トーセ、新規開発受注ではスマホゲームよりも家庭用ゲームソフトを優先…昨今のスマホゲーム市場の競争激化で

ゲームソフト受託開発大手のトーセ<4728>は、この日(7月10日)、第3四半期の決算説明資料で、スマートフォンゲームの新規開発の受注よりも家庭用ゲームソフトの受注を優先していることを明らかにした。その理由について、スマートフォンゲーム市場は競争が激しい状況が継続しているため、としている。

スマホゲームに限らず、オンラインゲームの受託開発は、初期の開発だけでなく、リリース後のアップデートやイベントなど運営業務に関連する売上高も計上されるため、ディベロッパーにとっては「ひと粒で二度美味しいビジネス」(中堅証券の引受担当)だった。

これは一般論だが、運営に関連する売上は大きく定額の委託料に加えて、売り上げに応じたインセンティブ、大きな追加開発がある場合には追加開発費などを受け取ることができるが、競争が激化して運営が低迷している場合、追加で入る売上が期待通りに入ってこない可能性がある、ということだろう。

※これは余談だが、ゲームの受託開発の契約書を見たことのある人は当サイトの読者にもいるかも知れないが、不思議なことに契約書の中にインセンティブに相当するものを「ロイヤリティ」と記載しているものが結構あった。記者がディベロッパーに勤務していた時、権利を持っていないのになぜロイヤリティが発注元から払われるのか不思議に思っていたが、業界慣習的にそう呼んでいるようだった。

 

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高66億3600万円、営業利益6億8900万円、経常利益6億7700万円、最終利益2億5000万円(2025年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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