
博報堂DYホールディングスとARROVAは、全国15~49歳の生活者3,000人を対象に「インゲーム広告調査」を実施した。調査により、ゲームやメタバース空間のコンテンツ内に表示されるインゲーム広告が、生活者の購買意欲喚起とコミュニティ内でのクチコミ拡散を強く促すメディア効果を持つことが明らかになったとのこと。
調査は2026年1月に、全国の15~49歳男女3,000人を対象にインターネットで実施された。ゲームやメタバースなどのコンテンツ空間内に配置されるインゲーム広告について、従来のデジタル広告と比較して同等以上の効果と高い受容性が認められた。
インゲーム広告の認知度を見ると、『スマホゲーム』ユーザーと『ソーシャルVR』(VRChatなど)ユーザーでは約8割、『ゲーム系メタバース』(Roblox、Fortniteなど)ユーザーでは約5割がいずれかの形で広告を見たことがあると回答し、その存在感の高さが確認された。

広告接触後の購買喚起度において、インゲーム広告は従来のデジタル広告を上回る効果を示した。「ソーシャルVR」の空間の壁・看板・建物に表示される広告の購買喚起度は11.3%となり、全セグメント中最大となった。これは従来のデジタル広告であるアプリ内のバナー広告(6.8%)の約1.7倍にあたる。また、「ソーシャルVR」においては知人への高い拡散率も確認されており、深い態度変容が生み出されていることが示唆された。

受容性についても、空間配置型の広告はゲームプレイを中断させない特性から、ユーザーの不快感が低い。ゲームコンテンツ内の壁や看板広告を「しつこい・不快」と感じる割合は、『スマホゲーム』ユーザーで11.3%、『ゲーム系メタバース』ユーザーで11.2%、『ソーシャルVR』ユーザーで10.0%に留まり、一般的なアプリ起動中のポップアップ広告(19.4%)を大きく下回った。さらに、ゲーム内での課金経験者は広告への受容性が高い傾向が認められた。

各セグメントの課金ユーザーの傾向として、『スマホゲーム』では世界観に合っている広告の受容に同意する割合が65.7%、『ゲーム系メタバース』ではゲーム運営継続のためなら広告を容認する割合が66.7%、『ソーシャルVR』ではリワード付与と文脈適正(それぞれ66.5%、65.8%)が受容の鍵となることが示唆された。

調査では、インゲーム広告に接触する生活者のペルソナ像の違いも確認された。
・『スマホゲーム』層は、スキマ時間に楽しむ若年男性会社員が中心で、マスメディアの影響を受けやすい。

・『ゲーム系メタバース』層は、RPGやアクションを好む学生や子持ち社会人が中心で、商品購買は店頭やデジタル広告がきっかけになりやすい傾向を持つ。

・『ソーシャルVR』層は、VR・AIなどテクノロジーに強く、戦略系ゲームを好む20代後半男性寄りで、トレンドを自ら追うクリエイター気質が特徴である。

総括として、インゲーム広告は認知度を維持しつつ低い不快度で、購買喚起とクチコミ拡散を期待できるメディアであることが確認された。しかし、リーチボリュームや効果計測手法が未成熟という新興メディア特有の課題も抱えている。このため、従来のデジタル広告との併用によるリーチボリュームの確保や、ブランドリフト調査の実施など、課題を補完する運用が推奨されている。博報堂DYグループおよびARROVAは「そうした将来を見据え、今後も研究及びサービスの実装に積極的に取り組んでまいります」とコメントしている。
会社情報
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- 博報堂DYホールディングス