GENDA<9166>は、この日(11月27日)、2025年11月の投資家からの主な質問とその回答を開示した。ロックアップ解除後の需給懸念への対応、投資家からの要望に応じた既存店売上高成長率の開示再開の理由、自社株買いに必要な資金確保の状況、MSCIの誤った記載の修正依頼の進捗、そして社債発行の目的などを説明するものとなっている。
■ロックアップ解除に伴う需給悪化について
2025年11月25日に公募増資のロックアップ期間が終了したことに伴い、大株主の売却が可能となった。元代表取締役社長で現取締役である申真衣氏の残り持分売却の可能性について、機関・個人問わず多数の投資家から問い合わせがある。
申氏個人の株式保有方針への言及はできないが、申氏は現職の取締役であり、継続的なM&Aを行う企業特性上、重要情報を保有する機会が多く、市場での株式売却には相応の実務的制約が伴い容易ではない。もし申氏が株式の処分を検討する局面が生じたとしても、株主価値への影響を最小化できるよう、可能な限り適切な手当てを講じる方針。
■月次売上進捗レポートにおける国内アミューズメント施設の既存店売上高成長率掲載再開について
M&Aによる非連続な成長を目指す中、短期的な変動よりも長期的なM&A戦略の成果を評価してもらうことが重要であるとして、既存店売上高成長率の開示を取りやめていた。しかし、多くの投資家やアナリストから既存事業の底堅さを把握するためデータ開示を求める強い要望があり、社内での慎重な検討を経て、当該指標の開示を改めて実施する方針とした。資本市場からの声に真摯に向き合い、必要に応じて経営方針を柔軟に転換することは上場企業として最も重要なことの一つである。
■自社株買いの資金確保について
自社株買いの実施に必要な資金は十分に確保している。ストックの観点では、足元約250億円の現預金残高を有しており、一部の運転資金を考慮しても十分な水準を維持している。また、国内グループ会社全体でCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、全体の資金効率化を徹底している。
フローの観点では、年間キャッシュインに凡そ相当するEBITDAは来期270億円を計画しており、基本的に毎年発生することが想定される。また、フリーキャッシュフロー(FCF)黒字化の方針転換により、過去対比でキャッシュフローは大きく増加する見込みである。
■MSCIのアミューズメントポーカーに関する修正依頼の進捗について
『アミューズメントポーカー』の売上高(年間約2億円÷2025年1月期売上高1,117億円 = 約0.1%)を正式に対外公表した2025年10月31日の「よくある質問と回答」の開示を以て、同日にMSCIに正式に修正依頼の連絡をした。
現時点でも依然として5〜9.9%という誤った情報が記載されている状況のため、継続して可及的速やかな修正を依頼している。この誤った記載によって、投資規約上の制約により、本来当社株式の購入を検討していた一部の機関投資家が買付けを行うことが困難な状況となっている。
■社債発行の目的について
社債を発行する目的は、銀行からの借入が困難になったためではなく、資金調達手段の多様化を図ることにある。これまでM&A資金の調達に際しては、案件の情報管理と実行のスピードを優先するため、主要取引銀行に限定した「短期」借入を実施してきた。社債を機動的に活用することで、借入期限が到来する前の長転化/パーマネント化を実現している。
社債による調達コストは銀行借入と比較して相対的に高くなる傾向があるが、M&Aの期待リターンとの差や今までアクセスできなかった投資家層の開拓ができることを考慮すると許容されうると判断している。
社債を資金調達手段の一つとして活用し、銀行からの短期借入を早期に長転化/パーマネント化することで、適切なレバレッジを維持しながら、非連続な成長を継続することが可能な財務体制を構築していく。
会社情報
- 会社名
- 株式会社GENDA
- 設立
- 2018年5月
- 代表者
- 代表取締役会長 片岡 尚/代表取締役社長 申 真衣
- 決算期
- 1月
- 直近業績
- 売上高1117億8600万円、営業利益79億6500万円、経常利益73億0500万円、最終利益33億0400万円(2025年1月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 9166