日本BS放送、第3四半期決算は売上高3.5%減の87億円、営業利益0.8%減の15億円と減収減益…「アニメのBS11」の認知拡大のための取組強化
日本BS放送<9414>は、7月10日、2025年8月期 第3四半期累計の連結決算を発表し、売上高87億4700万円(前年同期比3.5%減)、営業利益15億4400万円(同0.8%減)、経常利益15億6700万円(同0.4%減)、最終利益10億6200万円(同1.3%減)だった。
・売上高:87億4700万円(同3.5%減)
・営業利益:15億4400万円(同0.8%減)
・経常利益:15億6700万円(同0.4%減)
・最終利益:10億6200万円(同1.3%減)
同社では、前期に放送した大型スポーツ特番の反動減で減収に加え、アニメ製作委員会からの出資配当収入も反動減があった、としている。番組制作費や広告宣伝費などの効率化を行ったが、減収の影響はカバーできなかった。
なお、「アニメのBS11」として認知を拡大するため、アニメへの取り組みも強化しており、アニメ関連番組40タイトルの放送やイベントへの出展、製作委員会への参画などを行ったとのこと。
■放送事業収入
第3四半期累計の放送事業収入は、76億0200万円(前年同期比3.1%減少)となった。タイム収入は、競馬中継等の公営競技が好調に推移したほか、ショッピングも引き続き堅調となったが、前期放送の大型スポーツ特番の反動減等の影響が大きく、前年同期比減収となった。スポット収入は、日中帯を中心としたドラマコンテンツの編成戦略の強化により回復の兆しは見られたものの、前年同期比減収となった。
番組施策では、4月の番組改編で、俳優の黒谷友香さんが理想のお庭を作る本格園芸番組『黒谷友香、お庭つくります』を新たにレギュラー番組として放送開始し、放送終了後の見逃し配信と合わせて多くの視聴者から好評を得ている。また、BS視聴者層に人気の高いドラマコンテンツの拡充・強化を行い、中国時代劇『後宮の涙』や韓流ドラマ『チャンファとホンリョン~裏切りと復讐の女たち~』、国内ドラマ『愛の嵐』等、様々なジャンルのコンテンツを編成した。なかでも、今年没後30年を迎えるアジアの歌姫テレサ・テンの生涯を描いた日本初放送の中国ドラマ『テレサ・テン 歌姫を愛した人々』は、話題性の高いコンテンツとして好評を得ている。
このほか、「ANIME+」枠では、『Summer Pockets』『忍者と殺し屋のふたりぐらし』『日々は過ぎれど飯うまし』など、第3四半期も引き続き、製作委員会参画作品を含むアニメ関連番組を約40タイトル放送した。また、4月には、四国最大級のアニメの祭典「高知アニクリ祭2025」に初出展する等、「アニメのBS11」として認知を拡大するため、放送領域に留まらない多角的な施策も積極的に展開した。
■その他事業収入
その他事業収入は、11億4400万円(前年同期比6.1%減少)となった。前年好調だったアニメ製作委員会からの出資配当収入に反動減が見られたが、配信事業では、配信コンテンツのラインアップ強化や会員プランの拡充等により、同社独自のオリジナルオンデマンドサイトBS11+やTVer等を中心とした各配信サイトにおける配信事業収入が好調に推移した。このほか、イベント事業では、今回で5回目の開催となったコンサート「貴公子たちの音楽会vol.5」や、テレサ・テン没後30年の節目に合わせて開催したメモリアルコンサート「テレサ・テン、あなたに逢いたい 没後30年メモリアル・チャリティコンサート」等、一層の業容拡大に向け、様々な放送外事業の施策に取り組んだ。
■費用
原価部門では、4月放送開始の新規レギュラー番組、ドラマコンテンツの購入、イベントや配信コンテンツの強化を図り、積極的にコスト投下を行ったものの、前年のレギュラー番組等にかかる費用の反動減や、2023年4月に実施した同社スタジオ設備更新にかかる減価償却費の負担軽減の影響もあり、費用減となった。また、販管部門では、番組認知拡大に向け、BS視聴者層に親和性の高い新聞広告への出稿を積極的に実施した一方で、宣伝施策全体におけるコスト効率を意識したことにより、広告宣伝費を中心に費用減となった。
■2026年8月期の見通し
2026年8月期の業績は、売上高123億1400万円(前期比0.6%増)、営業利益20億0400万円(同3.8%減)、経常利益20億3200万円(同3.1%減)、最終利益14億0700万円(同3.3%減)、EPS78.97円を見込む。株価収益率は11.6倍となる。
・売上高:123億1400万円(同0.6%増)
・営業利益:20億0400万円(同3.8%減)
・経常利益:20億3200万円(同3.1%減)
・最終利益:14億0700万円(同3.3%減)
・EPS:78.97円
【通期計画に対する進捗率】
・売上高:71.0%
・営業利益:77.0%
・経常利益:77.1%
・最終利益:75.5%
会社情報
- 会社名
- 日本BS放送株式会社(BS11)
- 設立
- 1999年8月
- 代表者
- 代表取締役会長 齋藤 知久/代表取締役社長 近藤 和行
- 決算期
- 8月
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 9414