KADOKAWA<9468>取締役の川上量生氏は、6月24日、同社グループへのサイバー攻撃に絡み、夏野剛社長のX(旧ツイッター)アカウントが乗っ取られたことを自身のXで明らかにした。【追記】乗っ取りは数分間だったとのこと。
同社グループは、ランサムウエアなどによる大規模なサイバー攻撃を受け、「ニコニコ」や「KADOKAWAオフィシャルサイト」、「エビテン(ebten)」など複数のサイトにとどまらず、出版事業における受注や物流システム、経理業務にも障害が発生している。
こうしたなか、「NewsPicks」は6月22日、「【極秘文書】ハッカーが要求する「身代金」の全容」と題する記事を掲載したが、KADOKAWAは、犯人と名乗る人物のメッセージを記事に掲載したことに関して強く抗議するとし損害賠償を含めた法的措置の検討を進めていく、とした。
川上氏は「これはNEWSPICKSの報道による犯罪者グループとの関係の変化によるものです。脅迫中の事案について報道をするというのはこう言うことです。NEWSPICKSは今後起こる同様の事象について責任をとる覚悟でもって報道されたのでしょうか?」(ママ)と「NewsPicks」の記事が影響したことを示唆した。
補足として、今回の件でもっとも非難されるべきはKADOKAWA自身であると認めつつ、犯人グループが自身の行ったサイバー攻撃の結果やその後の状況について正確に把握できていない一方、KADOKAWA側も相手の手の内を把握できない中で情報戦を行っている最中であるとし、KADOKAWAの手の内を明かすような報道を批判している。
記事掲載当初、記事内容についてコメントをせず、肯定も否定もしなかったのは、犯人側に余計な情報を与えることを避けたかったため、ということのようだ。この点に関して、KADOKAWAの主張はもっともな部分があり、このタイミングで詳細を報じる意義が問われそうでもある。
先ほど、KADOKAWA社長の夏野剛のXアカウントが乗っ取られました。これはNEWSPICKSの報道による犯罪者グループとの関係の変化によるものです。脅迫中の事案について報道をするというのはこう言うことです。
— かわんご (@gweoipfsd) June 24, 2024
NEWSPICKSは今後起こる同様の事象について責任をとる覚悟でもって報道されたのでしょうか?
会社情報
- 会社名
- 株式会社KADOKAWA
- 設立
- 1954年4月
- 代表者
- 代表執行役社長CEO 夏野 剛/代表執行役CHRO兼CLMO 山下 直久
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2581億900万円、営業利益184億5400万円、経常利益202億3600万円、最終利益113億8400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9468