テレビ東京、中国・東南アジア市場で独自IP「刀姫プロジェクト」始動 ゲームやアニメ、Vtuberなど総合展開

テレビ東京グループは、中国と東南アジアをターゲットに新たなコンテンツIP(知的財産)として「刀姫(かたなひめ)」を開発したことを明らかにした。キャラクターと世界観の認知度を高めて、WEBコミックやスマートフォン・PC向けのゲームや、Vtuberなどに広げる。その後は、東南アジアへ拡大し、アニメ化や商品化による収益の拡大を目指す。

台湾出身の若手イラストレーターや日本のアニメ脚本家とタッグを組み、海外でも高い人気の“日本の名刀"や、“世界の名剣"などをモチーフにしたキャラクターを創った。テレビ東京の100%出資による中国現地法人「杭州都之漫文化創意有限公司」が中心となり、今秋を目途にまず中国版ツイッターの微博(ウェイボ)などに展開する。

中国や東南アジアでは、“Z世代"と呼ばれる若者たちがアニメやキャラクターになじみ深い層として知られている。そうした世代をターゲットに、SNSやミニゲーム、ショートムービー、WEBコミックなどにキャラクターを展開していく。中国を皮切りにアジア市場全体にキャラクターの認知を広げていくという。

通常は、人気漫画などをアニメ化してからゲームなどに展開するのが一般的だが、今回はデジタル・ネット時代にあわせてIPキャラクターを最初に作り、認知度を高めてゲームを開発し、その後、アニメ化なども視野に入れるという、今までとは異なる展開に挑戦する。

 

テレビ東京は、「放送・配信・アニメ」事業の3本柱で相乗効果を生み出し、コンテンツ価値を最大化する「トライブリッド戦略」を進め、放送だけに頼らない収益構造の改革に取り組んできた。これまでにもシンガポールを拠点にNFT(非代替性トークン)のゲームプラットフォームを展開するDigital Entertainment Asset(DEA社)に出資し、テレビ東京が手掛けるコンテンツから派生するゲームや商品化ビジネスを拡大している。

さらに、東南アジアで約7億人の登録者を保有する映像配信会社・POPS社と資本提携し、ファミリー層向けにアニメなどのコンテンツ配信事業をスタートさせている。今回のビジネススキームでもテレビ東京グループとして、ユニークな世界観を持つオリジナルIPを育て、中国と東南アジアで本格的なアプリゲームやアニメなどのビジネスに発展させることで、収益の拡大を目指す。

 

作品概要

【タイトル】
刀姫(かたなひめ)
【ストーリー】
舞台は過去に葬られた闇将軍が復活し、平和が脅かされる世界。日本やヨーロッパの名刀・名剣が特殊な能力を持つ「刀鍛冶」によって“刀姫"に転生する。闇将軍の刀姫、世界を守ろうとする刀姫、敵味方に分かれた刀姫が華麗かつ壮絶なバトルを繰り広げていく。
【原案】 
ZELITTO氏(ゼライト  台湾出身のイラストレーター):美少女のイラストやフィギュアのデザインなどに定評がある。日本のライトノベルを原作としたアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」(テレビ東京で放送)では、人気キャラクター「レム」のフィギュアデザインを担当した。
高山カツヒコ氏 (日本のアニメ脚本家):人気アニメ「鋼の錬金術師」や、「魔法先生ネギま!?」の脚本などを担当。中国の人気ゲームシリーズのアニメ「軒轅剣 蒼き曜(けんえんけん あおきかがやき)」(テレビ東京で放送)では、シリーズ構成と脚本を担当した。
【パートナー企業】
NADA HOLDINGS(台湾のアニメ企画・投資会社、2015年設立、ZELITTO氏所属):通信大手の台湾モバイルの出資を受け、ゲーム事業に進出。フランスでも人気となった日本のアニメ「こねこのチー」では、製作委員会にも参加している。

 

@ZELLITO.高山カツヒコ

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