アマチュアゲームクリエイターの才能を発掘・育成するプロジェクト「神ゲー創造主エボリューション」三次審査会の模様をレポートーファイナリスト作品はTGS2025でも展示

 

 アマチュアゲームクリエイターの才能を発掘・育成するプロジェクト「神ゲー創造主エボリューション」。

本プロジェクトは、アマチュアゲームクリエイターを発掘し、未来のヒット作を生む土壌を育てようというプロジェクトである。

2024年より日本ゲーム大賞「アマチュア部門」と「U18枠」を継承した新コンテスト「ゲームプライズオブジャパン」を開催しており、評価基準も「革新性」という、経験や世代も関係なく、クリエイターの可能性に注目したコンテストとなっている。

今回、gamebizでは三次審査会の模様を取材。三次審査会の様子を交えて、「神ゲー創造主エボリューション」を紹介していく。

「神ゲー創造主エボリューション」とは

「神ゲー創造主エボリューション」(以下、神エボ)とは、NHKエンタープライズが主催となり手がける、ゲームクリエイターを発掘し、育て、共に新しい時代を切り拓いていくためのプロジェクトである。“コンテスト”、”番組放送”、そして“オンラインコミュニティ”の3つの軸で、たくさんの人を夢中にさせ、魅了するゲームクリエイターを発掘・育成していこうという試みとなっている。

その中のコンテスト「ゲームプライズオブジャパン」については、他のゲームコンテストと比べ、ゲームの「革新性」を高く評価することを重視しており、U18枠もあるが、年齢や経験に関係なく参加、評価されるようになっている。実際に、学生のほか、社会人として働きながら開発を進めている40代50代のクリエイターも参加しているそうだ。

▼革新的なゲームを生み出すためには「①革新的なアイデア」と「②アイデアを形にする制作力」の両方が必要だとしている。(公式サイトより)

コンテストは、今年度は3月より受け付けており、そこから一次審査〜三次審査を経て、年末年始に行われる決勝大会にて大賞が選ばれる流れだ。

単なるコンテストにとどまらず、応募作品を評価しながらも、開発支援やフィードバックを通して成長を促す「育成型」の取り組みが特徴だ。

 一次審査から決勝大会までのステップの中で、通過者はプロの審査員から直接アドバイスを受けることができる。さらに、BitSummitや東京ゲームショウといった大型イベントへの出展機会も用意されており、実際にプレイヤーに触れてもらう場を提供する点も大きな魅力だ。

▼特別審査員の一同。(公式サイトより)今でも前線で活躍するクリエイターも参加している。

 

「継続的な育成支援」にある。多くのコンテストでは受賞したら終わりというケースが多いが、神エボは審査を通じて得られるフィードバックや改善の機会を重視。そのため、クリエイターにとっては完成度を高めながら市場に挑むチャンスが広がっていく。

スケジュールは、春の応募開始から、BitSummitでの展示を経て審査会、秋の東京ゲームショウ出展、そして冬の決勝大会続いていく。この長期的な流れを通じて、「革新的なアイデア」と「アイデアを形にする制作力」を成長させる仕組みが整えられている。各ステップにおいて提供される機会は、制作者にとって実践的かつ具体的な学びにつながっている。

また、他のゲームコンテストとの違いは、神エボは「審査」と「展示」の両輪を備えている点も注目すべきだ。開発途中の段階でも実際に展示を行い、プレイヤーや審査員からの意見を直接受けられる。これにより、制作者は自らの作品を改良するチャンスを得ると同時に、開発者としての視野を広げることができる。

 

9月現在では、三次審査会まで進んでおり、決勝大会に進むファイナリストも決定された。本稿では、三次審査会の様子も紹介していく。

三次審査会の様子─新宿コクーンタワーでの展示と審査

三次審査会は新宿コクーンタワーにて行われた。会場には応募作品の完成度・試作品が並び、会場では参加者のほか、メンターとしてサポートに入っているゲーム会社のクリエイターたちが実際にゲームを試遊できる形式で展示されていた。

▼作品はコントローラーでPCディスプレイ上で遊べるものから、自作の筐体のもの、ベッドも用意して添い寝を楽しめる作品など、個性あふれる作品が展示されていた。

 

審査員のほか、参加者やメンターからの反応も開発者にとって貴重な財産となった。「操作感が良い」「もう少しテンポが速い方が遊びやすい」など、率直な意見が多く寄せられており、クリエイターたちはその一つ一つを真剣に受け止めていた。

▼参加者間のほか、メンターとして参加しているクリエイターも試遊を行い、直接フィードバックも行われていた。

審査会には特別審査員も来場し、実際に作品を体験しながら評価を行った。ゲーム性だけでなく、UX/UIの使いやすさ、継続性、難易度調整、オリジナリティといった視点で多角的に審査された。

審査のあと、会場に集められた参加者にファイナリスト進出の発表が行われた。

参加者の名前が挙げられると、喜ぶチームのほか、選出が漏れ悔しがる参加者など一喜一憂の場面があった。

実行委員長である斎藤直宏氏からは、「この場に参加できるだけでも、(数多くの作品から残ってきたので)皆さんには誇ってほしい。選出されなかった人も作品を今後も是非ブラッシュアップしてもらいたいし、ファイナリストになった方々は残り短い期間でもできる限り作品を良いものにしてもらいたい。」と激励の声がかけられ、三次審査会の幕は閉じた。

通過者には、特別審査員からのフィードバックが直接与えられ、「システムはユニークだがUIが複雑すぎるので、直感的に遊べる工夫が必要」「遊び手がクリア後の達成感をより一層感じられるような仕組みや演出を盛り込んだ方が良い」など、実践的で具体的なアドバイスが相次いだ。

▼フィードバック会の模様。特別審査員から熱意を持った鋭い指摘やアドバイスが行われていた。

 

 

東京ゲームショウでも出展

審査を通過した作品は、東京ゲームショウ2025で展示されていた。実際に多くのプレイヤーに触れてもらうことで、作品の完成度をさらに高める貴重な機会となった。TGSの来場者にとっても、新しい才能に出会う絶好の機会となっただろう。

ファイナリストは公式HPにて発表されている。

「神ゲー創造主エボリューション」公式HP

「神ゲー創造主エボリューション」は、単なるコンテストではなく、未来のクリエイターを支える育成プログラムである。第三回審査会を経て、選ばれた作品たちは、決勝大会とに臨む。

▼ファイナリストの面々。ライバルながらも、ゲームというエンターテインメントコンテンツを切磋琢磨する仲間ともいえる。

 そこから新たなヒットタイトルや才能が生まれるかもしれない。次世代を担うクリエイターたちの挑戦を今後も気になる人はチェックしておこう。