【決算レポ】松竹、8月中間決算は映画・演劇事業好調で営業益494%増の42億円と大幅増益 うたプリやSnow Manなど貢献 歌舞伎や刀剣乱舞も活躍

松竹<9601>は、10月15日、2026年2月期 8月中間期の決算とともに、決算説明資料を公開した。この期間の売上高は前年同期比25.4%増の496億2900万円、営業利益は494.3%増の42億4900万円と大幅な増益を達成した。経常利益は43億6400万円(前年同期は31億4800万円の赤字)、最終利益は41億2000万円(同6億8100万円の赤字)となり、大幅な黒字転換となった。

セグメント別の状況では、映像関連事業の売上高が279億9600万円(同35.4%増)、営業利益が25億7600万円(同488.1%増)と好調だ。これは、劇場運営における大ヒット作の多さや売店部門の強化、映画配給における「Snow Man 1st Stadium Live Snow World 映画館生中継!!」や「劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX」、「事故物件ゾク恐い間取り」などのヒット作品が貢献したため。また、映像版権許諾では「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師」の独占配信が話題となった。

演劇事業も好調で、売上高は129億100万円(同17.8%増)、営業利益は4億8900万円(前年同期は9億2300万円の赤字)と増収・黒字転換を達成した。歌舞伎座での襲名披露公演や「鬼平犯科帳」、「木挽町のあだ討ち」などの話題作の上演、新橋演舞場での「刀剣乱舞 東鑑雪魔縁」、大阪松竹座での「七月大歌舞伎」、南座での「浪人街」など、多様な公演が前期を上回る成績を収めた。

不動産事業の売上高は73億6200万円(同6.4%増)であったが、営業利益は28億5100万円(同6.0%減)と微減となった。高稼働率を維持し、歌舞伎座タワーや銀座松竹スクエアなどで賃料改定により売上が増加している。

その他事業の売上高は13億6800万円(同32.3%増)であり、営業利益は1300万円(同2億0900万円増)と回復した。「劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」などのプログラムやキャラクター商品販売、イベント、ゲーム事業が収益に貢献している。

あわせて、2026年2月通期の業績予想を上方修正しており、売上高970億円(前回予想比2.1%増)、営業利益43億円(同38.7%増)、経常利益45億円(同50.0%増)、最終利益40億円(同37.9%増)を見込む。これは、演劇事業の好調な歌舞伎公演と、映像関連事業における夏の映画興行が当初予想を上回ったことが主な理由。配当予想については、期初より変更なく、期末配当30円、合計30円となる見込みだ。

また、2026年2月期第3四半期以降の劇場公開作品として「ベートーヴェン捏造」、「メガロポリス」、「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」などを予定しているほか、テレビ作品としてアニメ「デブとラブと過ちと!」、実写ドラマ「無用庵隠居修行9」などを放送する予定だ。演劇事業では、歌舞伎座での「秀山祭九月大歌舞伎」や「錦秋十月大歌舞伎」、新橋演舞場での「ルパン三世」、南座での市川團十郎特別公演などが控えている。

その他、不動産事業では「kuguru」プロジェクトや東銀座エリアマネジメント活動、その他事業では朗読劇「成瀬は天下を取りにいく」や「ホラーにふれる展」などのイベント、ゲーム「BrokenLore: DON'T WATCH」、「リターン・フロム・コア」、「PRESERVE:自然の守護者」などを展開する予定。