日テレ、スタジオジブリを買収　発行済株式の42.3％を取得し子会社化へ　スタジオジブリの価値観を尊重しつつ経営面をサポート

日本テレビホールディングス<9404>は、9月21日、子会社の日本テレビ放送網がスタジオジブリの株式を10月6日付で取得し、子会社化することを発表した。なお、スタジオジブリも日本テレビへの株式譲渡を承認している。

具体的には、個人株主複数名から議決権所有割合の42.3％に当たる470株を取得する。取得価額については、現時点では非開示だが、今後、開示可能となった時点で、速やかに発表するとしている。

日本テレビは、1985年に「風の谷のナウシカ」(1984年、宮﨑駿監督）をテレビ初放送して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送し続けてきた。「魔女の宅急便」(1989年、宮﨑駿監督）からは映画製作に出資したのをはじめ、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」の設⽴を⽀援するなど、⻑年にわたってスタジオジブリと歩みをともにしてきた。

スタジオジブリは、国内はもとより、海外でも多くの人に愛される作品を生み出してきた。日本テレビは、この世界に誇るスタジオをこれまで以上に⽀援していくことが、日本テレビグループ全体の企業価値向上に資すると考え、同社の株式取得を決定した。

株式取得を通じて経営面をサポートすることで、スタジオジブリはこれまで以上に「もの作り」に専念していくことが可能となり、新たな作品を生み出す土壌ができる。

また、 「作品を大事にする」というスタジオジブリの価値観を尊重し続けてきた日本テレビだからこそ、今後もそのブランドの価値を永続的に守り続けていくことができるとしている。

なお、この子会社化が日本テレビHDの今後の連結業績に与える影響については軽微な見込みだが、開示すべき事項が発生した場合には、速やかに発表する予定だ。

＜スタジオジブリ概要＞
名称：株式会社スタジオジブリ
所在地：東京都小金井市梶野町⼀丁目4番25号
代表者の役職・氏名：代表取締役社⻑ 鈴木 敏夫
事業内容：アニメーション映画の企画、製作ならびにこれに付帯する業務
資本金：1000万円
設⽴年月：1985年6月

新たな経営体制は以下のようになる。宮﨑 駿氏が取締役名誉会⻑、鈴木 敏夫氏が代表取締役議長、中島清文氏が代表取締役副社長、宮崎吾朗氏が常務取締役となるほか、日本テレビより、福田博之氏が代表取締役社長、杉山 美邦氏、依田 謙⼀氏、吉江 優介氏がそれぞれ取締役に就任する。