Autodesk、メディア&エンターテインメント業向けクラウド「Flow」の機能拡張…制作パイプライン全体の統合でシームレスなワークフローの実現へ

米国 Autodeskは、メディア&エンターテインメント業向けクラウド Autodesk Flowで新たな機能拡張を行ったことを明らかにした。

 

<以下、プレスリリースより>

 

■Autodesk Flowがもたらすオープンな新しい働き方のステージ

現在、エンターテインメント作品の観客はより質の高いコンテンツを求めるようになってきており、制作側の作業範囲が拡大し、データやワークフロー、チームの管理はますます複雑化しています。

多数の制作部門やスタジオを通じて何千人ものアーティストがコラボレーションすることで、こうした巨大プロジェクトは実現します。1 つのプロジェクトには、無数のショットやアセット、何百ものシーンが含まれ、コラボレーターは多彩なツールを使用して、あらゆる方法でさまざまな場所にデータを保管します。

このことにより、最終的にワークフローはバラバラになり、アーティストの作業をスローダウンさせ、創造力を制約することになります。

Autodesk Flow(以下、Flow)は、ファイルではなくデータをコラボレーションの中心に据えることで、コネクテッドなワークフローの展開を加速します。Flow の基盤となっているのは、オープン API で構築された Autodesk のクラウドデータモデルで、制作パイプライン全体で生成および消費される、あらゆるデータを構造化します。これにより、データの収集、再利用、追跡が行えるようになり、制作におけるすべてのアセット、バージョン、フィードバックの真のシングルソースとして機能します。

個々のアーティストから制作部門やスタジオ全体に至るまで、作業を引き継ぐために別のグループの仕事が終わるのを待つのではなく、誰もが同時にタスクをこなすことができるようになります。

 

▲すべてが Autodesk Flow 内で制作された、少女とロボットの心温まるストーリーのショートフィルム

 

■制作パイプライン全体を 1 つにつなぐ Autodesk Flow

Autodesk は、Flow Capture(現製品名Moxion)とFlow Production Tracking(現製品名 ShotGrid)を導入することで、オンセットとポストプロダクションのデータをデータモデルにつなごうとしています。これにより、撮影からポストプロダクションまで、アセットをシームレスに管理できるようになります。

また、Autodesk Flow はオープン標準を採用することにより、Maya をはじめとする既存のコンテンツ作成ツールや、SideFX、Avid、The Foundry などサードパーティ製ツールをオープンエコシステムに接続できるようにします。アーティストはストーリーボードやプロダクションデータなど、作業に着手するために必要なものすべてに、普段使用するツールからアクセスできるようになるため、ファイルの在りかを探す必要がなくなります。今後、制作パイプライン全体を統合し、ポストプロダクションから制作パイプラインの他のすべての領域に広がるシームレスなワークフローを実現します。Autodesk Flow はプロダクションデータへの即時アクセスを提供し、制作フェーズ間のつながりを強化し、効率性を高めます。

Autodesk Flow の開発にあたって、ゲーム業界もまた最重要視しています。Electronic Arts などの顧客企業と連携して、ゲームの制作ワークフロー強化に役立つ重要なインサイトを獲得し、多数のプロジェクトアセットやステークホルダー、複雑性をうまく管理できるようにしていきます。

 

■今後、AIの搭載によってデータの最大活用を可能に

クラウドにつながったコネクテッドな環境でデータを使用することで、私たちには人工知能(AI)を自動化の推進や創造性を高めていくための力として活用するチャンスが広がります。

 

▲AIを搭載したGenerative Scheduling on Flowが制作ワークフローを自動化

 

その一例がスケジュール管理です。

チーム間には常にさまざまな変動要因があり、予算管理はこれまでずっと人の手で行われてきており、たった一人の手に委ねられることも少なくありませんでした。AI を搭載した Generative Scheduling on Flow では、これまで何日もかかっていたプロセスを自動化し、数分ですばやく結果を出せるようにします。自分のリソースの適切な規模を予測して計画し、制作のために必要な帯域幅を確保できます。直前に変更が生じた場合、1 つのプロダクションのスケジュールや予算だけでなく、スタジオのポートフォリオ全体に及ぼす影響を簡単に把握することができます。

 

▲新たな Maya 向けプラグインにより、Autodesk Maya から Wonder Studio へ CG キャラクターをシームレスにエクスポート

 

Autodesk では Wonder Dynamics と連携して、AI でのクリエイティブワークフローの自動化に取り組んでいます。このケースでは、AI を活用して実写シーンの中で CG キャラクターのアニメーション化やライティング、合成を自動的に行います。新たな Maya 向けプラグインを利用して、Maya のユーザーもシームレスに Autodesk Maya から CGキャラクターを Wonder Studio にエクスポートできるようになります。

さらにアーティストは、アニメーションやカメラ、ライティングデータを含んだ 3D シーンを、Wonder Studio から Maya にエクスポートして戻すこともできるため、アーティストはエレメントごとにクリエイティブを完全にコントロールできます。従来、このような複雑なワークフローは、大規模な予算のあるスタジオでしか実現できませんでしたが、自動化によってあらゆる規模のスタジオのスタジオが壮大なストーリーを構築する能力を得ることができます。AI ソリューションと Autodesk Flow を組み合わせることによって得られるパワーが、すべての人に大きなチャンスを生み出します。

 

■コネクテッドなワークフローとクリエイティブなコンテンツがもたらす未来

Autodesk は制作パイプラインのデータ、ワークフロー、チーム、スタジオをすべて1つに統合することで、業界を改革しようとしています。コラボレーションを合理化することで、業界の複雑さやプレッシャーに対処できるようになり、アーティストは重要な作品づくりだけに集中できるようになります。

今年の Autodesk University (AU)では Autodesk Flow の全容を紹介するとともに、メディア&エンターテインメント業界のプロフェッショナルの皆さんがつながり、互いに交流し、先進的なスタジオがAutodeskのデザインと創造のソリューションを使用して、どのように制作の全コンテキストに集中し、素晴らしいストーリーを創り出しているのかを知っていただく機会を提供します。

 

▲11 月 22 日から劇場公開される全世界待望の Walt Disney Animation Studios の「Wish(邦題:ウィッシュ)」

 

今回、先進的なスタジオの 1 つである Walt Disney Animation Studios も登壇し、テクノロジーとアニメーション、そして人間の野心の集大成ともいえる、最新作「Wish」の複雑な制作過程の一端をセッションで紹介します。

是非、オンデマンドでジェネラルセッション、シアタートーク、各種クラスにご参加ください。

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