クランチロール、2024年の取り組みを公表…有料会員1500万人突破、配信ビジネス基盤にゲームや配給、イベント、ECと業容拡大
クランチロールは、2024年の取り組みを公表した。有料会員数が1500万人を突破し、ソニーグループの決算説明会でもたびたび言及されるなど期待を集めている同社だが、2024年はどういった取り組みを行ったのか。
【配信】
・この夏、有料会員数が1500万人を突破した。
・クランチロールのコアビジネスは配信。共同製作の作品も含めて毎シーズン45から60作品を配信しており、現在ライブラリには2,000作品、5万エピソードからなる2万5000時間以上のアニメ作品を有している。
・アニメだけでなく、ソニー・ミュージックエンタテインメントとのパートナーシップにより、3,300のミュージックビデオやコンサートも配信している。
・インド向けにタミル語とテルグ語の吹替えが加わり、現在12言語で吹替え版を展開している。字幕はインドネシア語(Bahasa Indonesia)を加えて、16言語となった。
・クランチロールとアニメファンのタッチポイントを拡大するため、世界中の様々な端末への対応を進めている。
【配給】
・アニメに興味のあるライトなファンに向けての施策に挑戦している。米国ではLG Channels、The Roku Channel、VIZIO WatchFree+、Slingといった、広告モデルによるリニアTVで「クランチロール・チャンネル」を展開しており、ソニー・ミュージックエンタテインメントとはポッドキャスト番組「Crunchyroll Presents: The Anime Effect」なども提供している。
・Amazon Prime Videoチャンネルでクランチロールが視聴できる地域が増えた。昨年のアメリカ、イギリス、カナダ、スウェーデンに続き、今年はドイツ、メキシコ、ブラジル、インド、フランス、ベルギー、ポーランド、スペイン、イタリア、オランダ、チリ、コロンビア、オーストラリア、ニュージーランドでの展開が発表した。
【劇場版】
・クランチロールが今年海外で配給・劇場公開した作品をこちらで確認できる。
【音楽】
・Ado、MAN WITH A MISSIONなどの海外ツアーをサポートしたほか、米サンディエゴで開催したSan Diego Comic-Con International(7/25-28)では、クランチロールが開催した「The Crunchyroll Concert Series」にLiSAを招聘、米国で10年ぶりとなるコンサートを開催した。
【イベント】
・Anime Expo、SDCC、NYCC、Anime NYC、AnimagiC(ドイツ)、CCXP(メキシコ、ブラジル)、Japan Expo(フランス)、Anime Festival Asia(シンガポール)など、世界の主要アニメイベントに参加した。
・2003年に続き、クランチロール・アニメアワードの授賞式を3月に東京で開催した。2025年は5月25日に授賞式を開催する。
【ゲーム】
・アクションRPG『One Punch Man: World』をリリースした。
・昨年ローンチした有料会員向けのモバイルゲームライブラリ「Cruncyroll Game Vault」のラインナップが拡充し、今年中に35タイトルが揃える。
・日本からは、ビサイドの『幻日のヨハネ - NUMAZU in the MIRAGE -』『フルーツマウンテン』、MAGES.の『STEINS;GATE』『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』『五等分の花嫁∬ ~夏の思い出も五等分~』などが新たにラインナップに加わる。
・A PLUS JAPANとTVアニメ『オーバーロード』のオフィシャルモバイルゲーム『Lord of Nazarick』(英語版)をリリースした。
【リテール/EC】
・チェーンストア大手の米ウォルマートと提携し、全米2,400の店舗で「クランチロール・ファンショップ」を展開した。クレジットカード以外の決済手段としてサブスクリプション用のギフトカードなども販売している。
・2022年8月に買収したECサイトのRight Stufとクランチロールストアの統合を完了、クランチロールストアの商品ラインナップは3万点以上の品揃えになった。
・クランチロールストアが欧州34カ国で利用できるようになったほか、メキシコでは中南米を代表するECマーケットプレイス「メルカドリブレ」でクランチロールの公式ショップをオープンした。
会社情報
- 会社名
- Crunchyroll(クランチロール)