【レビュー】『Forza Horizon 6』を先行プレイ!日本を舞台にした最新作のリアリティ、そして遊びの幅広さをチェック

オープンワールド型レースゲーム『Forza Horizon 6』が、5月19日にXbox Series X|SおよびPC向けに発売される。Game Passにも対応予定だ。
開発を手掛けるのは、これまで『Forza Horizon』シリーズを支えてきたPlayground Games。イギリスやメキシコなど、世界各地を舞台に走る楽しさを描いてきたシリーズだが、最新作となる本作では、ついに日本が舞台となった。

シリーズ経験者としても、このテーマは見逃せない。今回はSteam版を先行してプレイする機会をいただいたので、ゲーム全体の雰囲気や、日本を舞台にした魅力を中心に紹介していきたい。

街も峠も港もコースになる。日本を走り尽くすオープンワールド

『Forza Horizon 6』の基本的な流れは、広大なオープンワールド上に点在するさまざまなレースへ参加し、ポイントを獲得していくというもの。一定量のポイントを溜めることで、ストーリーの節目となる「フェスティバルイベント」に挑戦できるようになり、これをクリアすると新たなレースが次々に解放されていく。

用意されているレースの数は非常に多彩。サーキットを走る王道レースはもちろん、舗装されていない道を駆け抜けるダートレース、大自然を巡るクロスカントリー レーシング、都市部の公道やコンテナが積み上げられた港湾地帯をそのままコースにしたものまで存在する。

ほかにも一直線の道路で最高速度を競うシンプルなスピードチャレンジや、トラックを運転してフードデリバリーに挑戦するユニークなミッション、日本が舞台ならではと言える峠レースなど、とにかくイベントの種類が豊富。「道を走っていたら次の遊びが見つかる」という感覚だ。

オープンワールド作品というと、「自由すぎて何をすればいいのか分からない」と不安になる人もいるかもしれない。そんなときは、メニュー画面から「おすすめイベント」を選ぶだけで、自然とフェスティバルイベントに向けたポイントが集まる導線が用意されている。自由度は高いが、遊び方に迷いづらい作りになっている点も印象的だった。

レースごとに求められる車種も少しずつ異なっており、車選びそのものも本作の楽しみのひとつだ。登場するメーカーも非常に幅広く、トヨタやホンダ、日産といった日本メーカーはもちろん、BMWやフェラーリなど海外ブランドの車も多数収録されている。さらに、半世紀以上前のクラシックカーや軽トラック、電気自動車まで用意されており、「それでレースに出るのか…!」と思わず笑ってしまうような車も少なくない。

とはいえ、これだけ選択肢が多いと、どの車を選べばいいのか分からなくなる人もいるだろう。筆者自身、車に詳しいタイプではない。しかし本作では、レース前に「おすすめ車種」を自動で提示してくれるため、その中から選ぶだけでも十分に楽しめる。もし該当する車を所持していなくても、その場で購入できるのも親切だ。どちらかというと、お気に入りの車にこだわるより、いろんな車を試すプレイスタイルのほうがしっくり来る。

車ごとの性能設定はかなり細かい。最高速度やハンドリング、加速性能などが細かく数値化されており、0.1単位で違いが設けられている。一方で、各車には「B 588」のような総合スコアも設定されているため、車に詳しくない人は、まずこの数値が高い車を選ぶだけでも問題ないだろう。

さらに、本作では細かなチューニングも可能。タイヤの空気圧やサスペンションの傾斜角、スタビライザーなど、かなり本格的なセッティング項目が並ぶ。もっとも、ソロプレイを楽しむだけならそこまで神経質になる必要はない。その一方で、「とことん自分好みに仕上げたい」という人にとっては、非常に奥深い要素になっている。

確実に、そして速く走るための基礎も紹介

このあたりはシリーズ経験者なら説明不要かもしれないが、レース部分についても触れておきたい。

実際の挙動は、アーケード寄りの爽快感を持ちつつも、しっかりリアル寄り。ドリフトのような派手なテクニックを決めることも可能だが、まず重要なのは「きちんと減速して曲がること」。アクセル全開で突っ込めば曲がり切れず、そのまま壁に激突…というのは本作では珍しくない。

特に重要なのが、コース上に表示される矢印ガイドだ。通常時は青く表示されているが、カーブ手前で黄色になったら減速の準備、赤になったらしっかりブレーキを踏んで曲がる意識を持つと、一気に安定して走れるようになる。

また、コース上には一定間隔でバルーン型のゲートが設置されており、その間を通過していく必要がある。逆に言えば、このゲートさえ通っていれば多少コースアウトしても問題ない。かなり厳密なライン取りを求められるわけではなく、特にダートコースでは豪快に飛び出しながらショートカット気味に走ることも可能だ。

さらに、本作には「リワインド」機能も搭載されている。大きくコース取りを間違えたり、壁にぶつかって順位を落としてしまった場合でも、少し前の時間まで巻き戻してやり直せるというものだ。使用にペナルティはなく、ノーリスクで何度でも挑戦できるため、初心者がコースを覚える練習としても非常にありがたい機能になっている。

リアルな日本で、現実ではできない走りを楽しめる

本作の舞台となるのは、「東京シティ」と呼ばれる広大なエリアだ。マップ全体を見ると、どことなく関東地方を彷彿とさせる地形になっているものの、実際にはかなり大胆なアレンジが加えられている。

湾岸エリアには巨大な都市部が広がり、その周辺には埋立地を思わせる工業地帯や港湾エリアも存在。高架道路が複雑に入り組み、夜になればネオンが街を照らす光景は、まさに東京そのものといった印象だ。

特に目を引くのは、巨大な高層ビル群とランドマーク的なタワーが並ぶ都市景観だろう。遠目に見ても「東京っぽさ」がしっかり伝わってくる。一方で、個人的に印象的だったのは、その足元に広がる風景だ。
ビルのすぐそばには昔ながらの商店街があり、小さな公園や住宅街も点在している。大都市でありながら、生活感のある空間が自然に混ざり合っているのである。生まれも育ちも東京の筆者としては、高層ビルとローカルな商店街が隣り合わせに存在する、この独特の雑多さこそが「東京らしさ」なのだと感じた。

そんな都会的なエリアから東へ目を向けると、そこには富士山と湖が広がっている。このあたりの位置関係はかなり現実の関東圏を意識しているようだ。
さらに富士山方面へ進んでいくと、巨大なスタジアムも姿を現す。明言されているわけではないが、サッカー文化の強い静岡エリアをイメージしているのかもしれない。実在の地名をそのまま使っているわけではないが、日本各地の特徴をうまく混ぜ合わせている印象。

郊外エリアはかなり自然豊か。ススキが風に揺れる草原や、一面に広がるひまわり畑など、日本らしい情緒を感じさせるロケーションが点在している。単に「自然がある」というだけではなく、日本人がどこか懐かしさを感じる風景として描かれているのが面白い。

また、都会と郊外の境目にある風景の再現度も印象的だった。大きな幹線道路沿いにガソリンスタンドや民家、妙に駐車場が広いコンビニがぽつぽつ並んでいる、あの独特のロードサイド感までしっかり表現されているのである。

ちなみに、広大なマップの中には、ゆるキャラを思わせるマスコットも点在している。建物の陰にひっそり隠れているものもあれば、道路脇で堂々と存在感を放っているものもあり、見つけたら車でぶつかって回収していく、ちょっとした収集要素になっている。レースの合間に寄り道感覚で探すのが楽しく、オープンワールドらしい遊びのひとつと言えるだろう。

「車でぶつかる」と聞くと不安になるかもしれないが、その点は安心してほしい。本作では車体のダメージ表現こそ存在するものの、事故で完全に走行不能になるようなシビアな仕様ではない。

そのため、木々をなぎ倒しながら森へ突っ込んだり、田んぼを一直線に横断したり、崖から大胆にジャンプしたりと、かなり豪快な走り方ができる。現実では到底できないような無茶を、限りなくリアルに再現された日本の風景の中で思い切り楽しめる。この現実とゲームらしさのバランス感覚こそ、シリーズならではの魅力だ。

巨大ロボまで飛び出す、“お祭り空間”としての『Forza Horizon 6』

ここまで紹介してきたように、『Forza Horizon 6』そのもののゲーム体験は、これまでのシリーズと地続きにある。自由に走り、多彩なレースへ挑み、好きな車で広大な世界を駆け巡る面白さは健在だ。

しかし、日本が舞台になったことで、面白さの感じ方はこれまで以上に独特なものになっていると感じた。特に我々日本人からすると。

というのも、本作は景色や道路、高速道路の構造まで「現実の日本っぽさ」を非常に丁寧に再現している。その一方で、プレイヤーは田んぼを突っ切り、崖からジャンプし、ときには道路を無視して一直線に目的地へ向かうこともできる。現実に近い風景だからこそ、「現実では絶対できないこと」をやっている非現実感がより際立っているのである。

そして、その極めつけと言えるのが、序盤のフェスティバルイベントだ。ライバルとして立ちはだかるのは、まさかの巨大ロボット。リアルな日本の街並みを舞台に、スーパーカーで巨大ロボと競争するという、この振り切れたテンションが実に『Forza Horizon』らしい。

「リアルなドライブシミュレーター」ではなく、「現実と非現実が混ざり合ったお祭り空間」として楽しめるなら、本作はかなり魅力的な1本になるはずだ。

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