クオンタムソリューションズ<2338>は、7月10日、連結子会社のゲームアプリの配信及び運営に関わる独占ライセンス契約の締結とともに、新規事業として、ゲームアプリの配信及び運営事業を開始することを明らかにした。9月30日開始を予定しているとのこと。
同社は、「Project Jewel」を開発・製作する JP GAMESとの業務提携及びそれに伴う投資に続き、同社の連結子会社である Quantum Solutions Asia(QSAL)が上海轩跃商务咨询有限公司(上海轩跃)との間で、独占ライセンス契約を締結し、『サンクタス戦記-GYEE-』(GYEE)の独占配信権を無償で取得したとのこと。
本作は、独自 IP を持つ3D ターン制コンバット&恋愛シミュレーションゲーム。その物語性とキャラクター設定は、LGBTQ+コミュニティーや多様性を尊重する人々から高い支持を得ているそうだ。
同社は、同社ゲーム事業を充実し、成功させるため、連結子会社である QSAL において、2024年5月に、GYEEを開発した北京キウイフルーツインタラクティブテクノロジー有限公司(Kiwi Fruit Studio)の創立チームのコアメンバーである Mike Gan 氏との間で業務委託契約を締結したうえで、同社のゲーム事業のコンサルタントとして招き入れた。
Mike Gan 氏が2023年3月末に Kiwi Fruit Studioを離れた後、Kiwi Fruit Studio は、ビジネス手法の再構築の一環として、2024年6月1日付で上海轩跃に対して GYEE のゲームのソフトウェア著作権およびすべての関連知的財産権を売却した。
Mike Gan 氏は、同月上旬に、GYEE の所有者が Kiwi Fruit Studio から上海轩跃に変わったことを知り、同社に対して、上海轩跃から GYEE の配信権を取得することを提案したという。
そこで、同社は、QSAL を通じて上海轩跃の経営陣と交渉を進めていたが、本日、QSAL・上海轩跃間で、QSAL が上海轩跃から GYEE の独占配信権を無償で取得するとの合意に至ったという。
■独占配信権:
・上海轩跃は QSAL に対し、全世界で GYEE を配信および運営と、第三者に対しゲームの配信および運営の権利を許諾するサブライセンス権を付与する(以下「独占配信権」)。また、その期間は 5 年間とする(以下「配信期間」)。
・ 上海轩跃は本配信期間中、GYEE の配信権を自己使用すること並びに他の第三者に付与することもできない。
■ライセンス料:
QSAL は配信期間中に独占配信権を行使して得た運営収入の50%をライセンス料として上海轩跃に支払う。
■その他の重要な条項:
・QSAL は市場状況に応じ、対象ゲームの正式な運営権利の移管日を決定するものとする。
・この正式な上海轩跃から QSAL への配信及び運営の権利移管日は2024年9月30日を超えてはならない。
・必要に応じ、QSAL と上海轩跃の双方は、移管日の延長について協議できる。
・上海轩跃は GYEE のメンテナンスおよび更新を担当し、安定した運営を保証する。
・上海轩跃は QSAL に対し GYEE を運営するにあたり必要なサーバーの設置や技術サポートおよびその研修を提供する。
・QSAL は本配信期間終了後、同等の条件で配信契約を優先的に締結する権利を有するものとする。
・“ゲームのアップデート"は、新キャラクターの追加や新しいステージの設計など、通常のアップデートのみを意味し、新規プレイヤーの獲得および既存プレイヤーの維持を目的としている。これらのアップデートは、上海轩跃が担当する。
・QSAL は市場の需要に応じて、上海轩跃と共同で GYEE の多言語版の開発を行う。
・GYEE 既存のファンコミュニティおよび IP を基に、異なるプレイスタイルのミニゲームの開発も計画中。
現在、QSAL では、上海轩跃と GYEE の配信及び運営に関する独占的ライセンス契約を締結した後、サブライセンス権を使って、以前に GYEE ゲームの日本地域のパブリッシャーであったA社(当社で調べたところ、 A PLUS JAPAN)に対して GYEE の日本地域における配信を再許諾することを検討しているという。
これが実現した場合、A社がユーザーからゲーム関連の収益を直接徴収し、一部の収益を配信費として差し引いた上で(現時点では具体的な割合は未定)、A社が残りの収益を QSAL に支払うことになる。つまり、QSAL では、A社による配信費控除後の支払額(運営収入)の50%をライセンス料として上海轩跃に支払うこととなる。
