ズーパーズース、実写撮影を土台にAIによる表現拡張と制作支援を組み合わせた映像制作ワークフロー『AIハイブリッド・シネマ&アニメ』を提供開始

ズーパーズースは、実写撮影を土台にAIによる表現拡張と制作支援を組み合わせた映像制作ワークフロー『AIハイブリッド・シネマ&アニメ』(『シネアニ』)の提供を開始した。

『シネアニ』は、俳優の演技やカメラワークの強みを活かしながら、実写とアニメーションを往復できる新しい制作方式。この方式は、時間、天候、場所、安全面など、従来の映像制作に伴う制約を見直し、映像表現の可能性を広げることを目的としている。

提供開始の背景として、ズーパーズースは2023年よりAIを使った映像制作に取り組んできた経緯がある。その試行錯誤を通じ、AIを単体のツールとしてではなく、実写現場、ポストプロダクション、制作進行を横断して設計することで、初めて実用的な制作力として機能するという考えに至った。今回の『シネアニ』は、現場での知見をもとに、再現性のある制作ワークフローとして整理・体系化したものである。

『シネアニ』の特長は主に三点ある。一点目は、映像制作上の制約から解放されることだ。従来の撮影時間、天候条件、ロケーション、安全面といった制約を見直し、柔軟な映像設計を可能にする。具体的には、AI VFXを活用し、昼素材を夕景・夜景化したり、雨・雪・霧などの環境要素を追加生成したりする。

 

また、光と影の整合調整によりカット間の違和感を軽減する。さらに、AIで生成した360度画像を3DGSで立体的な空間に変換し、iPhoneに取り込むことでバーチャルセットとして撮影に活用できる。これにより、実在ロケ地に近い空間を再現しつつ、複数アングルでの撮影や自然なカメラ移動を可能にし、リアルタイム合成で現場での完成イメージ確認と演出判断を進められる。

 

二点目は、俳優の演技を活かしたままアニメーション表現へ拡張できる点である。AIでゼロから映像を生成するのではなく、実写で撮影した俳優の演技やカメラワークを基盤とする。基本工程は、実写での演技とカメラワークの撮影、演技のニュアンスを保ったAIによる変換、作品意図に応じた画風や質感の調整の三段階だ。これにより、演技の説得力や身体性を残しながら、アニメーション特有の画風や世界観へ展開し、実写のリアリティとアニメーションの拡張性を両立させる。

 

三点目は、AIエージェントによる制作支援だ。制作現場で発生する反復作業や整理作業を支援するためAIエージェントを活用し、ソフトの初期セットアップ支援、素材フォルダ構成や命名ルールの整備、ロケハン資料の作成、進行ドキュメントや運用メモの更新支援などを行う。この支援により、クリエイターや制作チームは、演出判断、品質管理、作品設計といった本質的な業務に多くの時間を割くことができる。

 

想定する活用領域は、短編映画や長編映画の一部工程、ミュージックビデオ、企業ブランド映像、採用映像、観光・地域PR向け映像コンテンツなどである。

今後、ズーパーズースは『シネアニ』を基盤として、実写とアニメーションを横断できる映像制作体制の拡張を進める方針だ。AI活用の範囲と実写ワークフローの設計を制作ごとに最適化することで、表現と実務の両立が可能な、より実践的なハイブリッド制作の提供を目指す。