Unity、「SIGGRAPH 2023」でデジタルエンターテインメントの展望の再構築に関わるビジョンを披露 Unity Wētā Tools部門を発足
Unityは、コンピュータ・グラフィックス分野の世界最大の国際コンベンションである「SIGGRAPH 2023」において、デジタルエンターテインメントの展望の再構築に関わるビジョンを披露し、新たにUnity Wētā Tools部門を発足することを発表した。
Unity Wētā Tools部門は、アーティストがコラボレーションして2Dおよび3Dコンテンツを制作する際に最も広く使用され、かつ信頼されているソリューションを提供するために設立された。ハイエンドの VFX 制作とプレミアムコンテンツ制作をクリエイターに身近なものにし、魅力的なデジタル世界を構築し、超リアルなキャラクターに生命を吹き込み、映画制作技術を向上させるために設計された、最新の開発成果を紹介した。
「SIGGRAPH 2023」では、Unity Wētā Toolsによる基調講演が行われた。この基調講演では、デジタル制作の限界を拡大し、クリエイターに汎用性の高い強力なツールを提供することで目覚ましい革新性と創造性を育み、スタイルや複雑さに関係なくビジョンを実現できるようにするというUnityのコミットメントが改めて強調された。
UnityのAllan Poore氏、Natalya Tatarchuk氏、PixarのSteve May氏、WētāFXのJoe Letteri氏などのプレゼンターが、受賞歴のある映画での活用例を引きつつ、Unity Wētā Toolsの提供するツール群がクリエイティブなワークフローを促進し、クリエイティブな変更をより簡単に実装し、より高品質な最終カットを作成するために、どのように活用されているかを紹介した。
▼Unity Wētā Tools担当SVP Allan Poore氏コメント
「Unityは、研究開発に多額の投資を行い、継続的なイノベーションをサポートし、コンテンツ制作の未来を推進しています。私たちは、ハイエンドの 3D アーティストツールを使って制作している作品を披露できることを楽しみにしており、また、クリエイターを成功に導くための新たなイノベーションをもたらし、3D アーティストの創造性を解き放ちたいと考えています」
また、Unity Wētā Toolsは、クリエイターが最新のキャラクターツールを使用して、映画、アニメーション、ゲームなどの分野において、さまざまなデザイン言語で記述されたクリエイティブブリーフにどのように対応できるかについての説明も行った。最新のデジタルヒューマン「Samir」とスタイライズされたクリーチャー「Nova」は共にリアルタイムで動き、パフォーマンスの一環として、その卓越したバイオメカニクスを見せつけた。
よりスムーズなコラボレーションを促進し、より迅速なイテレーションのためのリアルタイムかつ非同期のフィードバックを実現するSyncSketchなどのコラボレーションツールについても言及された。これに加えて、ポストプロダクションのワークフローを再定義し、クリエイターがその制作過程でこれまでにない深みとディテールを実現することを可能にするUnity Wētā ToolsのDeep CompositingとEddyの紹介も行われる予定だ。
▼Wētā FX シニアVFXスーパーバイザー Joe Letteri氏コメント
「私たちの焦点は常に映画製作者を支援することであり、そのプロセスの一環として、ビジュアルエフェクトにおいてできることを拡大しています。Deep Compositing、Wig、そしてLokiの統合ソルバーフレームワークはすべて、私たちが最大かつ最も複雑なプロジェクトの経験をどのように取り入れているか、また、私たちが獲得した知識をツール自体に組み込んでいるかを示す実例となっています」
Unityのイノベーションと時間を短縮するツールへのこだわりは、コンテンツ制作を加速させ、反復的な作業を減らし、デジタルエンターテインメント業界におけるUnityの存在感をさらに拡大する。
▼Unity Wētā Tools担当VP Natalya Tatarchuk氏コメント
「キャラクター制作、環境構築、レンダリング、コンポジションといった領域で、先駆的な仕事を披露できることをうれしく思います。私たちは、クリエイティブなワークフローを加速させ、クリエイティブな変更をシームレスに実行し、超大作クオリティの最終ショットを提供するために、これらの強力なソリューションを誰もが利用できるよう努力しています」
