
カバー<5253>が7月23日に全世界同時リリースしたスマートフォンゲーム『hololive Dreams(ホロライブドリームス)』が好調なスタートを切っている。
8月12日に発表した2027年3月期第1四半期の決算説明資料によると、事前登録者数は160万人を突破。正式サービス開始後は初日に100万ダウンロードを突破し、足元では200万ダウンロードを超えた。ユーザーレビューも高い評価を獲得し、リリースしたすべてのストアでセールスランキング1位を獲得したという。
こうした実績を受け、カバーは、金額こそ明かさなかったが、「関連実績はすでに期初想定を上振れて推移」と説明。さらに、ゲーム分野について「持続性の高い事業の柱としてゲーム分野の立上がりを確認」したと評価している。
単に新作ゲームが好調という話ではない。カバーが『hololive Dreams』に期待しているのは、ゲームそのものの収益だけではなく、ゲームを新たなファン接点として活用し、hololiveというIP全体の接触人口を拡大することにあるようだ。
■「ゲームを通じた新たなファン接点」を創出
カバーは第1四半期の決算説明資料で、『hololive Dreams』を「ゲーム領域を通じた新たなファン接点の創出」と位置付けている。
第1四半期には、リリースに先立つキャンペーンやPRによって事前登録者数100万人を達成。その後160万人まで登録者を伸ばして正式サービスへ移行した。
リリースに合わせて、JR東海との「推し旅」コラボキャンペーンや、日本・アメリカ・インドネシアの3カ国10都市でのアドトラック走行など、大規模なマーケティング施策も実施した。
ゲーム単体のプロモーションというより、「hololive」というブランドそのものをゲームを通じて外へ広げていく施策と見ることもできる。
■モバイルゲームをきっかけにIPのファンを広げる先例
こうした戦略自体は、IPビジネスにおいて決して珍しいものではない。
過去には「Fate」シリーズの『Fate/Grand Order(FGO)』や「ポケットモンスター」を題材とした『Pokémon GO』、アイドルマスターシリーズなど、強力なIPとモバイルゲームを組み合わせることで、大きなユーザー接点を生み出してきた例がある。
重要なのは、ゲームそのものを売って終わりではないことだ。
多くの人が手に取りやすいモバイルゲームを入り口としてキャラクターや世界観に触れてもらい、そこからアニメ、音楽、ライブ、グッズ、イベントなど、IPを構成するさまざまなコンテンツへユーザーを回遊させていく。
特にアイドルマスターのようなコンテンツでは、ゲームを起点としてキャラクター、楽曲、ライブ、グッズなどへファン接点を広げるモデルが長年展開されてきた。
カバーが『hololive Dreams』に期待しているのも、こうした「ゲームをIPへの入口にする」モデルに近いと考えられる。もちろん、これらのタイトルと『hololive Dreams』を単純に比較することはできない。IPの規模もゲームのジャンルも異なるためだ。
ただ、カバー自身がゲームを「新たなファン接点」と表現し、その先に新規ファンの獲得や既存ファンの再活性化を掲げていることは注目される。そしてサービス開始直後の好調な滑り出しに続き、今後はユーザーの定着率だけでなく、配信、ライブ、グッズ、ライセンスといった既存事業への波及まで含めて、その成否を見ていく必要がありそうだ。
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会社情報
- 会社名
- カバー株式会社
- 設立
- 2016年6月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 谷郷 元昭
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高493億3000万円、営業利益70億5600万円、経常利益70億6800万円、最終利益30億1600万円(2026年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 5253
