大人が購入する“キダルト”需要が増加 TCG売上は5年推移で630%に クリスマス・年末年始の注目は「コミュニケーションペットトイ」と「リバイバル玩具」 ハピネット調査

  • ハピネットは、同社の流通データをもとに分析した2024年9月までの玩具販売動向と、クリスマス、年末年始の売れ筋商品に関するレポートを作成して発表した。

    本発表は、2024年9月までの同社の流通データをもとに過去データと比較し、エンタテインメント業界での消費者動向を分析したものとなる。

    【玩具販売動向】
    1)2024年夏休み商戦の玩具市場は前年度比108%(トレーディングカードゲームを除くと同109%)
    「キャラクター玩具」ではクルマをモチーフにしたスーパー戦隊シリーズ「爆上戦隊ブンブンジャー」や新幹線変形ロボ「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」、動物をモチーフとした「わんだふるぷりきゅあ!」などの関連商品が好調に推移し、売上の増加に貢献した。さらに、「玩具系ホビー商品」では「BEYBLADE X」「HYPER YOYO ACCEL」「ウーニーズ」などが、「トレーディングカードゲーム」では「ONE PIECE カードゲーム」や「ポケモンカードゲーム」「遊戯王カードゲーム」「デュエル・マスターズ」などが牽引し、大人需要も取り込んでいることが推測される。

    2)大人が購入する“キダルト”需要が増加
    “キダルト”とは、“キッズ”と“アダルト”をかけ合わせた言葉で、子どものような心を持った大人を意味する。

    少子化が進むなか、「リカちゃん」の大人向けシリーズ「Francfranc × Licca」や「トミカプレミアム」など定番商品をリニューアルし、大人をターゲットとした新商品を発売する動きが見られた。また、1990年代に流行した欧米版たまごっち「Original Tamagotchi」の日本での発売などもあり、キダルト向けの商品が好調に推移している。上記に加えて、親子二世代で遊べる「プラレール」「シルバニア」などの長寿IPは、キダルト需要の増加によりお子さまへの買い与えの抵抗感が低減し、購入拡大に繋がっていると推測している。

    3)インバウンド需要が拡大
    空港内ショップでは、「ポケモン」のぬいぐるみやモンコレ、「マリオ」のRCやぬいぐるみなど、IPを使用した商品が海外からの観光客に人気で、同社玩具部門の売上金額は2023年4-9月および2024年4-9月の比較で前年度比160%に拡大した。

    また、同社の成田空港でのカプセルトイの売上金額は同時期比較で前年度比138%に到達している。さらに、同社が運営するカプセルトイ専門店「gashacoco」の「gashacoco ダイバーシティ東京プラザ」は同119%、「gashacoco なんば戎橋筋」は同113%と、観光地に近い店舗の売上が増加しており、インバウンド需要が市場の拡大につながっていると推測される。

    4)トレーディングカードゲームの同社売上は5年推移で630%に増加
    トレーディングカードゲーム商品の当社玩具部門における年間売上金額は5 年推移で630%と約6倍以上に拡大しており、直近の2022年度から2023年度にかけても前年度比160%と、依然好調に推移している。2024年度においても、2024年4月~9月の合計売上金額は、前年同時期(2023年4月~9月)の150%に増加した。

【今年のクリスマス・年末年始需要および人気商品の予測】
1)2024年クリスマス商戦のピークは第3週と第4週に分散と予想、アフタークリスマスにも期待
クリスマス当日が月曜日だった昨年のクリスマス需要は第3週(12/18週)に集中したが、今年のクリスマス需要はクリスマス直前の土日を含む第3週(12/16週)に加え、駆け込み需要が見込まれる23日(月)と24日(火)を含む第4週(12/23週)に分散すると予想される。同社では、12月の第1週(12/2週)から第5週(12/30週)における第3週から第4週の売上構成比が2023年実績の45%から49%に増加すると推測している。

また、2024年から2025年にかけての年末年始休暇は曜日配置の関係で、2023年から2024年にかけての年末年始休暇と比べて平均3日ほど長期化することが見込まれ、「アフタークリスマス」における消費行動も拡大すると予想している。

2)クリスマス・年末年始の注目商品は「コミュニケーションペットトイ」と「リバイバル玩具」
音声、光、動きなどの機能を持ち、話しかけたり、さわったりすると応答するペットトイのニーズが、コロナ下の巣ごもり需要で広がった。今年は複数のメーカーから大型の商品が発売され、市場金額が大きく伸長すると予想している。直近の2023年4-9月および2024年4-9月の比較では前年度比140%に拡大しており、2023年度から2024年度にかけては前年度比200%に拡大すると見込んでいる。

また、かつて流行した玩具を復活・進化させた「ハイパーヨーヨー」や「ベイブレード」、「ワニワニパニック」などの「リバイバル玩具」も数多く発売され、注目度が高まっている。

株式会社ハピネット
https://www.happinet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ハピネット
設立
1969年6月
代表者
代表取締役会長兼最高経営責任者 苗手 一彦/代表取締役社長兼最高執行責任者 榎本 誠一
決算期
3月
直近業績
売上高3504億6100万円、営業利益86億7900万円、経常利益89億7400万円、最終利益65億8100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
7552
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