2025年のモバイルゲーム新作は20タイトルがストアランキングでトップ30入り 『ジージェネエターナル』が大ヒット 「ちいかわ」「怪獣8号」など新たなIPタイトルも

2025年も年末を迎えているが、振り返ってみると今年も多くのモバイルゲームがリリースされた。もちろんピーク時と比べると、いわゆる大作ゲームのリリースペースは落ち着いた印象となっているが、カジュアルゲームやハイパーカジュアルゲームの成長もあって、さらに多様化が進んだ1年だったと言えるだろう。
また、市場環境も大きな変化となるターニングポイントを迎えている。いわゆるスマホ法(スマホソフトウェア競争促進法)の公布により、これまで徐々に普及していたアプリ外決済のさらなる普及拡大や、外部ストアからのアプリインストールなどが広がっていく可能性も出てきている。
ただ、そうした状況はあってもApp StoreとGoogle Payという2大ストアの存在感はユーザーの安全性の担保という点で、引き続き大きなものとなっていくことが予想される。
さて、今回はそんなApp StoreとGoogle Payのストアセールスランキングのゲームカテゴリーで、2025年にトップ30入りを果たした新作タイトルに注目してみたい。なお、トップ30入りの基準はどちらかのランキングで入っていればOKとし、この1年の「gamebiz」サイト上で取り上げたランキング記事をベースに集計している。そのため、瞬間的にトップ30入りしたタイトルなどが反映されない可能性があるが、ご了承いただきたい。
手元の集計で2025年にトップ30入りを果たした新作タイトルは以下の20タイトルとなっている。6月までの上半期は7タイトル、下半期は13タイトルとやや下期偏重型だ。また、国内系パブリッシャーが13タイトル、海外系パブリッシャーが7タイトルと昨今の海外系タイトルの活況の中で、思ってた以上に国内系タイトルが健闘していた印象だ。
| リリース日 | タイトル名 | パブリッシャー |
| 2025/03/12 | WIND BREAKER 不良たちの英雄譚 | Aiming |
| 2025/03/27 | ちいかわぽけっと | アプリボット |
| 2025/03/27 | 魔法少女まどか☆マギカ Magia Exedra | アニプレックス |
| 2025/04/16 | SDガンダム ジージェネレーション エターナル | バンダイナムコエンターテインメント |
| 2025/06/17 | Shadowverse: Worlds Beyond | Cygames |
| 2025/06/26 | ペルソナ5: The Phantom X | セガ |
| 2025/06/26 | シルバー・アンド・ブラッド | Moonton |
| 2025/07/15 | 杖と剣の伝説 | BOLTRAY GAMES |
| 2025/07/22 | BRAVE FRONTIER LEGION | GrandSoft |
| 2025/07/23 | ポケモンフレンズ | ポケモン |
| 2025/08/31 | 怪獣8号 THE GAME | アカツキゲームス |
| 2025/09/18 | セブンナイツRe:BIRTH | ネットマーブル |
| 2025/09/25 | ジョジョの奇妙な冒険 オラオラオーバードライブ | gumi |
| 2025/10/01 | キングダム 覇道 | バンダイナムコエンターテインメント |
| 2025/10/09 | トリッカル・もちもちほっペ大作戦 | bilibili |
| 2025/10/20 | ステラソラ | Yostar |
| 2025/10/22 | カオスゼロナイトメア | スマイルゲート |
| 2025/10/24 | 百花ランブル | Efun |
| 2025/12/03 | FAIRY TAIL 魔導士クロニクル | GOODROID |
| 2025/12/19 | 信長の野望 真戦 | Qookka Games |
20タイトルの中で、2025年の新作の最大のヒットタイトルを選ぶとすれば、やはり『SDガンダム ジージェネレーション エターナル』だろう。本作は、ワールドワイドでのヒットを記録し、「Google Play ベスト オブ 2025」のベストゲーム2025部門で台湾、香港、マカオ、ストーリー部門で日本、韓国、インドネシア、フィリピン、マレーシア、シンガポール、タイの合計10地域で大賞を受賞した。
今年は「ガンダム」IP自体も大きく成長した1年となっており、その追い風にも乗った結果と言えるだろう。
IPという視点で言えば、特に国内系パブリッシャーのタイトルは、IPタイトルが大半を占める結果となっている。その中でも「ちいかわ」IPの『ちいかわぽけっと』や、「怪獣8号」IPの『怪獣8号 THE GAME』などが新たなIPゲームタイトルとして成功したことは注目されるポイントだ。
ゲーム発祥IPとしては『Shadowverse: Worlds Beyond』や『信長の野望 真戦』がヒットした。『シャドバWB』は、前作『Shadowverse』の後継作品となる対戦型デジタルカードゲームであり、そのヒットは『Shadowverse』が1つのIPとして成長した大きな一歩となった。
一方、『信長の野望 真戦』は、Qookka Gamesが『三國志 真戦』に続きコーエーテクモゲームスの歴史ゲームIPを活用した新作ゲームとなっている。こちらは12月18日にリリースされたばかりで、早くもトップ30圏内まで駆け上がってきた。前作『三國志 真戦』と同様のロングヒットタイトルとなっていくのか今後の動向が注目されるところだ。
2026年は、上記のスマホ法の影響もあり、App StoreとGoogle Payのストアセールスランキングが必ずしも市場のヒット動向とイコールではない状況が生まれるかもしれない。ただ、市場のトレンドを表すという点では引き続き大きな参考指標となっていくものと思われる。
「gamebiz」では、引き続き2026年も両ストアのランキング記事を定例的に掲載していく予定だ。なお、来年は1月5日からの掲載を予定している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンダイナムコエンターテインメント
- 設立
- 1955年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 宇田川 南欧
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高2896億5700万円、営業利益442億3600万円、経常利益489億5100万円、最終利益352億5600万円(2023年3月期)
会社情報
- 会社名
- 株式会社アプリボット
- 設立
- 2010年7月
- 代表者
- 代表取締役社長 浮田 光樹
- 決算期
- 9月
会社情報
- 会社名
- 株式会社Aiming
- 設立
- 2011年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 椎葉 忠志
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高170億8600万円、営業損益5億5200万円の赤字、経常損益1億5000万円の赤字、最終損益3億4100万円の赤字(2024年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3911
会社情報
- 会社名
- 東宝株式会社
- 設立
- 1932年8月
- 代表者
- 取締役会長 島谷 能成 / 取締役社長 松岡 宏泰
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 営業収入3131億7100万円、営業利益646億8400万円、経常利益644億5500万円、最終利益433億5700万円(2025年2月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9602
会社情報
- 会社名
- Qookka Games