【セミナー】隣の人を笑わせたい、という想いから誕生した『にゃんこ大戦争』…ポノスCOO兼開発部長・佐野星一郎氏が明かす4つの事業領域で取り組むIP展開と今後の展望

稲葉智秋 gamebiz編集者
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2026年6月29日、ポノスが『にゃんこ大戦争』に関するメディア向けのセミナーを、ポノス江戸オフィス(恵比寿)にて実施した。

このセミナーは、今年の11月にサービス開始14周年を迎える『にゃんこ大戦争』について、4つの事業領域で取り組むIP展開と今後の展望について、本作の開発・事業責任者であるCOO兼開発部長の佐野星一郎氏が語る、というもの。


▲登壇したポノスの佐野星一郎COO兼開発部長。

『にゃんこ大戦争』とは?
iOS・Android向けタワーディフェンスゲーム。プレイヤーは様々な能力を持つ“にゃんこ”たちを編成し、各地を侵略していく。2012年のリリース以来、個性的なキャラクターや独特の世界観が、日本のみならず世界中の多くのファンに支持されている。今後も多様なメディア展開やコラボレーションを積極的に行っていく。


▲ゲーム概要を伝える『にゃんこ大戦争』のPVが上映された。

2012年リリースという長寿タイトルである『にゃんこ大戦争』。その誕生秘話について「隣の人を笑わせたい、という発想から誕生した」と佐野氏。『にゃんこ大戦争』と言えば、モノクロのシンプルなキャラクターデザインが魅力のひとつである。佐野氏はその中の代表的なキャラクターのひとつである“キモネコ”についても触れ、「ポノスで働いていたデザイナーが、隣の席の同僚を落書きで笑わせてやろう、という気持ちから描いたイラストだった」と明かした。

続いて、『にゃんこ大戦争』のダウンロード数推移について。2012年にリリースして以降、毎月新規で+100万DLのペースを継続しているとし、2026年3月時点で全世界累計1億1111万DLを突破している。

そして世界166ヵ国で配信されている『にゃんこ大戦争』の言語版別のダウンロード割合も公開。英語版が全体の半数を占めているほか、日本語版は約3割ということがわかった。

グローバル展開について佐野氏は「日本発のゲームでありキャラクターではありますが、スマホの作品としては世界の市場において稀有な立ち位置にいる、と考えています」とコメントした。

今年で14周年を迎える『にゃんこ大戦争』だが、長期タイトルとなれた要因とは何か?

佐野氏はマーケティングやレベルデザイン、市場動向など様々な要因もありつつも、と前置きした上で「やはり“隣の人を笑わせたい”、“ユーザーの皆様に対して面白いものを提供したい”という部分を今でもすごく大事にしています。自分たちが面白いと思うものを追求して日本・世界で勝負するというポノスの初志貫徹の精神が長期タイトルに繋がっていると思います」と語った。


▲“にゃんこっぽさ”とは?  このテーマについて「人それぞれイメージはあると思いますが、ポノスではあえて言語化していません」と佐野氏。

『にゃんこ大戦争』は14年という長期運営の中で、ゲーム領域のみならずオフラインイベントやグッズ・書籍展開など、IPとしての事業領域を拡大させている。


その中で、ポノスが注力している4つの事業についての説明が行われた。

まずゲーム開発やプロモーション、MD、ライツについて、個人的な考えとしては重要な違いがあるとは認識していない、と佐野氏。ゲームが好きな人がグッズを買ってくれる場合もあれば、その逆もある。ポノス、そして『にゃんこ大戦争』を通じて、面白いと思うものを表現してエンターテインメントとしてユーザーに届けることを重視している、とした。

【4つの注力事業紹介:ゲーム】


▲日本語版13周年のプロモーション。ゲーム内も連動のみならずグッズ展開も行われた。


©︎カラー

▲2018年に『エヴァンゲリオン』シリーズとの初コラボを開催してから、おおよそ毎年色々なキャラやステージを追加実装している。また、他作品とのコラボについても1度きりではなく、継続して行われるというのも『にゃんこ大戦争』らしさと言える。


▲コンソールゲームでも存在感を示す。『ふたりで!にゃんこ大戦争』はDL・PKG累計販売数が2019年のダウンロード専用ソフトでランキング1位を獲得した。買い切りとなっているので小学生でも安心・安全に楽しめる。


▲『にゃんこ』のIPを活かした新ゲーム『パズルで豊作!にゃんこ村』。『にゃんこ大戦争』とは異なるパズルゲームとなっている。

【4つの注力事業紹介:プロモーション】


▲原画の展示や限定グッズの販売などが用意されたオフラインイベント「みんなで出撃!にゃんこ大戦争展」。神戸、福岡、札幌、横浜の累計来場者数は44000人以上を記録した。


▲近年注力しているグローバル展開。こちらは台湾関連のプロモーションについて。台湾ではポップアップを散発的に行ってきたそうだが、今年から常設店舗での販売を開始したという。


▲英語版10周年のプロモーションビデオを上映。有名なスパイ映画をオマージュしたものとなっている。ゲーム内のガチャを壊した犯人を見つけるべく、ゲームの中だけでなくインスタ、Xなどのゲーム外にも手がかりを散りばめてインゲームとアウトゲームを連動したコミュニケーションを実現した。


▲ゲーム内外で展開する『にゃんこ大戦争』のプロモーションは近年、国内外のアワードで受賞している。

【4つの注力事業紹介:ライセンス】


▲『にゃんこ大戦争』の世界観を実現させるためには、ポノスだけの技術やリソースだけでは不十分。やりたいことを実現するために社外のパートナー(小田急電鉄や神奈川県など)の協力を積極的に募集している。


▲色々な形でエンターテインメントを届けている『にゃんこ大戦争』は当然音楽も例外ではない。株式会社ウィンズスコアが、『にゃんこ大戦争』のBGMの楽譜を期間限定(2026年8月末まで)で無料配信している。大阪桐蔭高校吹奏楽部は、本楽譜を使用して演奏した。

【4つの注力事業紹介:マーチャンダイジング】


▲自社で運営しているECサイト“にゃんこ大商店”は今年10月で1周年を迎える。ほぼ毎月日本全国のどこかの会場でポップアップや出張所でグッズ販売を行っている。


▲『にゃんこ大戦争』のIPを活用した絵本や知育関連のグッズ展開にも注力している。

4つの注力事業のひとつ“マーチャンダイジング”を担うMD事業室。佐野氏はどのような想いで展開し、そして何を目指しているのだろうか?

佐野氏は「目指しているのは、ポノスならではの面白いものを届けること」とし、「MDはゲーム開発、プロモーション、ライツの事業と大きな差はなく、その届け方に違いがあるだけなのかなと僕は思っています」と続けた。

その文脈の中でMD事業室が他の事業にはない特徴として、「ひとつは形のあるものなので、物理的にファンの方と一緒に過ごすことが長いのかなと思っています。自分も2~3歳の頃、ゴリラのぬいぐるみと一緒に寝ていました。ゲームでは難しい部分でもグッズだから提供できることがあると。MD事業室が持つ役割はそういうところかなと考えています」と佐野氏は語った。

セミナーの締めとして今後の展望について聞かれた佐野氏は次のように述べた。

「中長期的な展望しては、変えるべきではないところと、進化するところがあります。まず変えるべきではない部分。それは弊社代表取締役社長の辻子(依旦)と一緒にポノス、そして『にゃんこ大戦争』が大事にしてきた“自分たちが面白いと思っているもので世界と勝負する”ということ。自分たちのエンタメを世界に評価してもらうために、内からくる笑いみたいなものを世界に届ける。それで笑ってもらえなかったら、評価されなかったら、自分たちがまだまだ未熟だと思うマインドだったりカルチャーはこれからも変えません。一方、進化させるべき点については、AIなどの技術的な発展や、オンデマンドなどによるエンタメのタッチポイントの増加で、ユーザーのエンタメ体験はかなり多様化しています。そういった現状の中で、ポノスが面白いと思えるものを評価してもらうためには、いろいろな形で挑戦していかなければならないと思います。ゲーム開発やグッズをやめるわけではなく、中長期の中でさまざまな可能性にトライして進化していきたいです。変えてはいけないマインドやカルチャーがあるのは大前提として、そこを継続させながらポノスならではのやりかたで今後も成長していけたらなと思ます」(佐野)


▲直近情報について「まだ具体的にお話できることはありませんが」としつつ、2027年は『にゃんこ大戦争』15周年を迎えるタイミングということで「僕らなりのやりかたで来年の15周年を祝いたいなと思っています。色々な案件を作って仕込んでいるところですので、時期がきたら発表させていただきます」とコメントした佐野氏。

また、セミナー終了後には、ポノスの東京支社である江戸オフィス内に新しく開設したショールームがメディア向けに初公開された。


▲ショールームでは、『にゃんこ』関連グッズが展示されていた。

余談だが、今回のセミナーに参加したメディアに、お土産として『にゃんこ大戦争』グッズ(日本理化学工業とコラボした黒板消しなど)が配られた。当たり前だが筆者の自宅に黒板はないので、『にゃんこ大戦争』にハマっている甥っ子にプレゼントして、叔父としての威厳をこれでもかと見せてやろうかと思っている。

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タイトル

『にゃんこ大戦争』

ジャンル

タワーディフェンス

対応OS

iOS/Android

配信日

2012年11月15日(木)

価格

基本無料(一部有料)

公式サイト

https://www.ponos.jp/games/thebattlecats/

公式ポータルサイト

https://battlecats.club/

著作権表記

©PONOS Corp. all rights reserved.

©PONOS Corp.

ポノス株式会社
http://www.ponos.co.jp/pc/

会社情報

会社名
ポノス株式会社
設立
1990年12月
代表者
辻子禮子、辻子依旦
決算期
11月
上場区分
非上場
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