米国のモバイルゲーム収益が回復…24年1Qは過去最高を更新 カジュアル/ハイブリッドカジュアルがけん引役に 『ラストウォー:サバイバル』が急成長 Sensor Tower調査
Sensor Towerは、本日(4月8日)「[レポート]アメリカのモバイルゲーム市場に関するインサイト」を公開したことを発表した。
コロナ禍の終息および巣ごもり特需の消失により、アメリカのモバイルゲーム市場は2022年に一定程度の調整局面が見られ、2023年上半期はイーブンの状態まで回復していた。しかし、この傾向は2023年第3四半期に転機を迎えた。モバイルカジュアル/ハイブリッドカジュアルゲーム収益の成長を受け、アメリカにおけるモバイルゲーム収益が回復し続け、2024年第1四半期の収益が前年同期から15%増加して過去最高に達する見込みだ。
本レポートでは、2024年のアメリカにおけるモバイルゲーム収益のトレンド、主なモバイルゲームカテゴリ・ジャンル別の収益および収益成長率ならびに『MONOPOLY GO!』などの人気ゲームの注目に値する実績を分析しているほか、海外市場開拓の成功事例として人気ゲーム『ラストウォー:サバイバル』の戦略を紹介している。
※本レポートではアプリストアにおける収益のIAP推定値のみを集計しており、広告収入および中国本土におけるサードパーティのAndroidマーケットでの収益は含まれていない。
■アメリカにおけるモバイルゲーム収益が回復、2024年第1四半期に過去最高を更新
アメリカは世界最大のモバイルゲーム市場の一つであり、2023年のモバイルゲーム収益が233億ドルに達し、世界のモバイルゲーム総収益の30%を占めている。アメリカにおけるモバイルゲーム収益は、コロナ禍が終息に向かっていた2022年に減少し、2023年第3四半期に前期から5.7%増加して再び増加基調に転じた。
アメリカにおけるモバイルゲーム収益は、2024年第1四半期も増加し続け、前年同期から15%増加して64億ドルを突破し、新型コロナウイルス流行期(2021年第2四半期)に記録した最高額を上回って過去最高を更新する見込みだ。
■モバイルカジュアル/ハイブリッドカジュアルゲームの収益成長がアメリカのモバイルゲーム市場回復の主な要因
カテゴリ別では、カジュアルゲームがアメリカ市場において依然として重要なポジションにあり、2023年は総収益の60%を占めている。また、アメリカではモバイルカジュアルゲームに対する支出が増加し続けており、2024年第1四半期には前年同期から21%増加して40億ドルに上ることが見込まれ、アメリカにおけるモバイルゲーム収益回復の原動力になっている。
ユーザー獲得コストの増加に伴い、モバイルミッドコアゲームのハイブリッドカジュアル化が進行しています。近年、『ラストウォー:サバイバル』に代表されるモバイルハイブリッドカジュアルゲームがカジュアル要素を取り入れて急成長。IAP収益は増加の一途をたどり、2024年第1四半期には前年同期比65%の3.4億ドルに達する見込みだ。
■アメリカ市場においてはモバイルカジノゲームの収益成長が顕著、『MONOPOLY GO!』の世界収益は20億ドルを超える
Scopelyがリリースする『MONOPOLY GO!』は、競技性とソーシャル性を定番ゲームのモノポリーに取り入れて2023年のアメリカ、ひいては世界のモバイルゲーム市場の最大のダークホースとなり、アメリカにおけるモバイルカジノゲームの半年間の収益を26%増加させてアメリカで最も収益力のあるモバイルゲームジャンルになっている。
一方、『ロイヤルマッチ』に代表されるモバイルパズルゲームも依然としてアメリカのプレイヤーに人気であり、IAP収益がこの半年間で10%増加して29億ドルに達している。
Sensor Towerストアインテリジェンスのデータによると、『MONOPOLY GO!』は、2024年3月20日現在の世界累計収益が20億ドルを突破しており、アメリカのモバイルゲーム収益・収益成長量ランキングでトップになっている。『ロイヤルマッチ』は、アメリカのモバイルゲーム収益・収益成長量ランキングで2位となり、世界のモバイルパズルゲーム市場をけん引し続けている。
■広告出稿によって『ラストウォー:サバイバル』の収益が急増
FirstFunがリリースするモバイル4Xストラテジーゲーム『ラストウォー:サバイバル』は、2023年11月以降急成長している。2024年2月のIAP収益は2023年11月の23倍に達し、累計収益は1.8億ドルを超え、収益を最も多く上げている韓国およびアメリカにおいて、それぞれ総収益の30%および28%の収益を得ている。
『ラストウォー:サバイバル』の急成長は効果的な広告出稿戦略と密接に関係している。Sensor Towerデジタル広告分析プラットフォームPathmaticsのデータによると、『ラストウォー:サバイバル』のアメリカにおける広告費が2023年11月に前月の12倍に激増し、2024年1月にピークに達している。中でもTikTokおよびFacebookがアメリカにおける主な出稿先であり、その割合はそれぞれ38%および30%に上っている。
『ラストウォー:サバイバル』は、韓国においても広告を大量に出稿しており、2023年12月以降、SOVランキングが急上昇し、2024年1月に、TikTok、AdmobおよびYouTubeにおいて、SoVが最高のモバイルアプリになっている。
■カジュアル要素を取り入れて、『ラストウォー:サバイバル』が急速にプレイヤーの支持を獲得
『ラストウォー:サバイバル』は、アーケード/カジュアルの要素を取り入れると同時に、カジュアル要素を盛り込んだクリエイティブを大量に出稿したことによって、従来のモバイルシミュレーションゲームユーザー獲得のボトルネックを突破、2024年1月のダウンロード数を2023年11月の7倍に急増させている。人気モバイル4Xストラテジーゲームの『ホワイトアウト・サバイバル』や『トップウォー』と同様に、『ラストウォー:サバイバル』もダウンロード数の60%近くが広告ダウンロードによるもので、ユーザー獲得効率は人気競合タイトルよりも顕著に高くなっている。
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https://sensortower.com/ja/us-mobile-games-2024-report-japan