サンリオとエイベックス、IP活用のグローバル展開をさらに加速させるための戦略的パートナーシップで基本合意 合弁会社はサンリオの完全子会社に

サンリオ<8136>とエイベックス<7860>は、IP活用のグローバル展開をさらに加速させるべく、戦略的パートナーシップに向けた基本合意したことを発表した。
この合意に伴い、サンリオと、エイベックスの100%子会社Avex Southeast Asiaが2020年に設立した合弁会社SANRIO SOUTH EAST ASIA(以下、SSEA)を発展的に解消し、エイベックスが保有するSSEA株式30%をサンリオに総額1070万USドル(約16億円)で譲渡する。
SSEAは、設立からの約5年間で東南アジア市場においてサンリオが保有するキャラクターのライセンスビジネスを飛躍的に拡大してきた。当初より5年の展開を見据えて設立した同社は、サンリオのキャラクターを東南アジア地域におけるライセンスビジネス市場にて高い認知と支持を得るブランドへと大きく成長させた。
この期間に売上高は大幅に伸長し、稼働を開始した2021年12月期から2025年12月期にかけ、日本円ベースで約10倍に達している。これは、SSEAが現地市場において着実にブランドプレゼンスとビジネス基盤を構築し、当初の想定を大きく上回るスピードで収益化を実現したことを示すものだ。こうした急成長は、サンリオのグローバルに通用するキャラクターブランド力と、エイベックスによる現地密着型の事業運営およびライセンスビジネスに関する専門性が、相互補完的に機能した結果といえる。
今回の株式譲渡は2025年12月末の取引完了を予定しており、2026年1月1日より、SSEAはサンリオの100%子会社として大塚泰之氏(サンリオ専務取締役)を代表取締役社長とする新たな体制へ移行する。なお、SSEAの従業員につきましては全員が現行の雇用を継続し、これまで通り事業運営に従事していく。
サンリオとエイベックスは次のステップとして、この度の合弁事業で築かれた信頼関係を礎に、互いの強みを最大限に活かし、今後は音楽・イベント・マーチャンダイジングなどさまざまな分野で、これまで以上に戦略的なパートナーシップを推進する。
本件を契機に、東南アジアのみならず、日本国内およびグローバル市場において、サンリオとエイベックスは、IPの創造・拡張・グローバル展開における価値創造のパートナーとして、新たな成長のステージに向かって共に歩んでいく方針だ。
<戦略的パートナーシップに向けた基本合意概要>
①音楽(ミュージックビデオ含む)制作分野
・サンリオIPを活用した原盤制作に関する積極的協働
・両社IPによるコラボレーション企画
②イベント分野
・サンリオによるエイベックス主催イベントへの協賛
・サンリオ音楽イベントにおけるコラボレーションの更なる促進
③マーチャンダイジング・販売流通
・共同での商品企画、製造、物流連携
・サンリオショップやエイベックスが運営するツリービレッジ等での共同販売
④人材交流・支援
・両社間での人材交流(相互出向等)
<各社からのコメント>
・株式会社サンリオ 代表取締役社長 辻󠄀 朋邦氏
「SSEAの立ち上げは、サンリオにとっても大きな挑戦でしたが、東南アジア市場においてエイベックスとともに事業を開拓し、ここまで成長できたことを誇りに思います。今回の株式譲渡は、両社の関係を終えるものではなく、より広い領域での連携強化に向けた第一歩です。今後もエイベックスとのパートナーシップのもと、世界中のお客様に笑顔を届けてまいります」
・エイベックス株式会社 代表取締役社長CEO 黒岩 克巳氏
「SSEAは、 “IPの力で世界と繋がる”というエイベックスのビジョンを体現した象徴的なプロジェクトです。サンリオとの協業を通じて、現地に根差した成功事例を築けたことを非常に意義深く受け止めています。今後もこのパートナーシップを深化させ、当社が推進するグローバルを見据えたIP展開を加速し、より大きな価値創出につなげてまいります」
・Avex Southeast Asia Pte. Ltd. 代表取締役社長 髙橋 俊太氏
「『ビジネスを10倍にする』という大きな挑戦に取り組み、サンリオIPの圧倒的な強さを信じて邁進してまいりました。サンリオをはじめ関係者の皆様から支援をいただきながら、チーム一丸となって実現することができたと感じております。今後もシンガポールにてSSEAのアドバイザーとして、サンリオキャラクターの魅力を届けられるよう、引き続き尽力してまいります」
会社情報
- 会社名
- エイベックス株式会社
- 設立
- 1988年4月
- 代表者
- 代表取締役会長 松浦 勝人/代表取締役社長CEO 黒岩 克巳/代表取締役CFO 林 真司
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1316億9100万円、営業損益18億1900万円の赤字、経常損益17億300万円の赤字、最終利益11億3800万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7860
会社情報
- 会社名
- 株式会社サンリオ
- 設立
- 1960年8月
- 代表者
- 代表取締役社長 辻 朋邦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1444億400万円、営業利益518億600万円、経常利益534億5300万円、最終利益417億3100万円(2025年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 8136