
エンタメマーケティング事業を手掛けるフラッグは、買い切りタイプのゲームを購入した消費者516名を対象とした意識調査をもとに、ゲームプロモーションの「刺さる施策」と「嫌われる施策」の違い、そして発売後も購買を後押しし続ける中長期的な仕掛けを分析したホワイトペーパー「【2026年最新】ゲームプロモーション白書」を公開した。
■調査の背景:一過性の「バズ」ではなく、続く「熱量」をどう作るか
発売日(Day1)に向けてSNSでの話題化やトレンド入りを狙う「バズ狙い」の施策は、いまやゲームプロモーションの定石となっている。しかし、こうした一過性の話題づくりは、本当にユーザーの購買意欲につながっているのだろうか。
同社では、直近半年以内に買い切りタイプのゲームを購入したユーザー516名に、実際に「買う気が失せた施策」と「購入したくなった施策」を尋ねた。その結果、企業主導の話題づくりが逆効果になりうる実態とあわせて、ユーザー自身の発信(UGC)が、発売後も継続的に作品の認知と購買を広げる鍵になることが分かった。
■調査データのハイライト(調査レポート2章・4章より抜粋)
①48.1%が「話題性ばかり狙うPR」に買う気が失せると回答
ゲームプロモーションやSNS施策について「作品とズレている、買う気が失せる」と感じるものを尋ねたところ、最も多かった回答は「ゲーム内容よりも話題性ばかりを狙っていそうなPR」(48.1%)だった。次いで「世界観を無視した、バズ狙い・トレンドに乗っかったSNS投稿」(37.8%)、「売り込み感(宣伝感)が前面に出すぎている広告」(36.8%)が続いている。
ユーザーは、企業が一方的に「売りたい」という姿勢を前面に出す発信や、作品の中身を伴わない話題づくりに対して、明確な拒否反応を示していることが分かる。

②支持されたのは「意外性」と「ゲームプレイの楽しさ」
一方、「この作品は面白そう/購入したくなる」と感じる施策として最も支持を集めたのは「興味をそそられる、意外性や遊び心のある施策」(56.4%)だった。次いで「売り込みではなく、『ゲームプレイの楽しさ』が伝わる見せ方・広告」(44.8%)、「作品の世界観や開発意図にマッチした、納得感のあるキャスティング」(36.4%)が上位に並んだ。
興味深いのは、これらのNG項目とGOOD項目の多くが「同じ論点の裏表」になっている点だ。例えば同じ施策であっても、
・作品理解が先にあるか/後回しになっているか
・世界観と合っているか/無視して話題化重視になっているか
・主語が「遊びたい」か/「売りたい」か
という視点次第で、「遊び心のある企画」として好意的に受け止められるか、「バズ狙いの安易な施策」として拒否感を持たれるかが分かれる。つまり施策の目新しさそのものではなく、作品理解に基づいているかどうかが評価の基準になっている。

③7割以上が「発信したくなる瞬間」を具体的に持っている
上記①、②で見た通り、企業からの一方的な発信(公式PRや広告)は、内容が伴わなければ「売り込み感」「バズ狙い」として敬遠される傾向にあります。「ゲームプレイの楽しさ」を公式側が発信し続けるだけでは、この売り込み感を完全に払拭するには限界がある。
そこで重要度を増すのが、ユーザー自身の言葉や体験を通じた発信、UGC(ユーザー生成コンテンツ)だ。ユーザー起点の発信は、公式発信では出しきれない「実際に遊んだ手触り」や「温度感」を伝えられる点で、購買を後押しする力を持っている。
UGCの有効性自体はマーケティング施策として広く知られているが、今回の調査で特筆すべきは、ゲーマーの70.3%が、ゲーム購入後にSNSで自発的に発信したくなる具体的な瞬間を既に持っているという定量データだ。その内訳は以下の通り。

これは、企業側から一方的に発信を仕掛ける以前に、ユーザーの中にはすでに「シェアしたい」という自発的な欲求が存在していることを意味する。企業に求められるのは、この欲求をゼロから喚起することではなく、すでにある発信意欲を後押しする環境や仕掛けを用意すること(例:感想を投稿しやすいハッシュタグ設計や、公式アカウントからの投稿取り上げなど)だといえる。
また、白書では、発売前・発売当日・発売後(発売2週間以降)という「3つの波」のうち、UGCが最も重要度を増すのは発売後のフェーズであると位置付けている。市場の約半数(46.8%)を占める「後追い購入層」を取り込む上で、発売後も途切れず続くユーザー発の情報波及は、Day1のみに依存しない中長期的な認知拡大・購買促進の土台になる。
■「【2026年最新】ゲームプロモーション白書」の内容について
本資料(全26ページ)では、上記の「避けられるPRと喜ばれるPRの違い」や「UGCの可能性」に加え、以下の内容も収録している。
・発売前の認知と発売前の購入の間に生じる大きなギャップの実態
・購入が「発売前」「発売当日・直後」「発売2週間以降」の3つの波に分かれて発生する構造と、後追い購入層を取りこぼさないためのポイント
・RPG/アクション/シューター/シミュレーション/パズル・リズムなど、ジャンル別に異なる「盛り上がる認知タイミング」や「購入の決め手」の一覧表
・上記データをもとにした、企画立案時に使える実践的なチェックリスト
自社タイトルのジャンルに合った予算配分や、施策実行前のリスクチェックに活用できる。
ゲーマーの消費傾向が気になる方、ゲームプロモーションの効果を最大化し、長期的なヒットを生み出したい担当者は、下記より資料をダウンロードして活用してみよう。
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https://www.flag-pictures.co.jp/document/gamepromotion/
■監修・執筆者紹介

株式会社フラッグ
デジタルマーケティング事業部
ソーシャルメディアマーケティング本部
シニアマネージャー
エンタメ企業から一般企業まで幅広い企業でソーシャルメディアを主軸としたプロモーションやブランディングの経験を積み重ね、2021年よりマネージャーに就任。
モバイル・コンソール問わずゲームプロモーションに従事。デジタル施策からリアル展開まで幅広く手掛け、開発チームやプレイヤーの想いに寄り添った提案を強みとする。
本作においては、日頃からゲーム業界の皆様へ向けた提案や運用を手掛ける実務の観点から、最新データを紐解きつつユーザーの消費行動について分析を担当。

伊東 晴菜
株式会社フラッグ グロース戦略室
営業現場からキャリアをスタートし、現在はZ世代ならではの視点とリサーチ力を活かして、コラムやnote、メルマガ、展示会など自社のインバウンドマーケティング施策を幅広く担当。
これまで100本以上のコンテンツを手掛けてきた発信力と、アニメやお笑い、音楽などのエンタメへの愛を武器に、トレンドや文脈を意識した情報発信を心掛けている。
本白書では、日々のコンテンツ企画の経験をもとに、調査データの収集や分析、資料の作成全般を担当。