日本玩具協会は、2023年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の玩具市場規模と市場動向に関する調査を発表し、2023年度の日本国内の玩具市場規模は、前年度比7.1%増と大きく伸び、上代(希望小売価格)ベースで1兆193億円と、初めて1兆円を超えたと発表した。玩具の売り上げは少子化が進む中でも2019年度以来、4年連続で伸びており、前年度に続いて過去最高を記録した。
また、玩具の中核を占める10分野も、2023年度は6883億円で、前年度比8.5%増と伸び、こちらも過去最高を更新した。さらに日本玩具協会ではこの調査とは別に、カプセル玩具の市場規模も調査しているが、2023年度のカプセル玩具の売り上げは前年度比5.0%増の640億円と市場拡大が続いている。
2023年度に玩具市場が初めて1兆円を超えた最大の要因は、前年より18%増にあたる425億円売り上げを伸ばして、今や2774億円市場となったカードゲーム・トレーディングカードで、市場全体の27.2%を占めるようになった。
「ポケモンカードゲーム」が前年度に続いて大きく伸長をしたことに加え、「ONE PIECEカードゲーム」や「遊戯王OCG」などのブランドもそれぞれ好調だった。
また、プラモデルとフィギュアが好調だったホビー市場も79億円拡大して1749億円市場になった。ガンプラが引き続きプラモデル市場を牽引したほか、今回大きく伸びたのがフィギュアで、インバウンド層のお土産需要としてコレクションミニフィギュアなども人気だった。鉄道模型も好調だった。
次いで金額で伸びが大きかったのはぬいぐるみで、67億円伸ばして391億円市場になった。「ポケモン」や「スーパーマリオ」、「ピクミン」、「スタジオジブリ」などのキャラクターぬいぐるみが大きく牽引した。
2023年度の玩具市場で拡大が目立った商品ジャンルを伸び率でみると、上位は①ハイテク系トレンドトイ121.5%、②ぬいぐるみ120.7%、③カードゲーム、トレーディングカード118.1%、④のりもの玩具108.9%、⑤ホビー104.7%、という結果だった。
中分類での金額ベースの伸びの上位は①フィギュア、②ミニカー、③乗用、④幼児キャラクター、⑤立体パズルだった。
カードゲーム、ホビー、ぬいぐるみ、ミニカー、ハイテク系トレンドトイなど、2023年度に伸びが顕著だったのは、いずれもキダルト層(キッズ+アダルト=子ども心を持った大人層)までをターゲットにした商品分野、あるいはインバウンド層にも人気の商品が揃った商品分野であることが特徴になっており、それが少子化の中でも玩具が成長産業になっている大きな要因であると指摘した。