LINEヤフーは、睡眠ゲームアプリ「ポケモンスリープ」がそのユーザーの睡眠活動にどのような影響を及ぼしたのかをデータから調査・分析したレポートを公開した。LINEヤフーの多様なサービスから得られる行動ビッグデータを分析できる事業者向けサービス「ヤフー・データソリューション」で分析した。
本レポートでは、「ポケモンスリープ」と共に「攻略」「厳選」を検索しているユーザー群を「ポケモンスリープ」のユーザー群と定義し、そのユーザーと性別、年齢、1年間のヤフーでの検索回数が類似しているユーザー群を比較ユーザー群と定義した。その上で、ヤフーサービスの閲覧データを用いて睡眠時間を推定し、「ポケモンスリープ」のユーザー群と比較ユーザー群とで「ポケモンスリープ」リリース後の1カ月間の平均睡眠時間を比較した。
その結果、「ポケモンスリープ」のリリース後の推定睡眠時間は、比較ユーザー群が1分しか増えていない一方で、「ポケモンスリープ」のユーザー群は約26分増加していることがわかった。「ポケモンスリープ」をプレイすることが睡眠時間の向上を促している可能性が見て取れる。
▼推定睡眠時間の変化
また、「ポケモンスリープ」のユーザーが特徴的に検索しているキーワードを調査し、ゲームをプレイすることが睡眠への意識に影響を及ぼしたかどうかについて分析を行った。
「睡眠」または「寝る」が部分一致で含まれており、睡眠活動改善に関連する検索キーワードを抽出し、比較ユーザー群と比較した結果、比較ユーザー群では睡眠活動を改善するキーワードが3件しかない一方で「ポケモンスリープ」ユーザー群のランキングには「睡眠の質をあげる方法」や「深い睡眠をとる方法」、「睡眠負債 解消法」といったより具体的な睡眠の改善策を求める検索キーワードが見られた。「ポケモンスリープ」のユーザー群は、比較ユーザー群に対して睡眠への関心が強い傾向にあることがわかる。
▼睡眠活動改善を意識する検索キーワード(2023年7月1日~2023年9月30日)
なお、ゲームのリリース前の時期についても分析したところ、結果は以下の通りとなり、「ポケモンスリープ」のユーザー群はそもそも睡眠への意識が高い層である可能性が示唆した。
しかしながらゲームのリリース後、比較ユーザー群の特徴度*、検索キーワード数にはほとんど変化が見られないことに対し、「ポケモンスリープ」ユーザー群は特徴度の大きい検索キーワードが増え、検索キーワード数も増加している。このことから「ポケモンスリープ」ユーザー群は、「ポケモンスリープ」の導入によって睡眠活動への意識がより強まった可能性があることがわかる。
▼睡眠活動改善を意識する検索キーワード(2023年4月1日~6月30日)
*特徴度:ヤフー・データソリューションが展開するデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」で用いられる、特定の属性(性年代、地域など)がそのほかの属性と比較して「そのキーワードをどれくらい特徴的に検索しているか」を表現したスコア。5を最高値として、値が大きいほど検索されやすい特徴を示している。
本レポートでは、これら調査の詳細のほか、「ポケモンスリープ」のユーザー群がどのような健康や医療に関連するキーワードで検索活動を行なっているか、またその結果から考察した新たなへルスケアアプリの需要などを分析している。
▼レポートは以下で公開している。
https://ds.yahoo.co.jp/report/20231213.html
会社情報
- 会社名
- LINEヤフー株式会社
- 設立
- 1996年1月
- 代表者
- 代表取締役会長 川邊 健太郎/代表取締役社長CEO 出澤 剛/代表取締役CPO 慎 ジュンホ
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 4689