【イベント】「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」レポート 心震える演奏、そして『グラブル』と共に歩んだ10年を想いながら涙
Cygamesは9月21日、22日の2日間、『グランブルーファンタジー』(以下、グラブル)のオーケストラコンサート「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」を東京ガーデンシアターで開催した。指揮は栗田博文氏、演奏は東京フィルハーモニー交響楽団が担当。本稿では、DAY1の夜公演の様子をレポートしていく。
なお、セットリストは以下の通り。
【第1部】
・フレイメル島 -太古の工廠-
・天に散りし覇者との邂逅
・人間との戦い
・バトル4
・ライヒェ島 -人住まう魔窟-(ゲスト:内藤哲朗、高桑英世)
・ナル・グランデの罪
・アウライ・グランデ(ゲスト:成田勤)
・Lyria(ゲスト:東山奈央)
【第2部】
・命のカタチ
・Last Advent
・ユグドラシル・アルボスマグナ
・Dragon’s Circle -Hexachromatic-
・天と光、死と生
・ロボミ
【アンコール】
・アウギュステ列島 -白沫の瀑布-
・ローズクイーン(ゲスト:霜月はるか、成田勤)
・どうして空は蒼いのか(ゲスト:野口明生、高桑英世)
・メインテーマ
■グラブル好きで本当によかったと思う。そんな感情を揺さぶる最高の演奏
8年ぶり2度目となる『グラブル』のオーケストラコンサート。ゲームでは様々な物語やキャラクター、コンテンツ、そして多くの楽曲が追加されてきた。今回、演奏される楽曲はどのようなものなのか、期待に胸を膨らませながら開演の時を待っていた。
開演15分前と5分前のアナウンスでは、キャラクターたちが公演の際の注意事項を、和気藹々とした会話と共に説明。実際に舞台裏にいるような内容で、思わずクスリと笑える場面もあり、ファン心をくすぐってくれる。
そしていよいよ第1部がスタート。開幕を飾ったのは「フレイメル島 -太古の工廠-」。バルツ公国にいる際メイン画面で聴ける楽曲で、「さあ、冒険だ!」というワクワクするような高揚感を与えてくれる。その重厚で壮大な演奏によって、"グラブルの世界”に一気に引き込まれた。
続く楽曲は討滅戦のBGM「天に散りし覇者との邂逅」。明るい雰囲気から一転。凄まじい音の圧、波が体中を走る。その圧倒されるほどの迫力は、バトルの緊張感を見事に表現していた。思わず、手に汗握ってしまう。
黒騎士戦で使用された「人間との戦い」の演奏では、正面のモニターでストーリーに関連する映像が流れる演出も。序盤は原曲よりも懐かしく切ない印象のアレンジで、アポロニアとオルキスの映像と相まって物悲しさも感じた。中盤からは力強さと重厚感のある演奏へ。その音色は、まるでエルステ帝国での戦いやアポロの葛藤、覚悟などを感じるようだ。このように物語の展開とリンクするような演出にさらに没入感が高まっていく。
1回目のMCパートでは、ダーント役の星野貴紀さん、ユイシス役の立花理香さん、コンポーザーの成田勤さんらが登壇。曲の説明に加えて、DAY1の昼公演とはセットリストがかなり変わっている(※)、グラブル10周年の本年に成田さんが音楽活動20周年を迎えるなどのトークが繰り広げられた。
※:DAY2を含めた全4公演すべてセットリストが異なっていた。
その後、披露されたのは四象降臨のバトルBGM「バトル4」。音の厚みと広がりを感じるオーケストラアレンジとなっており、その荘厳さに感動を覚える。原曲の疾走感あるバンドサウンドとは違った良さを感じた。
驚いたのがナル・グランデ空域でお馴染みの「ライヒェ島 -人住まう魔窟-」だ。なんと和太鼓と篠笛が加わり、オリエンタルな雰囲気へとガラッと変わる。まるで島の空気感が伝わるような柔らかな演奏となっていた。
続く「ナル・グランデの罪」では、その圧倒されるような演奏に加え、モニターに流れるナル・グランデ編の映像により、”あのストーリー”を思い出して、思わず胸が苦しくなってしまった。数分間の演奏にもかかわらず、物語のすべてを読んだ感覚……といえば大げさに聞こえるが、本当にそう感じたのだ。
アウライ・グランデ空域のBGM「アウライ・グランデ」では、なんと成田さんがピアノで参加。元々物悲しい雰囲気の楽曲だが、成田さんが奏でる音色がさらにこちらの感情を揺さぶってくる。物語の映像による演出も相まって、終始鳥肌ものだった。
演奏後は、本公演のキービジュアルで描かれているような青いドレスを纏ったルリア役の東山奈央さんが登壇。堂々と指揮台に立つも、ハチャメチャな指揮で演奏がうまくいかないというお茶目な演出に思わず会場から笑いが起こっていた。
そんな一幕もありながら、第1部の締めとしてファータ・グランデ編エンディングとして流れる「Lyria」が披露される。ルリア(東山さん)の透き通る優しい歌声、成田さんの美しいピアノ、そしてオーケストラのどこまでも広がる音が胸に響く。ここまでの素晴らしい演奏に加え、自分自身が『グラブル』をプレイしてきた思い出が次々と蘇り、思わず胸がいっぱいに。抱えきれない感情に自然と涙が流れていた。
このように第1部はファータ・グランデから旅が始まり、ナル・グランデ、アウライ・グランデへと繋がるメインシナリオの冒険に沿った構成となっていた。
休憩を挟んで第2部。スタートを飾ったのは8周年イベントBGM「命のカタチ」だ。静かな演奏と共に流れるユニの映像を見ていると、どこか寂しさを感じる。第2部開始早々、涙腺を刺激してくるじゃない……。
そんな雰囲気から一転、急に不穏な空気を生み出したのが「Last Advent」だ。見ているだけで焦りを感じるほどの迫力がありながら、どこか神秘的な空気感に引き込まれていく。と、思いきやバトルBGMとは思えない癒される曲調の「ユグドラシル・アルボスマグナ」で、穏やかで優しい気持ちに。続く「Dragon’s Circle -Hexachromatic-」では、その重厚さに圧倒される。まるで六竜と対峙しているかのような白熱の演出も。この一連の演奏による緩急は凄まじかった。
さらに畳み掛けるように10周年イベントのボス戦BGM「天と光、死と生」へ。この曲そのものの良さはもちろん、「大星晶獣との戦い」のアレンジが随所に入っているという驚きも。元々壮大な曲であるため、オーケストラとの相性はバッチリ。もはやオーケストラで演奏するのを見据えて作られたのでは!?と、思うほど良かった。
「うおおおおロボミーーーーーーー!!!!!」と思わず心で叫んだのは、胸熱な楽曲「ロボミ」。オーケストラでの演奏がとにかく格好良く、お客さんの手拍子で会場が一つになった瞬間が、かなり熱かった。ちなみに、観客に手拍子や「ブラボー!」の掛け声を煽る栗田さんがとても印象に残っている。
このように第2部はシナリオイベントと高難易度バトルのBGMがまとめられていた。語彙力がなくなるほど、演奏、映像、演出のバランスが良く、本当に五感すべてで楽しめた。
ここで公演が終わり……と見せかけて、観客たちの熱い拍手に応えてアンコールが行われた。1曲目は「アウギュステ列島 -白沫の瀑布-」。柔らかくて落ち着く曲調が特徴で、聞いているとアウギュステの綺麗な海が思い浮かぶ。そんな静かな浜辺にいるような心地よい演奏だった。ちなみに筆者はこの曲が大好きで、メインページでいつも聴いている曲をオーケストラの生演奏として聴くことができて感無量だった。
続いての楽曲は「ローズクイーン」。原曲のバンドとは違った格好良さがあり、重厚で壮大なオーケストラ演奏に成田さんのピアノ、サプライズ登場となった霜月さんの美しく力強いボーカルがとても印象に残った。たぶん、他の騎空士さんたちも同じ想いだったと思うが、スタンディングしたい気持ちを抑えるのが大変だった。
MCパートで星野さんが「アンコール、つまりアサルトタイムです!」と盛り上げる一幕もありつつ、次は「どうして空は蒼いのか」に。ルシフェルのナレーションから始まるという演出は、本当に泣かせに来ている……! イーリアンパイプスとティンホイッスルの澄んだ音がとても綺麗で、その優しく美しい音色がより涙を誘った。
そして最後を締めくくるのは『グラブル』の「メインテーマ」。この曲なくして『グラブル』はないだろう。穏やかで幻想的な雰囲気の序盤の入りから、勢いよく盛り上がる。映像では過去のシナリオイベントのビジュアルが次々に流れ、『グラブル』のこれまでの歩みを披露。演目はこれで終わりなのに、「ここからまた旅の続きだ! 冒険だ!!」と思わせるようなワクワク感を与えてくれた。オーケストラの演奏で、この曲が聴けたのは、イチ騎空士として本当に幸せだ。
DAY1の夜公演はすべて終了。
恥ずかしながら人生初のオーケストラの生演奏を、大好きな『グラブル』、しかもその10周年という記念すべき時に体験できたことに幸せを感じた。それぞれの曲にそれぞれの思い出があり、最高のアレンジと演奏で『グラブル』の歴史を体感できる素晴らしい公演だった。
前回開催から8年ということだったが、ぜひ近いうちに次の公演があれば嬉しい限りだ。
■コラボフード&ドリンクや注目の展示物も!
ここからは会場で販売されていたコラボドリンク・フードや展示物を紹介していこう。
東京ガーデンシアター内売店では、コラボドリンク・フードが販売されていた。本記者は「ガレヲンの濃厚ミルクココア」と「ロングチュロス」を注文。ココアは優しい甘さでなめらかで飲みやすく、チュロスはシュガーたっぷりでサクサク甘うまい!
購入特典のコースターは全7種あるのだが、なんと柄は選択可能。優しすぎ…感謝……!
会場内には、当日販売されたグッズを展示しているブースも。
さらに注目を集めていたのは、本公演用に描き下ろされたイラスト展示! かなりの数が用意されており、多くの騎空士さんたちが鑑賞や撮影を行っていた。
■栗田氏&成田氏から終演後コメントが到着!
最後に、本公演の指揮者を務めた栗田博文氏と『グランブルーファンタジー』コンポーザーの成田勤氏よりコメントが届いたので以下にてお届けする。
・指揮者 栗田博文
2日間4公演、たくさんの曲数で大変でしたが本当に楽しかったです。
お越しくださった騎空士の皆さんに楽しんで頂けていれば嬉しいです!!
・グランブルーファンタジー コンポーザー 成田勤
「GRANBLUE FANTASY ORCHESTRA -SYMPHONY IN BLUE-」へお越しの皆様、本当にありがとうございました!
楽しんで頂けましたでしょうか。
まさに10周年にふさわしいコンサートになったのではないかと思います!
こうしてコンサートが開催できたのも、ひとえに皆さまのお陰だと思います。
本当に感謝しております。
これからもグラブルとその音楽を、どうぞ宜しくお願いいたします!
(取材・文:長戸麻希、長戸勲)
(写真協力:二城利月)
『グランブルーファンタジー』
© Cygames, Inc.