Yostarは、デヴシスターズが開発する「クッキーラン」シリーズの新作スマートフォン向けゲーム『クッキーラン:冒険の塔』を4月3日にリリースする。『クッキーラン:冒険の塔』は、シリーズ初の3Dモデルを採用し、かわいらしいクッキーたちのビジュアルが特徴だ。
今回、リリース直前を控えた本作を先行プレイしてみたので、その内容をお伝えする。
演出やギミックが盛り込まれながらも直感的な操作で楽しめるゲーム性
オープニングムービーからチュートリアルにかけての導入部分は、演出に力が入れられていた。クッキーたちのコミカルな動きやボイスがふんだんに盛り込まれ、最新の映像クオリティの体験が味わえた。
本作の舞台となるのは、魔女の塔。クッキーたちは、囚われの仲間たちを救出し、塔の最上階を目指す。
ゲームはステージ制を採用しており、各階層でギミックや敵と対峙しながら進んでいく。操作はバーチャルパッドによる移動と攻撃スキルで、アクションゲームに馴染みのないプレイヤーでもスムーズに操作できるよう調整されている。クッキーの挙動は軽快であり、プレイしていてストレスを感じさせなかった。
マップのデザインはシンプルながら、道中のコインやくまゼリーを回収する楽しみがあり、探索要素も充実していた。各マップには特定のミッションが設定されており、攻略することで特別な報酬を得ることができる。
ダンジョンステージにはトゲ床や風や落下などのギミックが配置されており、戦略的な移動が求められる場面も。 モンスター討伐に特化したWAVEステージなど、バリエーション豊富な構成はゲーマーとしては嬉しいところだ。
戦闘はアクション性に富んでおり、スキルのクールタイムが短めに設定されているため、テンポよく技を繰り出せる。エネミーの攻撃も視覚的に分かりやすく、回避するための猶予時間がしっかり確保されているため、アクションゲームが苦手なプレイヤーでも楽しめる。
ボス戦はスピーディな展開が魅力的で、白熱した戦闘が楽しめる。攻撃バリエーションが多く、避ける事に集中する場面も。パターンが変化し戦闘の展開が変わるため、長期戦でも飽きさせない工夫がされていた。
また、クッキーごとのロール(アタッカー、エレメンター、サポーターなど)が明確に分かれており、パーティ編成の妙が求められる。
●アタッカー:ダメージを与えながらエレメントゲージを効率的に溜める。
●エレメンター:モンスターにエレメントゲージを付与し、戦略的なサポートが可能。
●サポーター:回復やシールド、バフなどで味方を支援できます。
エレメントストライクというシステムを活用することで、モンスターに付与したエレメントゲージを溜めて強力なダメージを与えられる。戦略の幅が広がり、協力プレイにも活かせる要素となっている。
エレメントストライクの組み合わせや属性相性を意識することで、難敵も打開できるバランスとなっており、育成や戦略要素にも注目したい。
4人のプレイヤーで協力しながらボスを倒すレイドバトルは、スリリングな展開が魅力。ボスには5段階の難易度があり、腕に自信のあるプレイヤー向けの高難易度ステージも用意されている。
ボスの種類とおすすめ属性は毎週変更され、プレイヤーが試行錯誤する楽しみも大きい。レイドの報酬には装備や貴重なアイテムが含まれ、一定の条件を満たすことで特別な演出とともに追加報酬を得ることができる。
最近ではおなじみのバトルパスシステムが搭載されており、ウィークリー報酬やシーズン報酬が充実していた。クッキーには属性やタイプ(打撃型、斬撃型、魔法型、射撃型、支援型)が設定されており、装備の付け替えや強化などのカスタマイズが可能だ。
各クッキーにはボイスが設定されており、操作性やビジュアルの面でも選択の幅が広がる。プレイヤーは自分の好みに合ったクッキーを選び、長期的な育成を楽しめる。
【業界人向け】レビューで感じた新しい挑戦と継続を意識した設計
本作をプレイして感じた最大の特徴は、シリーズ初となる見下ろし型の3Dアクションを採用している点にある。これまでスライド操作がメインだった「ランゲーム」から脱却し、より没入感の高いゲーム体験を提供しようとする気概が感じられた。
操作は仮想パッドによる移動とスキル発動のシンプルな構成で、スマートフォンでの操作性も高い。UIは画面の下部に集約され、親指だけで完結できる設計となっており、視認性と操作性のバランスが極めて高いものとなっている。
特筆すべきは、スキルの連携や位置取りの重要性がありながらも、テンポ感を損なわないよう“攻撃対象に自動的に照準を合わせる機能(オート機能)”や“ガイド矢印”などが用意されている点である。これは、アクション初心者でもつまずきにくく、かつやり込みプレイヤーには戦略的選択の余地を残すという、バランス設計上の巧妙な配慮といえる。
先行プレイ時点にて体験できたのは、「ストーリーモード」を中心とした複数のコンテンツであるが、既にかなりのバリエーションが存在する。
ストーリーモード:探索・謎解き・バトルが融合した構成で、ステージクリア型だが飽きにくい作り。
ガラスの迷宮:エンドコンテンツを想定した高難度バトル。課金・育成の成果を測る難易度設計。
レイドバトル:最大4人の協力プレイ。ギミック対応やクッキーの特性を生かした役割分担が求められる。
塔のひずみ: ローグライク的なギミックが配置されたパズル要素。
これらのコンテンツ群は、「日課」「週課」「エンドコンテンツ」への分化がリリース時点にて明確に設計されており、継続的な運営に耐えうる構造をすでに備えようとしている点が評価できる。
また「塔を登って仲間を救う」というストーリー構造が縦スクロール映像と非常に相性が良く、SNS短尺動画と親和性があり、プレイ動画をSNSで投稿して盛り上がれる土壌もつくれそうだ。
他にも、育成要素は大きく分けて「クッキー(キャラクター)」「装備」「アーティファクト」の3軸で構成されており、それぞれの強化方法や入手導線が異なる点が本作のマネタイズ構造に直結している。
クッキー:主にガチャやストーリークリア報酬で入手(ピックアップあり)。かけら方式による重ね強化(★アップ)あり。
装備:バトルドロップ+合成強化。見た目変化なし、性能特化型。
アーティファクト:ランダム性が高く、ハクスラ的な厳選要素あり。PvE最適化要素に近い。
さらに、装備のセット効果やパッシブ特性の組み合わせによって、同じキャラでも戦い方が変わるため、ガチャ依存一辺倒ではないモデルを意識していると感じられる。
結果として、課金導線が複線的かつユーザー層ごとに選択できる仕組みとなっており、こちらも継続的に遊んでもらえることを意識した設計になっている印象だった。
従来の魅力を保ちながら新しい体験提供に挑戦されたシリーズ意欲作
『クッキーラン:冒険の塔』は、既存のファン層に向けたクッキー・世界観の魅力を保ちつつ、3Dアクションという新しい遊び方でユーザーへの新しい体験や新規ユーザーにも目が向けられており、シリーズ作品の中でも意欲作といえる。
操作性、育成、UI/UXなどにて“運営型タイトル”として継続可能な骨組みができており、長期運営への気概が感じられたのは興味深かった。
現時点でも非常に完成度が高く、今後の運営にて更なる楽しみもできそうであり期待が高まる。4月3日の正式リリースを心待ちにしつつ、気になる人はプレイしてみてはいかがだろうか。
■『クッキーラン:冒険の塔』
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会社情報
- 会社名
- Yostar
- 設立
- 2017年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 李 衡達