
サンリオ<8136>は、この日(5月29日)、米国子会社であるSanrio Inc.のCEOを兼務していた同社常務取締役(当時)が、同社の指名・報酬諮問委員会で決定された報酬とは別に、子会社側から追加報酬や各種経済的利益を受け取っていた問題について、特別調査委員会の調査報告書を公表した。
調査によると、当該取締役は2023年から2026年にかけて、「COLA Bonus(生活費調整手当)」名目で複数回にわたり追加報酬を受給していたほか、大学博士課程の学費や住宅賃貸費用などの経済的利益も受け取っていた。総額は168万2018ドル(約2億5230万円)に上るという。
特別調査委員会は、これらの給付について、米国子会社で必要とされる取締役会や報酬委員会の正式承認手続きが十分に行われておらず、経営幹部による非公式な協議や口頭承認のみで支給されていたと認定した。また、サンリオ本社への事前承認や体系的な報告も行われていなかったとしている。
報告書では、問題の背景として「個人」「制度」「組織」の3つの要因が重なったと分析。「COLAは報酬に該当しない」とする解釈を関係者間で共有し、統制手続きを回避していたことに加え、親子会社間で報酬統制ルールが曖昧だったこと、米国子会社側で経営幹部に権限が集中していたことなどを指摘した。
さらに報告書では、当該常務取締役が、大学博士課程の学費について「サンリオ本社の承認を得ている」と米国子会社CFOに説明していたものの、実際には承認を得ていなかったと認定。特別調査委員会は、一部に「欺罔的手段」が含まれていた可能性が高いと評価している。
サンリオは、当該取締役から辞任の申し出を受け、5月29日付で受理した。また、代表取締役社長が月額報酬30%を3か月返納、専務取締役が月額報酬10%を1か月返納する処分を決定した。
再発防止策としては、親会社取締役による海外子会社CEO兼務の解消、海外子会社CFOから本社へのレポートライン新設、役員報酬の総額管理、内部監査強化などを打ち出した。海外子会社における重要案件について、本社による監督・承認を強化する方針も示している。
なお、同社によると、今回の給付額は既に米国子会社の費用として計上済みであり、現時点で連結業績への虚偽記載は確認されていないという。一方、2026年3月期決算については監査継続中で、6月下旬を目途に発表する見通しとしている。
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会社情報
- 会社名
- 株式会社サンリオ
- 設立
- 1960年8月
- 代表者
- 代表取締役社長 辻 朋邦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1444億400万円、営業利益518億600万円、経常利益534億5300万円、最終利益417億3100万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 8136





