MMD研究所、「スマートフォンアプリに関する業界動向調査」を発表

スマートフォンの急速な普及に伴い、リリースされるスマートフォンアプリや、スマートフォンアプリ事業に参入する企業が増えている。参入したい企業はどのくらいあり、またどういった課題があるのか。MMD研究所は、本日(11月9日)、「スマートフォンアプリに関する業界動向調査」の結果を発表した。 この調査は、MMD研究所がアプリヤ監修・協力のもと10月26日から10月28日まで行った調査で、有効回答数176人。急速に発展するスマートフォンアプリ業界の課題を浮き彫りにする興味深い調査となっている。 まず、スマートフォンアプリビジネスの参入意向を調査したところ、回答者の22.2%が「アプリ開発側として、参入している、または、参入経験がある」とし、22.7%が「アプリ発注側として、参入している、または、参入経験がある」と回答した。回答者の45%がスマートフォンアプリに参入していることになる。     ■発注会社調査…「アプリ開発の適正価格がわからない」が53% 発注会社側の回答者を対象に参入または検討しているスマートフォンアプリのジャンルについて質問したところ、「ゲーム(26.2%)」「ライフスタイル(24.6%)」「ユーティリティ(21.5%)」となり、ゲームアプリで参入したい会社が多いことが判明した。 次に、スマートフォンアプリの開発会社を選ぶ上で、最も重視する点について質問したところ「実績(44.6%)」という回答が最も多く、次いで「コストパフォーマンス(21.5%)」「得意ジャンル(16.9%)」という結果となった。 発注会社側の回答者を対象にアプリ制作を発注する上での懸念点について質問したところ、「適正価格が分からない(53.8%)」という回答が最も多く、次いで「自社にとって適切な開発会社を探すのに苦労する(46.2%)」「見積りが不明瞭(29.2%)」という結果となった。   ■開発会社調査…「発注者の依頼内容が不明確」が52% 一方、開発会社側にも調査を行なっている。回答者を対象に発注依頼が多いスマートフォンアプリのジャンルについて質問したところ、「ビジネス(32.1%)」「ユーティリティ(20.8%)」「BtoB向け(営業支援ツールや業務管理アプリ等)(18.9%)」という結果となった。 逆に、開発会社側の回答者を対象に、受託する上での懸念点について質問したところ、「発注者の依頼内容が不明確で精度の高い見積りが出せない(52.8%)」という回答が最も多く、次いで「発注者の問い合わせ内容が漠然としている(49.1%)」「事前に企画が詰め切れていないので、制作後の修正依頼が多い(45.3%)」という結果となっている。   適正価格がわからない、発注者の依頼内容が不明確といった問題は、ITソフトウェア開発ではよく見られる問題なのだが、スマートフォンアプリ開発でも同じ問題・課題が発生しているようである。発注者側には、何を作りたいのか、どういったサービスをしたいのか、企画内容を明確にするとともに、受託会社と綿密に協議を行い、的確な要件定義を行うことが求められる。