を背景に、同社が掲げる「Global Top 20」への道筋が問われる局面に入ったといえよう。