ポールトゥウィンホールディングス<3657>は、この日(10月31日)、2026年1月期第2四半期決算発表後に投資家から寄せられた質問への回答を10月31日に公表した。この開示は、情報発信の強化と株主・投資家の理解を深めることを目的として、同社が自主的に公開したものだ。
【メディア・コンテンツ業務からの撤退の影響について(Q1)】
メディア・コンテンツ業務からの撤退は8月末に完了し、第2四半期にはHIKEの関係会社売却益8600万円、第3四半期にはアクアプラスの関係会社株式売却益4000万円を計上する見込み。Palabraは来期に国内ソリューションへ統合される予定。来期はメディア・コンテンツの剥落と海外ソリューションの大口案件一服により連結売上高の大幅な増加は見込みづらいが、収益性の改善に経営資源を再配分し、速やかな改善を目指す。国内ソリューションではTech分野への拡販と拠点の統廃合を進め、将来的にはNintendo Switch 2 の発売に伴う受注増も期待される。海外ソリューションはゲーム分野が中心で、音声収録が売上の約4割を占める。市場拡大の余地は大きいが、顧客の事業方針転換が活発で受注環境は流動的であるため、在外子会社のスリム化を進める方針。
【M&Aの方針について(Q2)】
ゲーム分野・Tech分野はグローバルな急成長分野であり、市場の成長を上回る非連続的な成長にはM&Aが重要だ。しかし、メディア・コンテンツ業務からの撤退を教訓に、新分野への展開は従来以上に慎重に取り組む。
【AI技術の発展が事業に与える影響について(Q3)】
AI技術の発展は業務品質の改善を加速させる。同社の主要事業であるゲームデバッグ・ソフトウェアテスト(QA)は、AIが苦手とする文脈やニュアンスの把握が必要な領域であり、今後もヒトと共存可能であると考えている。
【Razer社との提携について(Q4)】
8月にRazer社とのハイブリッド・プレイテストによるAI活用型デバッグソリューションを発表した。Razer Cortexを通じて優良な利用者を募り、プレイテストデータを収集し、同社グループ独自のAI解析とQAチームによる最終調整を提供する。これにより、高品質かつ大規模なプレイテストの結果を安価で提供可能にし、ゲーム開発のBPOパートナーとしての魅力向上と、さらなるBPO案件の受注拡大を目指す。
【生成AIによるソフトウェアテスト設計システムについて(Q5)】
10月に連結子会社(ポールトゥウィン)による生成AIを活用した全自動型E2Eテスト設計システムの開発・業務導入を発表した。これにより、ソフトウェア開発の短期化が進む中でボトルネックとなっているテスト計画設計を自動化し、品質保証のスピードと精度のトレードオフ解消を通じて、中長期的な競争優位性の向上に繋げることを期待している。
【株式の立会外分売について(Q6)】
10月21日に株式の立会外分売を発表し、10月29日に完了した。相続により同社株式を保有する一般株主からの売却意向を受け、株式の分布状況の改善及び流動性の向上を図る目的で実施したもの。
会社情報
- 会社名
- ポールトゥウィンホールディングス株式会社
- 設立
- 2009年2月
- 代表者
- 代表取締役会長 橘 民義/代表取締役社長 橘 鉄平
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高522億2500万円、営業利益7億8600万円、経常利益7億5600万円、最終損益6億9200万円の赤字(2025年1月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3657