ワンダープラネット<4199>は、この日(7月16日)、2022年8月期において実施した自社株買いについて、分配可能額がマイナスの状況で実施した…つまりたこ足配当ならぬ、たこ足自社株買いを実施したもので、業務執行者は責任を取って補填すべきではないか、という外部からの指摘があったこと、そしてそれに対する調査結果を発表した。
同社によると、2021年10月14日から2022年1月14日までの期間、総額9988万3600円(総数5万0100株)の自社株買いを行った。これはいずれも取得時点の分配可能額の範囲内で行われた。
他方で、2022年8月期末時点では、分配可能額はマイナス8億8700万円となり、欠損が生じた。会社法では配当や自社株買いは分配可能額の範囲内で行うよう定めており、これに違反したという指摘だ。
これを受けて、業務執行者の欠損填補責任の有無について調査・検討を行ったところ、業務執行者が職務上の注意を怠ったと認めるべき事情もなかった、とした。
自社株買い実施時点の最終利益の予想は1億3000万円の赤字~1億3000万円の黒字のレンジ予想としていた。配当予想も0~6.5円としており、配当実施の可能性もあり、分配可能額がマイナスと想定していなかった。
しかし2022年8月期の実績は、2022年7月にリリースした新作「アリスフィクション」が想定ユーザー数を獲得することができず、リリース後に発生した不具合の影響もあり、最終損失18億8700万円で着地した。
つまり、自社株買い実施時点では自社株買いは実施可能な状況であったので実行したが、新作タイトルが想定と異なる成績となり、期末時点では実施不可能な状況に陥った。遡って業務執行者の責任を問えないという結論は妥当なものと言えよう。
同社は、より精度の高い予算策定や予実管理の仕組みと体制の構築に努めるとともに、期中に自社株買いを実施した場合には年次決算確定時に欠損が生じていないことを確認するプロセスの整備・実施を行い再発防止に注力する、としている。
会社情報
- 会社名
- ワンダープラネット株式会社
- 設立
- 2012年9月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 常川 友樹
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高24億4900万円、営業利益1億2100万円、経常利益1億1300万円、最終利益9200万円(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4199