【TGS2025】『DUSK INDEX: GION』──Cherrymochiが描く“京都×サスペンス”の新境地。豪華声優陣と重厚な世界観が魅せる新作ビジュアルノベルを試遊レポート

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、9月25~28日までの期間、千葉県・幕張メッセにて「東京ゲームショウ2025(TGS2025)」を開催している。ブシロードゲームズから発売予定の新作ビジュアルノベル『DUSK INDEX: GION』は、Nintendo Switch/PlayStation5/Xbox/Steam向けに2026年1月29日発売予定であり、会場内のKONAMIブースに設けられた試遊台では、メインキャラクター4名の序盤パートを体験できた。本稿では、その模様をレポートしていく。
本作は、京都・祇園を舞台にしたサスペンスドラマであり、現代と明治が交錯する独特の世界観を持つ。
本作の原作・シナリオを手がけるのはCherrymochi。『TOKYO DARK』で名を馳せたスタジオだ。『TOKYO DARK』はダークな都市伝説や社会的テーマを取り入れ、選択肢の積み重ねで主人公の精神状態や物語が分岐する独自の仕組みで高い評価を獲得。海外でも根強いファンを抱えており、「日本発のインディーADVを世界に広めた作品」とも評される。
今回の『DUSK INDEX: GION』は、そのCherrymochiがブシロードゲームズとタッグを組み、実現した作品だ。彼の持ち味である緻密なサスペンス描写が、祇園という舞台にどう融合するのかが最大の注目点となる。
現代と明治時代が交錯する物語構造
試遊では、主要キャラクター4名の序盤パートを体験できる。

▼左から勝木大樹/クイン理音/長浜正義/咲
いずれも異なる立場と動機を持つキャラクターであり、短時間のプレイでもそれぞれが独自の切り口で謎に迫ることが伝わってきた。物語は一つの軸として進めていくが、キャラクターの目線ごとに印象が変わるのが本作の大きな醍醐味だ。

プレイヤーは複数のキャラクター視点を通じて、事件の真相と都市に隠された秘密を解き明かしていく。
特筆すべきは、メインキャラがフルボイスで描かれるストーリー展開だ。メインキャラのひとりである勝木大樹役を阿座上洋平さん、クイン理音役を天麻ゆうきさんが演じるほか、豪華声優陣が多数参加している。声優たちの演技によって緊張感のあるサスペンス要素がよりリアルに感じられ、シーンごとの心理的な緊迫感が一層高められていた。
また、『DUSK INDEX: GION』の最大の特徴のひとつが、現代と明治という二つの時代を横断する構造だ。

ある場面では現代京都を歩き、別の場面では明治時代の京都を舞台に行動する──こうした多視点の積み重ねによって、謎の事件の全容が多層的に描かれていく。試遊版では冒頭のみ体験できたが、異なる時代を跨ぐごとに「文化・価値観・人間関係」のズレが物語に緊張感を与えており、物語を進めていくにつれて全貌が見えるような作り込みを予感させた。

プレイして感じられたのは「サスペンスと人間ドラマの融合」が強く意識されている点だ。キャラクター同士の関係性や心情が丁寧に描かれており、会話のひとつひとつがプレイヤーの推理を揺さぶる。体験版の短時間でも「この先、この人物はどうなるのか」「このセリフや描写は別のキャラクターとリンクしているのか?」という推測がプレイヤーの頭の中でも浮かび上がるのが印象的であった。

グローバル市場を意識した次世代ビジュアルノベル
『DUSK INDEX: GION』は、日本の伝統文化を舞台にしつつも、海外ユーザーにも訴求できる「グローバルに通じるビジュアルノベル」として設計されているように感じられた。

東京ゲームショウでの試遊は、発売前にいち早くその世界観を味わえる絶好の機会だ。サスペンス×京都という異色の題材に惹かれる人はもちろん、ビジュアルノベルというジャンルの進化を体感したい人はブースに来てみよう。
本作は既に予約受付が開始されており、対応プラットフォームはNintendo Switch、PlayStation5、Xbox、Steamの4機種。発売日は2026年1月29日(木)に予定されている。気になる人は予約情報やウィッシュリストでチェックしておこう。
©DUSK INDEX: GION
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高561億7500万円、営業利益48億6800万円、経常利益48億4400万円、最終利益34億1800万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803