トーセ<4728>がこの日(10月7日)発表した決算短信で、家庭用ゲーム市場やモバイルゲーム市場、SNS業界の動向を以下のようにまとめている。あくまで投資家向けの会社業績を伝えるための資料のひとつなのだが、何かの参考にはなるかと思う。
■家庭用ゲーム業界
・2月26日に「ニンテンドー3DS」が発売され、次世代携帯型エンタテインメントシステム「プレイステーション・ヴィータ」、Wiiの後継機「Wii U」の発売が発表されるなど次世代ゲーム機器への移行が鮮明となった。
・ニンテンドー3DSにおいては、東日本大震災の影響により、発売直後の重要な時期に十分なプロモーション活動ができないうえ、ユーザーの消費活動や娯楽に対する自粛ムードも重なったことから、ニンテンドー3DS発売の市場へのインパクトは薄いだ。
・しかし、ニンテンドー3DSが大幅に値下げされ、ニンテンドー3DSやプレイステーション・ヴィータなどの新型ハードを牽引することのできる大型タイトルの年末商戦での発売が発表されるなど、今後の市場の盛り上がりに期待が高まりつつある。
■モバイル・インターネット業界
・iPhoneやiPadの販売が好調である中、Android搭載のスマートフォンやタブレット型端末が各携帯電話会社より発売され、スマートフォン・タブレット型端末市場はさらに拡大した。
・しかし、Android向けコンテンツ市場はマーケットをけん引することのできるストアが存在しておらず、ストアが乱立している。比較的簡単で、かつ無料や安価なコンテンツが市場の大半を占めている。
・そのため、コンテンツ制作会社にとっては安定収益を確保できるビジネスモデルを確立することが課題となっている。
■SNS業界
・SNSにおいては、各ゲームメーカーが過去の家庭用ゲームの有名タイトルの移植版や、新作SNS向けコンテンツを発表し、それらがランキングの上位に食い込むなど、カジュアルゲームが多くを占めていた市場に変化の兆しが見られた。
・ゲームメーカーとSNS大手企業が共同出資で会社を立ち上げるなど、ゲーム業界において、ソーシャルゲームはより一層存在感を増してきた。
会社情報
- 会社名
- 株式会社トーセ
- 設立
- 1979年11月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
- 決算期
- 8月
- 直近業績
- 売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 4728