【イベント】「ようこそ、ゲルテナの世界へ。」 ホラーゲーム『Ib(イヴ)』初の体感型謎解きイベント『Ib謎解きミュージアム』をレポート


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2日~101日の期間、東京ドームシティにある「Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)」にて、ホラーゲーム『Ib(イヴ)』とコラボレーションした没入体感型謎解きイベント『Ib謎解きミュージアム』が開催されている。本稿では、開催に向けて先駆けて行われたプレス向け内覧会の模様を、可能な限りネタバレなしで魅力たっぷりにお届けしていく。

Ib』の謎解きイベントは本公演が初開催で、Gallery AaMoにて謎解きイベントが開催されるのも初となる。芸術家・ゲルテナが生み出した作品たちの世界に迷い込み、そこからの脱出を目指すホラーゲーム『Ib』の世界を、装飾や音響、様々なギミックによってリアルに再現された演出空間の中で、ゲーム『Ib』のIfを描いたオリジナルストーリーの謎に挑戦できる。

■『Ib(イヴ)』とは

kouri氏によって制作されたRPGツクール2000製のホラーアドベンチャーゲーム。2012227日にフリーソフトとして公開され、2022411日にはそのリメイクとなるSteam版がPLAYISMより発売。202339日には待望のNintendo Switch版も発売された。

芸術家「ゲルテナ」の美術展が開かれている美術館を両親と訪れていた少女イヴが、迷い込んだ世界から脱出するために様々な謎解きをして物語を進めていくというストーリーの探索型ホラーゲーム。戦闘やアクション要素はなく、謎解きをメインにゲームを進めていく。




<原作者kouri氏から本展へのメッセージ>
今回、リアルでの謎解きイベントを開催頂けることになりました。イヴたちの冒険と同じく、美術館を舞台に謎を解く楽しさ、難しさ、不思議さをぜひお楽しみただければと思います。

■妖しくも美しい芸術家「ワイズ・ゲルテナ」の作品をリアルに再現した世界に迷い込む!?

本イベントでは、入り口で謎解きキットを受け取り、美術館を巡りながらその中に入っているアイテムを駆使して謎を解き進んでいく。制限時間は90分となっているが、各々が自分のペースで美術館内を巡ることになるため、スマートフォンのストップウォッチ機能を使用して自身で時間管理を行うことが推奨されている。なお、各章ごとに進行に関する目安の時間が記載されているため、遅れを感じた際などにはキットに封入されているヒントブックを活用するのもひとつの手だ。

▲内容物の確認は入り口で忘れずに確認しておくこと。クリアファイルの裏は地図になっているので、迷ったときはここで順路を確認しながら謎を解いていこう。

入り口でキットの内容物を確認し、プロローグを読み終えたらいざ美術館の中へ。

物語は、プレイヤーである「あなた」が美術館で目を覚ましたところから始まる。意識を失っていたあなたはイヴとギャリーに助けられたようだが、名前や美術館を訪れた理由、意識を失う前で何をしていたのかなど、何も思い出せない、いわゆる記憶喪失の状態となっている。ここから、ゲーム『Ib』のIfを描いたオリジナルストーリーを軸とした謎が展開されていく。また、ゲーム『Ib』同様、マルチエンディング方式となっており、解いた謎の正誤や得たヒント、選んだ選択肢によって異なる結末を迎えることになる。



▲ゲーム『Ib』に登場した独創的な作品の数々が並んでおり、作中のゲルテナ展の様子がそのまま再現されている。
※画像(右)はゲーム『Ib』のもの。

進行としては基本的にストーリーブックに書かれた指示に従うことになる。まずは美術館に飾られている作品とキット内に封入されている「ゲルテナ展[目録]」を見比べてヒントを得て、ストーリーブックに書かれた謎を解くことで物語が読み進められるようになっている。

▲原作をプレイしていると「あ!」となる作品や、思わず警戒してしまうような作品もちらほら。もちろん、ゲームをプレイしたことがない方でも問題なく進められるようになっており、「ゲルテナ展[目録]」があることで作中の雰囲気もたっぷりと楽しめる内容になっている。


▲ゲーム『Ib』では開いた本からセーブが行えるため、思わず「セーブできるのか!?」と思ってしまうようなポイントも。

ゲームを進めていくと、ストーリーブックだけでなく、作品そのものを活かした謎も登場し、自身の行動によっては「白いバラの花びら」を失ってしまう展開も用意されている。

▲キット内の「白いバラの花びら」を全て失ってしまうとゲームオーバーになるため、慎重に行動したい。


▲ゲーム『Ib』では、イヴが「赤」、ギャリーが「青」のバラの花びらを持っていたが、これも何か関係しているのだろうか……?
※画像はゲーム『Ib』のもの。

そうして謎を解き美術館内に置かれた箱を開けることでストーリーブックが追加されていくため、開始時の見た目よりもかなりボリューム満点の内容となっている。制限時間の90分を過ぎてしまうとエンディングも分岐してしまうため、時間にも気を付けながら謎解きを進めていこう。

さらに、謎解きの中には頭で考えるだけでなく実際に展示されている作品に触れたり、自身の体を使って進めるようなものもあり、参加者を飽きさせない造りになっていた。

▲足跡マークの上に立つと……どのような変化があるかについてはぜひ自身の目で確かめていただきたい。

▲また、館内にある「休息の間」には机も用意されている。謎解きに詰まったときや何か書き込みたい際には一度ここで立ち止まってじっくりと考えてみるのも良いだろう。

今回のレポートではイベントの結末をお届けすることはできないが、謎解きに慣れた方でも歯応え抜群の謎が用意されていたり、原作ファンとしても非常に悩ましい部分があったり、時間を目いっぱいに使って楽しむことができる内容となっている。そのほか、先述した通りマルチエンディング方式となっているため、全パターンを見るためにも何度も訪れたい。


▲美術館出口には謎解きの詳細が書かれた解説シートも置かれているので、気になる箇所があった方は持ち帰ってイベントを振り返ってみよう。


▲謎解きが終わった後に設置されているこちらの仕掛けはファン必見。

また、ゲーム『Ib』が元々謎解き要素を含んだ作品ということもあり、今回の体験型イベントとは非常に相性が良く感じた。さらに、会場内や展開のひとつひとつに原作を伺わせる要素が散りばめられており、作者の『Ib』への愛も充分に感じることができた。『Ib』ファンはもちろん、謎解き好きの方や少しでも『Ib』が気になっている方にもぜひオススメしたい内容となっている。

最後に、美術館を出た後には本イベントのために原作者kouri氏が描き下ろしたビジュアルを使った限定グッズが販売されているコーナーも紹介しておく。







▲アクリルスタンドやキーホルダー、缶バッジといった定番商品から、ショルダーバッグやスマホショルダーといった普段使いできるアイテムまで、さまざまな商品が販売されている。

▲まだまだ謎が解き足りないという方には、持ち帰り謎解きキット「静寂の間からの脱出」や謎解きポストカードがオススメ。


▲キャラクターのラフスケッチやゲルテナ作品一覧などを収録したアートブックが同梱されたNintendo Switch版『Ib』も販売されている。まだプレイしたことがないという方は、これを機にプレイしてみてはいかがだろうか?

また、東京ドームシティ内の「マリオンクレープ(Hi!EVERYVALLEY 店)」では、ゲームキャラクターをイメージした特典付きコラボクレープを提供している。

 

(取材・文 編集部:山岡広樹)

 
<開催概要>
■タイトル:『Ib謎解きミュージアム』
■期間:202392日~101毎週月曜日(祝日の場合は翌日)休館
■時間:平日15:0021:00、土日祝10:0021:00
■場所:Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)
■料金:前売・当日一律
・一般 平日2,900円、土日祝3,400
・グッズ付きチケット 平日4,700円 土日祝5,200円(数量限定)
 チケット特典グッズ:Ib 謎解き ギフトボックスセット(レプリカチケット+いのちのバラピンバッジ)
※全日日時指定(優先)となる。
※再入場不可。
■チケット:イープラス(WEB申込み:https://eplus.jp/ibnazotoki/、ファミリーマート店舗)にて販売中
■主催:『Ib謎解きミュージアム実行委員会』
■原作・監修:kouri
■謎解き制作:株式会社BOUKEN WORKS
■お問い合わせ先:東京ドームシティ わくわくダイヤル TEL.03-5800-9999


「Ib謎解きミュージアム」

 

 


©kouri
/『Ib謎解きミュージアム』実行委員会