大和ハウスグループ、建物の3次元(3D)モデルをXR技術を活用することでメタバース「D’s BIM ROOM」として可視化させる技術を開発

大和ハウスグループの大和ハウス工業<1925>と南国アールスタジオ、トラスの3社は、8月22日、BIMを使用して作製した商業施設や事業施設などの建物の3次元(3D)モデルを、XR技術を活用することで、メタバース(仮想空間)「D’s BIM ROOM(ディーズビムルーム)」として可視化させる技術を開発したことを発表した。

本技術では、自身がパソコンやタブレット、ヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)などのデバイスを使用し、計画する建物の建設予定地でメタバース「D’s BIM ROOM」に入ることで、実寸大の外観イメージや色味、周辺環境との距離感などをリアルに近い形で体験することができる。また、「D’s BIM ROOM」内において、遠隔の顧客や関係者といつでもどこでも、まるで建物内にいるかのように、建物のプラン提案から竣工前まで、建物の大きさの確認や内装の色決め、家具の配置などの打ち合わせを行うことができる。

2023年9月より、大和ハウス工業が建設する商業施設や事業施設などにおいて検証を進め、順次導入することで、生産性向上および業務効率化を図る。

①計画する建物の建設予定地で実寸大の外観イメージや色味などをリアルに近い形で体験可能
「D’s BIM ROOM」は、建物のBIMデータとクラウド建材管理システム「truss(トラス)」で選択した建材を「WHITEROOM」で連携させたものを、メタバースとして表示させた空間。BIMデータを「WHITEROOM」と連携させることで、XR用のモデルを別途作製する必要がないため、短時間でスムーズに、設計図書との整合性を担保した3Dモデルを作製することができる。3Dモデルを再現したメタバース「D’s BIM ROOM」に自身がパソコンやタブレット、HMDなどのデバイスを使用して入ることで、実寸大の外観イメージや色味、周辺環境との距離感などをリアルに近い形で体験することができる。

また、「D’s BIM ROOM」内で打ち合わせし、決定した事項は、BIMや「truss」に瞬時に反映できるため、数多くの変更が生じる企画・設計・施工の過程において、より効率的に共同作業が進められるとともに、シームレスな情報共有および意思決定を行うことができる。

②いつでもどこでもメタバース内で打ち合わせが可能
「D’s BIM ROOM」は、パソコンやタブレット、HMDなどの異なるデバイスとの組み合わせでも、いつでもどこでも、同じメタバース内に同時に遠隔の顧客や担当者が複数でもアバター(分身)として参加できることに加え、メタバース内で会話や資料共有を行うことができる。

また、「D’s BIM ROOM」はVR(仮想現実)とMR(複合現実)の双方に対応しているため、使用するデバイスによって、会議室での打ち合わせにはVR、建設地での打ち合わせではMRなど、状況に応じて利用することができる。あわせて、計画する建物の建設地において、MRで建物の3Dモデルを表示させた場合、更地に竣工した建物イメージを表示させたり、建物の3Dモデル内から、実際の周辺環境等を見たりすることもできる。
※同時参加人数は通信環境により異なり、最大50名まで参加可能。

③メタバース上で色味や建材を決めることも可能
建物の壁や床、天井などに利用される建材には、色やデザインが豊富にあるため、選択肢が多岐に亘る一方、カタログ上の小さなサンプルでは、壁材や床材など大きい面積を占める建材のイメージが湧きにくいという声もある。

「D’s BIM ROOM」では、「truss」の建材データベースに登録されている壁材約3万アイテム、床材約2万アイテム、天井材約1万アイテムの中から、まるで建物内にいるかのように、実寸大で実物に近い色味や建材の候補を比較できるため、イメージギャップの解消にも繋がる。
※現在は一部アイテムのみ。今後全アイテムで比較できるよう画像の精度を高める予定。