KLab、プライム市場の上場維持基準の適合に向けた計画の進捗状況を発表…流通株式時価総額が不適合 企業価値の向上を図って株価上昇を目指す

  • KLab<3656>は、3月28日、2024年3月29日に策定したプライム市場における上場維持基準の適合に向けた計画の進捗状況を発表、流通株式時価総額が2024年12月末時点て69億9000万円と上場維持基準(100億円)に適合していないことを明らかにした。

    こうした状況に対し、同社は流通株式時価総額は株価および流通株式数を用いて算出するが、同社における流通株式比率は既に高い水準にあることから、流通株式時価総額の上昇には、株価の上昇が必要となる。よって、上場維持基準への適合に向けては、以下にあげる取組を通じて企業価値の向上を図り、株価を上げていくことを基本方針とするという。

    ①ヒット作創出による業績の回復及び中期経営計画
    同社グループは、現在、既存タイトルの安定運用による収益基盤の確保に加え、新規の大型タイトル3本をリリースすることで、確実な業績の回復および中期経営計画(2023年2月13日公表)の目標として、2025年以降での売上高400億円、営業利益100億円の達成を目指している。

    1本目のElectronic Arts(EA)との共同事業であるサッカーシミュレーションゲーム『EA SPORTS FC TACTICAL』は、世界トップクラスのゲーム企業であるEAとKLabのスポーツシミュレーションゲームのエンジンを活用したタイトルであり、両社のシナジーを発揮した、過去最大級の収益のアップサイドが狙えるプロジェクトとなっている。

    2024年5月に香港、マカオ、台湾、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアの地域限定でローンチ後、正式リリース後の垂直立ち上げを狙うべく、KPIの確認および向上のための開発および運営の確認を慎重に進めてきたが、2024年12月に大型アップデートを実施した後は、KPI水準が向上したことから、現在EAと次のステップについての協議を行っている最中だという。

    2本目の共同事業先の大手ゲーム企業と取り組んでいるプロジェクト(タイトル未発表)については、日本を代表する有名なIPを用いており、非常に期待が持てるゲームと考えているという。こちらについては、できるだけ早い段階で詳細を発表できるように調整を進めていく。

    3本目のTVアニメ「僕のヒーローアカデミア」シリーズのゲーム開発についても、鋭意開発に取り組んでいる。同IPについても、TVアニメ化のほか、アニメ映画化もされており、世界中で高い人気を誇る作品であることから、収益のポテンシャルを期待している。

    中期経営計画の達成においては、これら大型タイトル3本を確実にヒットに繋げていくことが非常に重要となるが、同社グループはさらに、タイトルポートフォリオの見直しを検討する中で、同社グループがこれまでメインで開発してきた従来型のモバイルオンラインゲームと比べ、短期間かつ低コストでの開発が可能なカジュアルゲームについても複数本取り組みを進めている。

    中でも、ハイブリッドカジュアルゲームは、広告視聴を主なマネタイズとする従来のカジュアルゲームにアイテム課金の仕組みや運営要素が加わったもので、同社が培ってきた強みが活かせる領域であり、これまでよりもローリスクで大きく収益を伸ばす余地があると考えているという。

    以上の取り組みを通じて、業績を回復させるとともに、同社グループの持続的な成長への道筋を理解できる明確な成果を示すことで、企業価値の向上に努めていく。

    ②IR活動の充実
    2024年においては、機関投資家やアナリストとの対話の機会の拡大および個人投資家向け説明会の実施などを行い、新規投資家の獲得に向けた対話の機会の充実を図ってきた。今後も、下記を中心にIR業務全般の強化を通じた同社の事業理解の促進に継続して努め、企業価値向上に資するIR活動を行っていく。

    ・決算説明資料、ESG情報などの非財務情報等の開示の充実
    ・機関投資家との取材を含む対話の質の向上
    ・英語開示のさらなる充実
    ・個人投資家向けの説明資料の作成や説明会の実施等

KLab株式会社
http://www.klab.com/jp/

会社情報

会社名
KLab株式会社
設立
2000年8月
代表者
代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
決算期
12月
直近業績
売上高83億600万円、営業損益13億4200万円の赤字、経常損益12億8000万円の赤字、最終損益27億8200万円の赤字(2024年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3656
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