CRI・ミドルウェア、ゲーム事業の海外展開を「AV1」対応、DICOドイツ」との代理店契約、「GDC 2025」登壇・展示の3つの施策で加速へ

CRI・ミドルウェア<3698>は、ゲーム事業の海外展開を3つの施策で加速させていくことを発表した。

新機能追加として、動画再生ミドルウェア「CRI Sofdec」が次世代コーデック「AV1」に対応する。また、欧米向けの販路拡大施策として、DICO Deutschland(以下「DICOドイツ」)と代理店契約を締結した。

さらに、2025年3月に米国サンフランシスコにて開催されたゲーム開発者向けの国際カンファレンス「Game Developers Conference(GDC) 2025」で登壇・展示を行い、世界に向けてゲーム制作に関する知見を発信、海外での認知度とプレゼンスの向上を推進した。

CRIは音と映像で世界中のコンテンツを豊かにするべく、「CRI Sofdec」を中心にミドルウェアブランド「CRIWARE」の海外展開を進めていく。

■CRI Sofdec×AV1で圧縮性能向上、待ち時間削減でユーザーの離脱防止に

2025年4月より、動画再生ミドルウェア「CRI Sofdec」が次世代コーデック「AV1」に対応する。「CRI Sofdec」は、ゲーム内での動画再生機能を提供するミドルウェア。高画質・高音質を保ちながらファイルサイズを圧縮するほか、マルチプラットフォームや複数のビデオ・音声コーデックにも対応している。ゲーム開発で必要な機能を取りそろえ、日本を中心に多数のタイトルに導入されている。

「AV1」は、インターネット上での動画配信のために開発されたオープンソースの動画圧縮コーデック。AV1形式の動画は、従来のコーデックよりファイルサイズを約3割削減でき、今後世界各国のゲーム開発で主流となると期待されている。

近年のスマートフォン向けゲームアプリでは、高精細なグラフィックの使用が増えたほか、コンテンツの追加アップデートを繰り返し行う「運営型タイトル」が主流となった。これによりアプリサイズが増大し、端末容量圧迫によるアプリの削除や新規インストールの断念が課題となっている。「CRI Sofdec」はゲーム内の動画を圧縮率に優れた「AV1」形式にすることで、アプリサイズとダウンロードの待ち時間を削減し、ユーザーの離脱防止とアプリの売り上げ拡大に貢献する。

■DICOドイツとの販売代理店契約により欧州・米国の市場開拓を加速

CRIは、DICOドイツと主に欧州・米国向けの販売代理店契約を締結した。DICOドイツは、日本のゲーム開発会社DICOの欧州支社。ゲーム開発のほか、世界中のゲーム会社に向けて開発支援・ローカライズ・品質保証・パブリッシング支援など多岐にわたるサービスを提供しており、グローバル市場で広く展開実績がある。今回の代理店契約締結により、DICOドイツの持つ幅広いネットワークに向けて「CRIWARE」の導入を進めていく。

▼DICO Deutschland GmbH CEO:Matias Sanchez Elsner氏コメント
「日本で確かな実績のあるCRIの音声・映像技術を世界のゲーム市場に拡大していく、その第一歩に関われることを大変光栄に思います。このパートナーシップにより、世界中のゲーム開発がまた一つレベルアップすることは間違いないでしょう」

■「GDC 2025」での登壇とブース展示で世界のゲーム開発者とのコネクションを強化

CRIは、ミドルウェア製品ブランド「CRIWARE」の海外展開に伴い認知度向上を進めていく。その一環として、2025年3月にサンフランシスコで開催された世界最大級のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference 2025」にて、同社フェローの増野宏之氏による登壇、および現地でのブース展示を行った。登壇では40年ゲームサウンドに携わった増野氏の知見を、展示ではCRIの持つ技術力を世界のゲーム開発者に向けて発信し、参加者からは「最近CRIWAREを試用したが、非常に開発効率が上がった。導入を前向きに検討している」「日本のゲームで活用されてきた動画再生・音声再生のノウハウをぜひ自社タイトルにも取り入れたい」などのコメントを得た。

■CRIWAREのグローバルスタンダード化で世界のアニメ・映画をゲームで活用

CRIは、グローバル市場での売り上げ拡大を目指し、2024年10月にグローバル事業開発室を新設した。2030年9月期には、同社ゲーム事業の海外売上比率を現在の約10%から50%に拡大し、売上高を約1.5億円から15億円とすることを目指す(※2024年9月期)。

世界的にも競合が少ない「CRI Sofdec」をグローバル進出の主軸とし、アニメ・映画などのメディアミックスを促進、ゲームへのキャラクター展開を後押しすることで、世界のコンテンツの価値向上に貢献する。

CRIは、世界中の様々な端末での音声・映像再生を自社の技術で支え、あらゆるユーザーへ快適な体験を提供することを目指している。今後も、誰もが不自由なくコンテンツを楽しめる世界を実現するべく「音と映像」を通じて社会に貢献していく。

株式会社CRI・ミドルウェア
http://www.cri-mw.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社CRI・ミドルウェア
設立
2001年8月
代表者
代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
決算期
9月
直近業績
売上高31億6700万円、営業利益3億6800万円、経常利益3億8300万円、最終利益3億400万円(2024年9月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3698
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