出版社への転職、編集以外の道は?漫画に関わる5つの職種を紹介

岸由真 gamebiz編集部
/

漫画に関わる仕事といえば、真っ先に思い浮かぶのは編集者だろう。しかし出版社には、編集部に所属せずとも作品と深く関わる職種が数多く存在する。校閲、ライツ事業、販売、マーケティング、グッズ企画――これらはいずれも作品の価値を別の角度から支える仕事である。本記事では、大手出版社の採用情報をもとに、編集職以外で漫画に携われる5つの職種を紹介する。

なぜ今、編集職以外の選択肢が注目されるのか

出版社への就職を志す人の多くは「編集者になりたい」という思いを抱いている。しかし編集職は倍率が高く、狭き門であることも事実だ。一方で出版社には、作品の信頼性を守る校閲、作品を世界に届けるライツ事業、作品を読者に届ける販売・マーケティング、作品を立体化するグッズ企画など、編集部に所属せずとも漫画と深く関わる職種が数多く存在する。むしろこうした職種は、編集とは異なる専門性を発揮できる点で、独自のやりがいがある。本章では、大手出版社の採用情報をもとに、編集職以外で漫画に携われる代表的な5つの職種を紹介していく。

校閲――作品の信頼性を裏で支える

校閲は、出版前の原稿を確認し、誤字脱字や事実誤認を指摘する仕事だ。講談社では、出版前に文字や内容を確認して誤りを訂正することで雑誌や書籍の信頼性を高める仕事とされ、目に見えない間違いを指摘するのも仕事の一部だと説明されている。

同社は毎年のように校閲志望者を採用しており、誤りがあってはならないという会社の姿勢が表れた職種だ。集英社でも校閲は独立した募集職種として扱われている。両社に共通するのは、校閲を編集部の一機能ではなく、専門性を持った独立部署として位置づけている点である。文章に向き合うのが好きな人にとっては、漫画のセリフ一つひとつと真剣に向き合える職種と言える。

ライツ事業――作品を国内外・他メディアへ届ける

ライツ事業は、作品をアニメ・映画・ドラマ・舞台・海外展開などへと広げていく仕事である。集英社では、原作以外の形で作品を世に出すべくプロデュースすることがライツの仕事とされ、企画立ち上げから契約、脚本、キャスティング、宣伝、グッズ、イベントまで一貫して携われるとされている。

同社ではライツ職がさらにプロデュース、海外出版ライセンス、契約、経理・入出金管理といった形で細分化されているのも特徴だ。一方、小学館では「ライツ・クロスメディア部門」として、コンテンツを他企業や団体が利用する際の窓口を担い、著作権の整備や著作権者の代理人としての役割も果たしている。「好きな作品をアニメ化する」という体験に最も近い職種だ。

販売・デジタル販売――紙と電子、両方の流通を作る

販売職と聞くと書店営業のイメージが強いが、近年はデジタル配信との連携が欠かせない。小学館グループの小学館パブリッシング・サービスでは、オンライン書店に対する営業とデジタル書籍配信のサポートを一つの部署が担っており、各ストアへの商品提案やプロモーション施策の提案、電子配信の売上データ管理までを行っている。

紙の本を届ける営業力と、デジタル時代の配信戦略を組み合わせる、いわば流通のハイブリッド職種である。ヒット作を一人でも多くの読者に届けるという意味では、編集と同じくらい作品の運命を左右する仕事だと言える。

マーケティング・販促担当――売れる作品に育てる

マーケティング・販促は、SNS施策や書店展開などを通じて作品の認知を広げる仕事である。講談社では「宣伝」の仕事を、自社の書籍・雑誌の宣伝広告を新聞など他社媒体に掲載することと定義しており、他社商品の広告を掲載して収入を得る「広告」の仕事とは、情報とお金の流れる方向が逆であると整理されている。

この違いは一見細かいようだが、担当作品を「売れっ子」に育てるという目的においては、宣伝の役割が中心的な意味を持つ。地道な仕掛けの積み重ねが重版という結果に直結する、手応えの大きい職種だ。

グッズ企画・MD担当――キャラクターを立体化する仕事

グッズ企画は、キャラクターグッズやコラボ商品を通じて作品の世界観を形にする仕事である。集英社では、コンテンツを源泉に展覧会などの有料イベントやグッズを企画・制作するイベント事業と、雑誌ブランドを活かした通販サイトの企画・運営を行う通販事業が、それぞれ別の職種として存在している。

一方、小学館では通販事業の求人において、商品開発からECサイト運営、Webマーケティングまでを一体的に担う体制が見られる。同じ「グッズ×EC」でも、会社によって分業の形が大きく異なる点は興味深い。好きなキャラクターを手に取れる形にするという、ファンにとって最も分かりやすい仕事の一つだ。

まとめ――好きな漫画への関わり方は一つではない

校閲、ライツ事業、販売・デジタル販売、マーケティング・販促、グッズ企画・MD――編集部の外にも、漫画と深く関わる道は数多く存在する。それぞれの職種は、作品の異なる側面を支える専門性を持っており、編集とは違う形で「好きな漫画に関わる」ことができる。自分の得意分野や興味に合わせて、こうした職種にも目を向けてみてはどうだろうか。

【AD】アニメ業界の転職支援サービス「エンターエンタ」

タグ2

<PR>エンタメ・メディア業界の転職なら「エンターエンタ」

「自分のブログやライター経験はポートフォリオになる?」「未経験から入れる優良なWebメディア企業を知りたい」という方は、ぜひ「エンターエンタ」にご相談ください。

書籍・Web・デジタルなど、媒体ごとの採用基準を熟知したプロのアドバイザーが、あなたの前職経験を「編集者の言語」に翻訳し、書類選考から面接対策まで伴走します。