ドリコム、『Wizardry Variants Daphne』は不具合対応下でも第3四半期21億円の売上計上、業績一変 内藤社長「通常運用に移行でさらに拡大」「唯一無二の体験がヒット要因」

ドリコム<3793>の内藤裕紀社長は、この日(1月30日)にオンラインで開催した第3四半期の決算説明会で、『Wizardry Variants Daphne』の売上について21億6000万円だったことを明らかにした。同タイトルは、2024年10月15日からサービスを開始し、2ヶ月半ほどの運用となったが、想定以上の売上となっているという。 

内藤社長は「リリース当初から不具合が多く発生し、当初想定していたキャラクターの追加やイベント開催などを延期し、不具合への対応やカスタマーサポートの再構築に優先的に対応し多くの時間を費やした」とコメントした。12月下旬から通常運用に徐々に入ることができたが、こうしたなか、想定以上の売上を記録した。

第4四半期からはキャラクターの追加やイベント開催に加えて、メインストーリー「奈落」の追加も行っていく。「通常の運用ができない状況が続いていたので、通常運用に入ることで売上も伸びていくと予想している」。

好調の理由について問われると「モバイルゲームの成功ルールと真逆なものを提供し、唯一無二の体験を提供できていることが大きいのではないか」と回答した。通常、ストレスなくゲーム進行できるものがモバイルゲームの主流だが、攻略サイトなどを確認しながら進めてもすぐに頓挫してしまうなど難易度を高くしているという。

こうした難易度の高さからユーザー同士のやり取りがSNSで活発に行われるようになっており、Youtubeの実況も盛り上がりを見せているそうだ。不具合が多発していた中にあってもアプリストアの評価も高い評価をもらえていたのは唯一無二の体験を提供できていることが大きいと分析しているという。

今後、Steam向けの配信も行っていく予定。海外市場がメインとなるため、プロモーションなどのコストが先行する見通しだが、じっくりとやり込むコアゲーマーが多いため、内藤社長としても期待しているとのこと。

なお、ドリコムの業績も大きく改善した。十分な運用ができない中でも第3四半期の業績は、売上高が前四半期比で120.6%増の41億8200万円、営業利益が2億8800万円と大幅増収・黒字転換を達成した。第4四半期については、「通常運用」への移行に伴い、売上高53億円、営業利益5億2600万円とさらなる伸びを見込んでいる。

「Wizardry」の世界観で繰り広げられるダークファンタジー『ブレイド&バスタード』とのコラボを発表するなど出版部門との連携も模索している。『ブレイド&バスタード』はアニメ化も決定しており、IPとしての「Wizardry」はさらに輝きを増しそうだ。ドリコムは、モバイルゲーム会社からコンテンツIP企業への転換が着実に進んでいる。

 

株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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