【決算レポ】アカツキ、撤退タイトルと新作開発費で第3四半期は15億円の営業赤字を計上 『ドッカンバトル』"周年"の仕込みも 非ゲームが黒字化と好材料も
アカツキ<3932>の2025年3月期 第3四半期(24年10月~12月)の連結決算は、売上高36億7800万円(前年同期比30.2%減)、営業損失15億7100万円(前年同期は4億1900万円の損失計上)、経常損失6億9400万円(同4億5300万円の損失計上)、最終損失6億7300万円(同4億3900万円の損失計上)と大幅な減収・赤字幅拡大となった。
・売上高:36億7800万円(同30.2%減)
・営業損失:15億7100万円(同4億1900万円の損失計上)
・経常損失:6億9400万円(同4億5300万円の損失計上)
・最終損失:6億7300万円(同4億3900万円の損失計上)
■タイトル撤退による減収と新作開発費が響く
大幅な減収となったが、撤退タイトルの影響が主な要因としている。コーエーテクモゲームスと共同で運営していた『レスレリアーナのアトリエ』から8月末に撤退するとともに、自社タイトル『八月のシンデレラナイン』のサービスも10月17日に終了する旨のアナウンスを行った(12月17日に終了)。
同社の第3四半期は例年「谷」にあたる時期だ。主力タイトル『ドラゴンボール Z ドッカンバトル』が第2四半期と第4四半期に周年イベントを行うため、売上と利益がそこに集中する。第1四半期と第3四半期は周年に向けた仕込みの時期となる。とりわけ今年は10周年であるため、より仕込みを入念に行ったことも響いたという。
利益面では、大幅な減収となったことに加え、新作ゲームの開発費が増えたことが響いた。『TRIBE NINE』と『怪獣8号 THE GAME(仮称)』の開発費が膨らんだ。同社は、新作ゲームの開発費は資産計上せず、費用としているという。新規タイトルの開発費は17億円を超えた。
なお、第4四半期の状況だが、『ドラゴンボール Z ドッカンバトル』は10周年の大型イベントを実施し、セールスランキングで1位を獲得するなど好調に推移しているという。新作『TRIBE NINE』は2月20日より配信を開始し、Steamのセールスランキングで上位に入った。ガチャの確率表記を巡るトラブルの報告もあり、引き続き注視したいところ。
このほか、現在も開発中の『怪獣8号 THE GAME(仮称)』については詳細な情報は出ていないが、2025年春より順次情報を公開していく予定だ。ここまで開発については順調に進捗しているとのことだ。
■非ゲーム事業の黒字定着
主力のゲーム事業で新作への開発投資を行う一方、投資先行が続いていたコミック事業も2四半期連続の黒字を達成し、5100万円の営業黒字を計上した。「離婚後夜」のドラマ化が行われ、原作漫画の閲覧数が伸びたほか、オリジナル作品の外部プラットフォームでの販売も好調だったという。HykeComic アプリが立ち上げ期を過ぎ、運用の効率化が進んだ。
他方、IPソリューション事業も営業利益7400万円と前四半期に続いて黒字を達成した。オンラインくじが取り扱いIPの拡大に伴って本数が増えるとともに、購入者のアカウント開設も増えたという。
このほか、投資事業を含む「その他」では、主に投資有価証券の売却、為替の影響により、第3四半期では営業利益が11億3900万円改善して11億3700万円の黒字となった。
会社情報
- 会社名
- 株式会社アカツキ
- 設立
- 2010年6月
- 代表者
- 代表取締役CEO 香田 哲朗
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高239億7200万円、営業利益26億7600万円、経常利益28億3400万円、最終利益12億8800万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3932