テンダ、より高い付加価値を生み出せす人材重視の人的資本戦略 「売上規模」から「利益率・継続性・生産性」へ、AI・BPR人材を戦略人材に

テンダ<4198>は、人員拡大から付加価値を生み出せすん自在重視の人的資本戦略へのシフトを進めている。各事業の成長に必要な専門人材の確保・育成・配置を進めるとともに、AIやBPR、クラウド、データ活用などの専門性を持ち、顧客の業務改革を構想・提案から設計・開発、運用改善まで一気通貫で担える人材を「戦略人材」と位置付けている。

背景にあるのは、同社自身が進めている事業モデルの転換だ。テンダは従来の「売上規模を追う成長モデル」から、「利益率、継続性、生産性、顧客価値を重視する成長モデル」への転換を進めている。人的資本についても、この経営方針と連動させ、単純な人員拡大ではなく、より高い付加価値を生み出せる人材へのシフトを進める考えだ。

 

■AI・BPRなどを「戦略人材」に

テンダが今後の事業成長に必要な人材として挙げるのは、BPR、クラウド、AI、データ活用、業務自動化、プロジェクトマネジメント、品質管理、営業・提案、上流工程、ディレクターなどの専門性を持つ人材だ。

特にDXソリューション事業では、業務改革を起点とした高付加価値型・継続型モデルへの移行を進めている。単純なシステム開発やIT人材の提供だけではなく、業務プロセスの再設計、AIによる生産性向上、導入後の定着や改善までを含めた一気通貫型の支援へと事業領域を広げる。

このモデルでは、単に開発を担える人材を増やすだけでは十分ではない。顧客の課題を理解し、解決策を提案し、その後の開発・運用改善まで担える人材が必要になる。

テンダが「戦略人材」として上流工程や営業・提案、プロジェクトマネジメント、BPRなどを挙げているのは、こうした事業モデルの変化を反映したものといえる。

 

■「採用」だけではなく、既存人材のリスキリングと配置転換も

同社は戦略人材について、「確保・育成」だけでなく、既存人材のリスキリングや組織横断での最適配置についても強化が必要と認識している。そのため、AI活用を含むリスキリング、プロジェクトマネジメント力、営業・提案力、品質管理体制などの強化を進め、成長領域への人材配置や組織横断での人材活用を推進する。

これは、人材戦略を「採用人数を増やす」という量的な施策だけで終わらせず、現在の社員が持つスキルと、今後の事業に必要となるスキルとのギャップを埋めていく取り組みといえる。

AIや業務自動化についても、単純に人員を削減するというより、業務効率化によって生み出された余力を、より上流で付加価値の高い業務へ振り向ける方向性がうかがえる。

 

■報酬制度も「戦略人材」の獲得・定着を意識

人材の確保では、報酬制度についても市場価値を意識した設計を進める。給与等については、企業業績、部門業績、個人の成果を反映するほか、職務・役割・能力に応じた等級制度を基礎として、専門性や貢献実績などを踏まえて決定する方針。

さらに、AI・データ活用、プロジェクトマネジメント、上流工程、ディレクターなどの専門人材については、市場価値と社内における役割・貢献度を適切に反映できる処遇体系の整備を進める。

IT人材の獲得競争が激しくなるなか、すべての人材を一律に処遇するのではなく、事業戦略上重要な専門性を持つ人材について市場競争力のある処遇を用意し、育成・定着につなげる考えが見える。評価制度、等級制度、教育制度、報酬制度を連動させることで、従業員の成長実感や納得感を高めながら、戦略人材の育成・定着を促す。

 

■「働きやすさ」も生産性を支える基盤に

一方、人的資本戦略では多様な人材が能力を発揮できる環境づくりも進める。新卒・キャリア、性別、年齢、国籍、学歴、障がいの有無などにかかわらず活躍できる機会を提供し、リモートワークやフレキシブルな開発体制、社内業務ワークフローのDX化などを通じて、生産性向上と働きやすい環境の両立を目指す。

健康面では、新入社員向けのメンター制度、毎月のサーベイ、健康診断、ストレスチェックなどを通じて組織コンディションを把握し、職場環境の改善につなげる。2025年度の高ストレス者割合は8.6%と、2024年度の12.6%から低下した。有給取得率も63.8%から64.3%へ上昇している。健康診断受診率は両年度とも100%だった。

同社は2026年度も「健康経営優良法人」の認定を取得。2025年度には「くるみん認定」も取得しており、育児や介護、治療などライフステージの変化と仕事を両立しやすい環境整備も進めている。

 

■人的資本を「事業モデル転換」のインフラに

今回の人的資本戦略で特徴的なのは、DE&Iや健康経営といった「働きやすい会社づくり」にとどまらず、明確に事業戦略との接続を打ち出している点だ。テンダが目指しているのは、単純に人員を増やして売上を拡大することではない。

売上規模を追う成長モデルから、利益率・継続性・生産性・顧客価値を重視する成長モデルを目指している。そのために、AIやBPR、データ活用などの専門性を持つ人材を育成し、既存人材のリスキリングや配置転換を進める。そして、一人ひとりがより上流で顧客価値を生み出せる体制を構築する。

言い換えれば、人的資本戦略の中心にあるのは「人を増やすこと」ではなく、「人が生み出す価値を高めること」だ。テンダの事業モデル転換が進むなか、今後は戦略人材の育成・配置が実際にどの程度進んだのか、またそれが生産性や利益率、継続収益といった経営指標にどのようにつながっていくのかが注目される。

 

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株式会社テンダ
https://www.tenda.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社テンダ
設立
1995年6月
代表者
代表取締役会長兼社長CEO 薗部 晃
決算期
5月
直近業績
売上高55億7400万円、営業利益4億2800万円、経常利益4億4100万円、最終利益2億5700万円(2025年5月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4198
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