グリーHD、RINDO Entertainmentを連結子会社化へ 男性アイドル領域取り込みでライブエンタメが新たなフェーズに 売上高予想を60億円上方修正

グリーホールディングス<3632>は9月28日、持分法適用関連会社のRINDO Entertainmentの株式を追加取得し、連結子会社化すると発表した。グループのライブエンターテインメント事業における事業ポートフォリオの拡充が狙い。これに伴い、2027年6月期の連結業績予想についても、売上高を従来の510億円から570億円へと60億円、11.8%上方修正した。一方、営業利益予想は39億円で据え置いた。
今回の動きを見るうえでポイントとなるのが、グリーがこれまで投資を続けてきたライブエンターテインメント事業が、収益化の段階に入りつつあることだ。
■投資先行だったREALITY Studios、26年6月期に単月黒字化
グリーグループでは、ライブエンターテインメント事業をREALITY Studiosが担い、複数のVTuber事務所を展開している。
これまで同事業は、所属タレントの育成やコンテンツ開発などへの投資が先行していたが、2026年6月期第4四半期にはプロダクション事業が単月黒字化。営業利益も1000万円の黒字となり、収益面で転換点を迎えた。隣接する「REALITY」についても黒字体質が定着し、これまで課題となっていた債務超過も解消している。
こうした状況を踏まえると、今回のRINDO Entertainmentの子会社化は、単に新たな事業を買収するというよりも、これまで投資を続けてきたライブエンターテインメント事業が一定の事業基盤を築いたうえで、次の成長領域を取り込む動きと見ることができそうだ。
■RINDOを80%子会社化、男性アイドル領域を取り込む
RINDO Entertainmentは、タレントやアーティストの育成・マネージメント、芸能プロダクションの運営などを手掛ける会社。2026年6月期の売上高は67億8900万円となっている。同社は、SNSフォロワー数十万~数百万人超の有力な男性アイドルグループを複数所属しており、グリーにとってはVTuberとは異なる男性アイドル領域の事業基盤を取り込むことになる。
これまでREALITY Studiosが35%を保有する持分法適用関連会社だったが、今回90株を追加取得。保有比率を35%から80%へ引き上げ、連結子会社とする。株式譲渡は10月1日を予定しており、2027年6月期第2四半期から連結対象となる予定だ。
グリーは、RINDOが持つ男性アイドルグループを活用して同領域での事業展開を拡大するほか、自社グループが持つ財務基盤やバックオフィス機能、プロダクション事業で培ったマーチャンダイジング、イベントなどの知見を組み合わせることで、事業運営の高度化・効率化を図るとしている。
■売上高は60億円増、営業利益は据え置き
RINDOの連結子会社化を受け、グリーホールディングスは2027年6月期の業績予想を修正した。売上高は従来予想の510億円から570億円へ、60億円の上方修正。これはRINDOの連結子会社化によって、ライブエンターテインメント事業の売上高が約60億円増加する見込みとなったためだ。
ただ、営業利益は39億円で変更していない。会社側は、本件株式取得に伴うM&A関連費用などを勘案した結果、現時点では連結営業利益への影響は限定的と判断している。つまり、今回の子会社化によって売上規模は一段拡大するものの、現段階では利益を大きく押し上げることを前提とした業績予想にはなっていない。
■「投資」から「事業拡大」へ ライブエンタメの次の段階
今回のRINDO子会社化で興味深いのは、グリーがライブエンターテインメント事業への投資を続ける一方で、その事業自体が収益化の段階に入りつつあるタイミングで、次の事業領域を取り込もうとしている点だ。
REALITY Studiosのプロダクション事業は、これまでVTuber事務所の立ち上げやタレント育成などへの投資が先行してきた。しかし、2026年6月期には単月黒字化を実現。REALITYについても黒字体質が定着し、グループとしてライブエンターテインメント領域の事業基盤が整いつつある。
そこに今回、男性アイドルという新たな領域を加える。RINDOの連結化によって、まずはグループ全体の売上規模が拡大するが、営業利益予想は据え置かれていることから、今後の焦点は、RINDOが持つ男性アイドルのファン基盤と、グリーがこれまで培ってきたマーチャンダイジングやイベントなどのノウハウを組み合わせ、どこまで収益性を高められるかに移ってくる。
取得価額は非開示ながら、グリーの直前事業年度末の純資産額の15%を下回る金額としており、独立した第三者による評価などを踏まえて決定したとしている。
これまで投資を続けてきたREALITY Studiosの事業基盤が整い始めたなかで、VTuberに加えて男性アイドルへとポートフォリオを広げる。今回のRINDO子会社化は、グリーのライブエンターテインメント事業が「投資して育てる段階」から、「事業領域を広げて成長させる段階」へ移行しつつあることを示す動きともいえそうだ。
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会社情報
- 会社名
- グリーホールディングス株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 最高経営責任者 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高571億1100万円、営業利益48億6000万円、経常利益37億6000万円、最終利益11億9400万円(2025年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632
会社情報
- 会社名
- REALITY
- 代表者
- 代表取締役社長 荒木 英士