主要モバイルゲーム企業の決算、13社中12社が黒字 成長エンジンから成長支える資金源に 突出するCAグループ、光明見えたKLab

木村英彦 取締役 編集長
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主要なモバイルゲーム企業の2026年1~3月のゲーム事業の決算が出揃った。上場モバイルゲーム会社を見ると、スポーツ事業や広告事業、メディア事業、出版事業、ブロックチェーン事業など、事業の多角化を進めている企業も少なくないため、本稿ではゲーム関連事業の売上高と営業利益をピックアップした(※単一セグメントの場合は全社業績を使用)。対象は四半期売上高15億円以上の企業とした。

集計した結果、13社中12社が営業黒字を確保した。そのうち8社が営業増益、4社が営業減益となり、営業赤字は1社のみだった。主力タイトルの売上逓減が続く企業が目立つ一方、周年イベントやコラボ施策による収益最大化に加え、広告宣伝費の最適化や運営効率化、Webショップやアプリ外決済の活用による手数料削減などが利益を下支えした。事業として利益を生み出せているかという観点で見ると、全体としては良好な状況だったと言えるだろう。

唯一の赤字となったKLabについても、『ドラゴンクエスト スマッシュグロウ』のリリースに向けた開発投資や外注費の増加が影響した側面が大きい。同社は4月に同タイトルをリリースしており、好調なスタートを切った。次の四半期から業績貢献するとしており、2026年12月期は営業利益10億円と黒字転換を見込んでいる。

 

 

モバイルゲーム市場は成熟化が進み、中国や韓国をはじめとする海外企業との競争、開発費の高騰と長期化など厳しい市場環境に見えるかもしれない。そして、かつてのような高成長が期待しにくい環境になったことは間違いない。

しかし、主要各社は依然として高い利益を創出している。その利益は新作ゲームの開発だけでなく、スポーツ、メディア、出版、VTuber、AIなど新たな成長領域への投資原資として活用されている。ゲーム事業は依然として各社の中核事業であり、そこに軸足を置く会社がみられる一方で、その役割を「成長エンジン」から「成長を支える資金創出源」へと変化させている会社もみられる。

各社の新規事業への取り組みは大雑把に整理すれば以下のようになるかもしれない。

・MIXI → スポーツ・エンタメ
・DeNA → スポーツ・ヘルスケア
・グリー → VTuber・DX
・KLab → AI事業
・サイバーエージェント → メディア
・ドリコム → IPプロデュース
・アカツキ → PR・IPプロデュース(サニーサイドアップ)
・Aiming → オンラインベッティング
・マイネット → スポーツやAI

そしてこれは特に新しい情報ではないが、サイバーエージェントが売上、利益で他社を圧倒した。『ウマ娘 プリティーダービー』や『グランブルーファンタジー』『プリンセスコネクト!Re:Dive(プリコネR)』『Shadowverse』などヒットタイトルを多数展開するCygamesが収益の多くを稼いでいたが、近年、サムザップやアプリボット、Qualiart、Colorful Paletteなどのスタジオが相次いでヒットタイトルを生み出し、まさにミルフィーユのように収益を積み上げている状況にある。

 

■MIXI

業績:売上高262億0400万円(前年同期比8.5%減)、EBITDA160億円(同1.2%増)

概況:『モンスターストライク』のMAU(月次アクティブユーザー数)が減少したものの、年始施策や地上波アニメ放送、人気IPとのコラボで1桁の減収にとどめた。コスト効率化でEBITDAは増益を達成した。モンストWebショップの利用率が5割強まで上昇し、コスト効率化が進んだという。

 

■DeNA

業績:売上高160億6100万円(前年同期比41.6%減)、営業利益63億5300万円(同63.8%減)

概況:『Pokémon Trading Card Game Pocket』については大ヒットした前年同期からの反動減が続いた。MAU(月次アクティブユーザー数)が安定し、ユーザー消費額も前年同期に比べると大きく落ちるものの、前四半期との比較でユーザー消費額や売上を見ると見ると安定期に入ったことが伺える。

 

■グリーホールディングス

業績:売上高79億7700万円(前年同期比17.8%減)、営業利益14億2300万円(同9.5%増)

概況:『ヘブンバーンズレッド』など主要タイトルの周年施策が好調で、売上、利益ともに想定を上回った。超大型IPタイトルや『アナザーエデン ビギンズ』のリリースに向けた開発投資も行ったとのこと。

 

■KLab

業績:売上高17億0500万円(前年同期比4.3%増)、営業損失4億5300万円(前年同期は2億8800万円の損失計上)

概況:『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』が業績を下支えしたが、『BLEACH Brave Souls』 の落ち込みが大きく、赤字幅が拡大した。『ドラゴンクエススマッシュグロウ』のリリースに向けて外注費や業務委託費が増えたが、次の四半期から「第2四半期から相当程度の業績貢献を見込んでいる」(真田哲弥社長)。

 

■コロプラ

業績:売上高51億3800万円(前年同期比24.1%減)、営業利益7億1000万円(同49.2%増)

概況:新作リリースがなかったことや、一部既存タイトルの逓減によって、前年同期と比較し減収となったものの、大幅な増収となった。前年同期はブロックチェーンゲーム『Brilliantcrypto』に投資を行っていたが、関連費用が抑制されたため、大幅増益となったようだ。

 

■アエリア

業績:売上高18億7500万円(前年同期比21.3%減)、営業利益600万円(同92.5%減)

概況:既存コンテンツとグッズ販売の収益が減少したことに伴い、売上とともに営業利益も大きく落ち込んだ。

 

■ガンホー・オンライン・エンターテイメント

業績:売上高265億9400万円(前年同期比11.9%増)、営業利益36億9300万円(同30.5%増)

概況:『パズル&ドラゴンズ』は堅調に推移したほか、子会社Gravityが繁体字圏でリリースした新作『Ragnarok:The New World』が売上と利益に大きく貢献した、としている。広告宣伝費を中心とする販売管理費の抑制も利益を押し上げる要因になったとのこと。

 

■ドリコム

業績:売上高39億8200万円(前年同期比6.3%減)、営業利益5億3600万円(同58.2%増)

概況:主力タイトルである『Wizardry Variants Daphne』はコラボ効果などもあり、前年並みの売上を計上するなど好調だった。他方、費用面では、不採算タイトルの採算改善、広告宣伝費の抑制、外部決済の普及による支払手数料などの抑制が増益要因となった。

 

■Aiming

業績:売上高32億4900万円(前年同期比37.1%減)、営業利益2億4100万円(同82.2%減)

概況:『ドラゴンクエストタクト』5.5周年イベントを開催したが、前年同期には『WIND BREAKER 不良たちの英雄譚』の受託売上が計上されており、反動減があったようだ。プラットフォーム手数料を抑制したが、新作開発の進捗に伴う人件費や外注費の高止まりも減益要因になったという。

 

■アカツキ

業績:売上高76億5100万円(前年同期比8.0%増)、営業利益45億8100万円(同80.1%増)

概況:『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』との11周年イベントが好調で、日本や仏など7カ国・地域のストアセールスランキングで首位を獲得した。大型新作タイトルの開発一巡に伴う研究開発費や広告宣伝費の抑制なども増益要因になったとのこと。

 

■マイネット

業績:売上高16億1400万円(前年同期比17.1%減)、営業利益1億6900万円(同40.3%減※)

概況:セカンダリー領域は安定的に収益を獲得した。社内計画に対し売上高、営業利益ともに超過達成したという。今後の成長を担う、スポーツコンテンツなど新規領域への成長投資を行うための原資を創出する役割を担っているとのこと。

 

■バンク・オブ・イノベーション

業績:売上高28億7100万円(前年同期比5.9%減)、営業利益5億3600万円(同196.1%増)

概況:主力タイトル『メメントモリ』の売上が低下したものの、アプリ外決済の普及によるプラットフォーム等手数料が低下したことに加えて、広告宣伝費を抑制し、大幅な増益となった。他方、新作ゲーム等の開発費として4億2900万円を計上したが、費用抑制で吸収した。

 

■サイバーエージェント

業績:売上高675億0400万円(前年同期比31.2%増)、営業利益209億2100万円(同36.3%増)

概況:『ウマ娘 プリティーダービー』英語版が大ヒットしたことをその要因としてあげた。同社グループの海外売上高は131億円と前年同期に比べて3.5倍と急激に伸びた。国内では『ウマ娘 プリティーダービー』や『グランブルーファンタジー』『プリンセスコネクト!Re:Dive』など既存タイトルで実施した周年イベントも収益貢献したとのこと。

 

 

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株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1477億円、営業利益186億9400万円、税引前利益257億6400万円、最終利益190億4800万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
企業データを見る
株式会社MIXI
https://mixi.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社MIXI
設立
1997年11月
代表者
代表取締役社長 上級執行役員 CEO 木村 弘毅
決算期
3月
直近業績
売上高1713億6900万円、営業利益222億5600万円、経常利益247億円、最終利益172億7000万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2121
企業データを見る
グリーホールディングス株式会社
https://hd.gree.net/

会社情報

会社名
グリーホールディングス株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 最高経営責任者 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高571億1100万円、営業利益48億6000万円、経常利益37億6000万円、最終利益11億9400万円(2025年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
企業データを見る
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
https://www.gungho.co.jp/

会社情報

会社名
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
設立
1998年7月
代表者
代表取締役社長CEO 坂井 一也
決算期
12月
直近業績
売上高932億4200万円、営業利益50億5600万円、経常利益67億8000万円、最終利益14億700万円(2025年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3765
企業データを見る
株式会社アエリア
https://www.aeria.jp/

会社情報

会社名
株式会社アエリア
設立
2002年10月
代表者
代表取締役会長 長嶋 貴之/代表取締役社長 小林 祐介
決算期
12月
直近業績
売上高164億7200万円、営業利益6億6700万円、経常利益5億4100万円、最終利益3億5200万円(2025年12月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
3758
企業データを見る
株式会社サイバーエージェント
https://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役会長 藤田 晋/代表取締役社長 山内 隆裕
決算期
9月
直近業績
売上高8740億3000万円、営業利益717億0200万円、経常利益717億4300万円、最終利益316億6700万円(2025年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
企業データを見る
KLab株式会社
https://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 真田 哲弥
決算期
12月
直近業績
売上高68億5600万円、営業損益13億400万円の赤字、経常損益14億2100万円の赤字、最終損益41億7600万円の赤字(2025年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
企業データを見る
株式会社アカツキ
https://aktsk.jp/

会社情報

会社名
株式会社アカツキ
設立
2010年6月
代表者
代表取締役CEO 香田 哲朗
決算期
3月
直近業績
売上高258億5600万円、営業利益74億4400万円、経常利益76億1800万円、最終利益56億5200万円(2026年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3932
企業データを見る
株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 上席執行役員 CEO 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高259億3300万円、営業利益10億200万円、経常利益18億500万円、最終損益3億600万円の赤字(2025年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
企業データを見る
株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
https://boi.jp/

会社情報

会社名
株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
設立
2006年1月
代表者
代表取締役社長 樋口 智裕
決算期
9月
直近業績
売上高123億6600万円、営業利益21億5400万円、経常利益21億8500万円、最終利益13億5100万円(2025年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4393
企業データを見る
株式会社マイネット
https://www.mynet.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社マイネット
設立
2006年7月
代表者
代表取締役社長CEO 岩城 農
決算期
12月
直近業績
売上高74億7800万円、営業利益3億7400万円、経常利益3億800万円、最終利益2億2800万円(2025年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3928
企業データを見る
株式会社ドリコム
https://drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高175億4700万円、営業利益4億800万円、経常利益3億1800万円、最終利益2億1300万円(2026年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
企業データを見る