大発会となる1月4日の東京株式市場は3日続落となった。日経平均株価は、前営業日比175円88銭安の3万3288円29銭でこの日の取引を終えた。休場中だった年始の米国市場でハイテク株が軟調に推移したことが嫌気されたほか、能登半島地震の影響を見極めたいとの動きから一時は700円を超える下げとなる場面もあった。売り一巡後は、影響は限定的との見方から押し目買いが入り、下げ幅を縮小していったという。
こうしたなか、ゲーム関連株を見ると、ウェルプレイド・ライゼスト<9565>がストップ高。昨年末にIOC(国際オリンピック委員会)が新設を検討している「オリンピック・eスポーツ・ゲームズ」について、日本に2026年大会の開催を打診していると報じられたことが株価の刺激材料となっているようだ。ウェルプレイド・ライゼストの親会社であるカヤック<3904>も連れ高となった。
また、バンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>もストップ高。昨年12月22日に発行済株式総数の3.5%に相当する14万株・5億円を上限とする自社株買いを実施すると発表したことが引き続き評価材料となっているようだ。個人投資家を中心に短期資金が入っているという。
ゲーム関連では買われる銘柄が多かった。昨年末、正月休み中の持ち越しを嫌うから売り込まれた銘柄が目立ったものの、大発会を迎えて買い戻しや押し目買いが活発に行われた。カプコン<9697>やバンダイナムコホールディングス<7832>、コナミグループ<9697>、セガサミーホールディングス<6460>、コーエーテクモホールディングス<3635>、スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684>も高い。
市場では、物色の矛先がグロース株から内需株やバリュー株に移っているとの見方が出ているという。ゲーム関連株、とりわけモバイルゲームはかつてはグロース株と位置づけられていたが、すっかり成長率が低下した。
このあたりの見方は分かれるところだろうが、ゲーム会社は、ヒット作の有無によって業績が左右されるものの、借り入れを抑え、キャッシュポジションを高くするなど堅実な財務体質の会社も多いため、バリュー株という位置づけになっている部分があるのかもしれない。ゲーム株が全体的に買われる中、成長性の高い任天堂<7974>が下がっているのも符合するといえる。