23年の世界ゲーム産業は30兆円規模に到達、4年で2倍近くに伸長 国内ゲームは半導体や鉄鋼に匹敵する輸出産業に【CESA調査】
コンピュータエンターテインメント協会は、『CESA ゲーム産業レポート2024』で、2023年のゲームコンテンツの市場規模は約30兆円に到達し、4年で2倍近くに伸長したと発表した。モバイルゲームが成熟する一方、Steamの台頭などPCゲームがシェアを伸ばしているという。
また、コンテンツ産業全体での海外輸出高は4.7兆円、うち6割がゲーム産業が占めており、半導体産業や鉄鋼産業と肩を並べる規模で外貨獲得に大きな役割を果たしているとも指摘した。
国内ゲーム産業の総就業人口については約20万人との推定も行っている。協会の会員企業を対象に行った調査で、ゲーム産業の平均年収が708万円と高い水準であること、また大手企業を中心に積極的な賃上げの取り組みを行っていることも明らかになったという。
本日発刊した国内外のゲーム産業レポート『CESA ゲーム産業レポート2024』で詳細が掲載されている。これまでの『CESAゲーム白書』を刷新し、さまざまなデータと多角的な分析、各企業の具体的な事例を加える形で制作した本書では、デジタル販売による売上データも含めた国内外のゲーム市場について紹介するほか、当協会の会員企業を対象とした調査で明らかになった国内のゲーム産業動向や、日本のコンテンツ産業全体におけるゲーム業界の立ち位置、ユーザー動向についても詳細に解説している。
その概要を紹介しておく。
【第1章】
フルリニューアルした本書では、巻頭特集として久夛良木健氏、岡村秀樹氏のインタビューを掲載。プレイステーションならびにセガサターンの30周年を記念し、両氏がこの30年間のゲーム産業の進化を振り返る。そのほか、近年のゲーム産業におけるトピックスについて、ゲーム業界のキーパーソンが事例とともに紹介する特集記事も掲載している。
【第2章】
国内外のゲーム市場に関する分析・紹介とともに、開発コストや就業状況、他のコンテンツ産業を含めたクロスメディアとしてのゲームなど、より幅広い視点でゲーム市場の動向を解説している。
▼グローバルのゲームコンテンツ市場規模は約30兆円。4年で2倍近くに伸長
2020年に20兆円を突破したグローバルのゲームコンテンツ市場規模は、その後も右肩上がりで推移。特に2022年以降は円安の影響を強く受け、市場規模は拡大傾向が続いている。プラットフォームごとの内訳では、モバイルゲームがスマートフォンの普及とゲームアプリの充実によって成熟し、その後も市場の中で大きな割合を占めている。また家庭用ゲームとPCゲームはそれぞれ2割前後を占めているが、Steamの台頭によりPCゲームが着実にシェアを伸ばしているのが特徴。
▼コンテンツ産業は日本の基幹産業に並ぶ規模にまで成長。海外売上4.7兆円のうちゲームが占める割合は約6割にのぼり、外貨獲得に大きく貢献
コンテンツ産業全体での海外輸出高は4.7兆円にものぼり、日本の基幹産業である半導体産業や鉄鋼産業と肩を並べる規模で外貨獲得に大きな役割を果たしている。また、コンテンツ産業の中でもゲーム産業が6割近い売上を占めていることから、日本のコンテンツ産業の海外展開をゲームが牽引していることが明らかになった。
▼国内ゲーム産業総就業人口は約20万人と推定。平均年収は708万円と他業界と比較して高水準
ゲーム関連の総産業人口は20万人前後と予測されており、周辺産業を広く巻き込む形で雇用人口の創出に貢献している。当協会の会員企業を対象に行った調査により、ゲーム産業の平均年収が708万円と高い水準であること、また大手企業を中心に積極的な賃上げの取り組みを行っていることも明らかになり、市場拡大の面だけでなく雇用拡大の面からも成長を続けていることがよく分かる結果になった。
【第3章】
プラットフォームごとのゲームユーザーの動向やeスポーツなど、ゲームに関するユーザー動向を分析している。
▼2023年の国内ゲーム人口は過去5年間で最多の5553万人
日本におけるゲーム人口は2020年に5000万人を突破。その後2022年はやや数値を落としたものの、2023年には前年比3%増の5553万人という結果になった。全てのプラットフォームでプレイするマルチユーザーは731万人と、前年の599万人から大きく増加していることが分かる。
【第4章】
東京ゲームショウ、CEDECといった当協会の主催イベントや会員各社の取り組みなど、産業振興と健全な業界発展を目的としたさまざまな取り組みについて紹介している。
CESA ゲーム産業レポート2024
発行コンピュータエンターテインメント
協会(CESA)
発売日2024年12月20日
価格書籍版:5万5000円(税込)
PDF版(CD-ROM版):5万5000円(税込)
判型A4
ページ数 360ページ
制作協力・販売 角川アスキー総合研究所
内容
第1章巻頭トピックス(特集・インタビュー・寄稿)
第2章国内市場・グローバル市場・産業動向
第3章ユーザー動向
第4章CESA活動・会員企業の取り組み
会社情報
- 会社名
- 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)