2024年の12月30日の日経平均株価は前週末比386円安の3万9894円で終えたものの、年末終値ベースでこれまで最高値だった1989年を上回った。ゲーム・アニメを中心とするエンタメ関連の銘柄は、ヒットタイトルを創出した企業や、キャラクターライセンスで稼ぐ企業、増え続けるインバウンド関連で収益を伸ばした企業などが株価が倍以上に伸びた銘柄が5銘柄あった。
ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、年初から2.2倍になった。ポケモンと共同で開発・運営する『Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)』がセールスランキングで首位と獲得するなど大ヒットした。スポーツ事業の中核である横浜ベイスターズも日本シリーズを制覇するなど年後半は明るい話題が目立った。
また、海外向けのキャラクターライセンスやインバウンドで収益を稼ぐサンリオ<8136>は2.8倍となった。「BEYBLADE X」に加えて、ガチャ(カプセル玩具)やキディランド、アミューズメントゲームなど幅広い領域で業績を伸ばしたタカラトミー<7867>も倍増となった。世界的なヒットアニメを生み出し続けるIGポート<3791>も2倍になった。
家庭用ゲーム関連では、コナミグループ<9766>が96%増となった。セガサミーホールディングス<6460>、カプコン<9697>、バンダイナムコホールディングス<7832>が30%を超える伸びとなった。他のエンタメ関連と比べると見劣りしているが、主流ハードウェアが世代公開の時期に差し掛かっていることを考えると業績も含めて良好で、25年に期待が持てそうだ。
ちなみに主流ハードに世代交代に関しては、メガチップス<6875>やホシデン<6804>など、任天堂向けに部品供給を行っているメーカーもプラスだった。家庭用ゲームの会社もちろん、ユークス<4334>やトーセ<4728>といったデベロッパー、ハピネット<7552>を含む卸売・小売などにも恩恵があるのだろうか。
趣が異なるのはサン電子<6736>だろう。投資会社トゥルー・ウインド・キャピタルが同社の株式公開買い付けを行い、発行済み株式の18%を取得した。筆頭株主との間で買い付け合戦が続くとの思惑が浮上して株価が大きく上がり、株価は年初との比較で4.4倍となったといわれる。
このほか、KADOKAWA<9468>は9.0%の上昇だったが、年後半に大きく動いた。ソニーグループ<6758>が買収に動いているとの11月20日の報道で一時は4500円台まで上昇する場面があったが、結局、発行済株式の10%を保有する資本業務提携で収まった。それが失望売りを誘い、株価は買収放送前の水準に戻ってしまった。
他方、東京通信グループ<7359>やオルトプラス<3672>、モブキャストホールディングス<3664>、カヤック<3904>など30%を超える下落となる銘柄も目立った。
また、コロプラ<3668>やグリー<3662>、KLab<3656>、クルーズ<2138>なども下落した。モバイルゲーム市場が成熟化し海外勢の増加など厳しい競争環境のなか、ブロックチェーンやメタバースなど新しい領域への先行投資を行っている。グリーはメタバースで一定の成果が出たが、他の領域でも成果が待たれるところ。